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転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


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実に気持ちの悪いことこの上ない

しかし結果としてノア様がわたくしと一緒の班になりたい旨とシャルロッテをこの班に加えたいという発言により今回の遠足のわたくしの班はノア様、レオ、わたくし、シャルロッテというまるで悪夢の様な班となってしまった。


そもそもこの遠足は新しいクラスに馴染む為の行事であり別のクラスと合同の班など本末転倒なのだがノア王子に対して物言いできる者は、生徒は当然ながら教師にも居る筈もなくこんな事が何の障害も無くまかり通って良いのかと抗議したくなる。


生徒は身分関係なく皆平等はどうした。





こうして悪夢の様な班が結成され、現在地獄は何処だと言われればわたくしが乗っている班の馬車であると即座に答える事が出来るくらいにはまさに地獄である。


本日朝から誰も口を開く事なく終始無言なのだがお通夜のような静けさでも無ければ息の詰まる様な静けさでも無い。


むしろわたくしの隣に座ったノア様もレオもシャルロッテも何故かわたくしに何かを言いたそうにしては引っ込み、終始もじもじとしているのである。


実に気持ち悪いことこの上ない。


「あぁもうっ!何なんですのっ貴方達っ!!さっきからそわそわもじもじとっ気持ち悪いったらありゃしませんわっ!」

「き、気持ち悪い……だと」


ノア様がわたくしに気持ち悪いと言われて何故か落ち込んでいるのだが怒るのならばまだしも落ち込む意味が分からないのでこの際無視である。無視。


「特にレオっ!」

「な、何だよっ!?」

「貴方がそうやってそわそわもじもじしている姿が特に気持ち悪いのですわっ!!」

「俺だけ酷くねぇかっ!?」

「黙らっしゃいっ!!普段であれば人の気持ちなど慮る事をせず土足で踏み荒らすのが貴方でしょうっ!!何を躊躇っているんですのよっ!!言いたい事があるならサッサと言いなさいなっ!!」


本当に今日は朝からそわそわもじもじそわそわもじもじと、一体何だというのですの。


その態度を向けられるわたくしの気持ちも少しは考えて頂きたいものである。


そしてわたくしに尻を叩かれたからかレオはやっと言う決心がついたのか真剣な表情をする。


全く、世話の焼ける。


そんな、覚悟を決めたレオを見てノア様が「先を越された……っ!」などと小さくほざきながらその表情を青ざめている。


一体さっきから何なんだノア様は。


「ふ、フラン……俺はあの時お前に惨敗し、そして剣を持つ意味を問われてからずっと考えていた」


そこまで言うとレオは人生を左右する何かを決意する者の表情をすると、スッと頭を下げる。


「今まですまなかったっ!」


何をどう思って何処が間違いと気付いたか全くもって分からないのだが、あのレオが誰に催促される訳ではなく自分の意思で女性であるわたくしに頭を下げた。


難しい年齢である思春期にレオはレオなりに考えながら人として成長しているのであろう。


「すみませんでした」

「………は?」

「すまなかったではなく、す・み・ま・せ・ん・で・し・た。謝罪の時ぐらいちゃんとした言葉を使いなさい」

「す、すみませんでした……」


男尊女卑の考えが強いレオからすればかなり屈辱的な状況にも関わらずそれでもキレる事なくちゃんと謝罪をしたのだから今度はわたくしが折れる番であろう。


ちゃんと謝罪してくれたのなら許してあげるべきだとわたくしは思う。


もちろん謝罪だけでは許されない物事がある事も理解しているのだが今はその様な大人気ない事を言う場面では無い事くらいは人生経験を積んできたつもりである。


そしてノア様はノア様で「告白かと思って焦ってしまったではないか……っ」とボソボソ言っているのだが一体何の告白だと思ったのか。


隠してはいるが、ノア様が実はパパっ子だという事であろうか?それとも実は牛乳を飲むと腹を下してしまうという事であろうか?


しかしながらノア様。残念ながらわたくしはゲームによりそれら全て既に知っておりますの。


そんな事とは知りもしないであろうノア様は放っておいてわたくしはレオへ返事をする。


「分かりましたわ。ビンタ一発でレオの謝罪を受け入れますわ。男なら頬の一つや二つ黙って差し出しなさいな」


しかし、何もしないのはそれはそれでわたくしの鬱憤………ではなくてわたくしの気持ちの整理が付かない。


ここはビンタ一発で丁度良いだろう。


「分かった。これでお前の気が済むのなブヘァっ!?」


良い子のみんなは相手が喋っている時にビンタをするのは非常に危ないので絶対に真似をしてはいけませんわよ?

レオに関しては死んでも死なない様な筋肉馬鹿ですので良いのです。


「おいテメェー、ビンタって言ったよなぁっ!?扇子で叩くとは聞いてないぞっ!」

「たかだか掌か扇子かの違いだけで小さい男ですわね。細かい男は嫌われますわよ?」

「これがただの女性相手ならば何も言わねぇよっ!オメェの扇子は最早武器じゃねぇかよっ!!」

「何を大げさな。ちょっと鉄を切れるくらいですわよ」

「十分じゃねぇかよっ!!」


コイツ、わたくしに許されたからと言って今までのもじもじとした気持ち悪い態度が嘘だったかのように普段通りのレオに戻っているではないか。


そんな中、シャルロッテが「わ、私も!」と言うと勢いよく頭を下げ「すみませんでしたっ!!」とわたくしに向けて謝罪をした後、左頬をわたくしに差し出し目をぎゅーと瞑る。

全体的に(23話、見込みの無い馬鹿まで)誤字脱字の修正およびあらすじを含めて若干の内容の変更(言い回しの変更や言葉の追加または添削)致しました(^ ^)

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