夕食が全てわたくしの身体へダイブ
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「そんなの決まってますわっ!!フランお嬢様の奴隷になると美味しいごはんやデザート類を食べれて、更にはすごい効き目の化粧品の数々も使用できるって事をっ!!しかもっ!今あの有名な喫茶店のウェイトレスとしても働けるって知っているんだからぁぁああっ!!私もあの可愛い制服を着て働いたらきっといい人が直ぐに見つかるに決まってますぅぅぅううっ!!」
「「「!!??」」」
「………貴女という人は。すみませんフランお嬢様。メイド長に関しましては後でしっっっっかりと、躾させて頂きますので何卒ご容赦の程お願い致します」
「わ、分かりましたわ」
「それでは」
「嫌だぁぁぁああああっ!!フランお嬢様の奴隷になるのぉぉぉおおっ!!」
「何を言っているのですか、まったく。メイド長の仕事を押し付け──ではなく、あなた以外に任せられると思っているのですか?ただでさえ誰もやりたがらない───ではなく、メイド長と名乗れるスキルをお持ちのお方は今現在貴女だけでなのですよ?」
そしてメイド長はセバスに首根っこを掴まれ、小言を言われながらも尚も癇癪をおこし、最後の断末魔の如き声を上げ、引きずられながらわたくしの部屋から出ていく。
一応原作ではセバスとこのメイド長が物語中盤でお付き合いするという流れなのだが、いまのあの二人を見る限りでは、メイド長には申し訳ないのだがわたくしが死亡フラグを何本かぶち折った関係でついでにメイド長の恋愛フラグもバッキリと折ってしまっていたようである。
すまぬ、メイド長よ。
そしてその光景を目の当たりにした他のメイド達はより一層恐怖心を抱き、メイド長という肩書を背負うという事とは精神が壊れてしまう程に過酷であるのだと認識してしまう事により、結果だれもメイド長になりたがらないという現状が出来上がって行くのであった。
「まったく、後でメイド長には何か差し入れでもあげて差し上げましょうか………」
そしてわたくしは頭を抱えながらそんな事を思う。
どうせバレているのならば、定期的に差し入れをする事によりあのような行動を抑止できるのであれば安い物であろう。
メイド長の対応はそれで良いとして問題はそれだけではない。
「あのー………フランお嬢様」
「先ほどメイド長が仰っていた事なんですけれどもぉー………」
「ほ、本当なんでしょうかぁー………?」
そう、メイド長が癇癪をおこした事により、このドミナリア家のメイド三名をどのように扱うか、というものである。
その三名はというと不安と期待が入り混じった瞳でわたくしを見つめてきている。
しかも不安二、期待八の割合であり、その眼はキラキラと光り輝いていた。
ただでさえ既にドミナリア家のメイドから二人もわたくしの奴隷にしてしまっているのである。
後さらに三名ものメイドをわたくしの奴隷に落とすなど、果たして我が親は許すのであろうか?───
───「では、この三名はフランさんがしっかりと教育して差し上げなさい」
「わ、分かりましたわ。お母様」
今現在、わたくしの頭の上にはステーキが乗っかっており、肩には零された葡萄ジュースがかかり、ひざ元にはサラダとパンが鎮座していた。
おかしい。
今朝、メイド長の癇癪により、その時側にいたメイド三名をどうしようかと一日考えていたのだが、夕食時その三名ものメイド達により支持を何一つしていないにも関わらず本日の夕食が全てわたくしの身体へダイブしていた。
そしてわたくしは見ていた。
お母様がわたくしが教育するようにと発言した後、件の三名のメイド達が小さくガッツポーズをしていた事を。
「はっはっはっ!!フランはどんな名高る調教師よりも調教が上手いからなっ!!将来は帝国一の調教師になってしまうかもなっ!、いや、もう既に帝国一かもしれんなっ!!」




