表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

スキルにはサカナが必須です

「……なるほどね」


「何か知ってるんですかキドナさん!」


 初めて使った【ステータス】に映ったのは、半分くらい意味の分からない情報。

 なんなら自称チュートリアルキャラクターのキドナさんですらちょっと驚いているほどだ。


「あなた、歯じゃなくて歯茎にやられてたのね」


「……はい!?!?」


 ――――――――――――

【海龍のオヤツ】

 名前:リプソン 種族:人魚 Lv:1

 職業:Choice


 器用値 2

 敏捷値 3

 知力値 3

 筋力値 2

 生命力 2

 精神力 2


 スキル:

【エラ呼吸】【水泳】【デスアビリティ】【いい匂い】【歯茎耐性】【Choice】【Choice】


 称号:

【ファーストブラッダー】【海龍のオヤツ】


 装備:

 ホタテ貝


 ――――――――――


「上から聞いてもいいですか? ……初手オヤツってなんなんですか!?」


 許せん。オヤツ扱いは許せん。

 何があろうと許してはいけない。

 私の思考は先鋭化していた。


「それは【称号】ね。所持称号から1個を選んで表示することが出来るのよ。ほら、今も頭の上に浮かんでるわ」


「へっ!?」


 あれか! ゲームでよく見るあれか! このゲームにもあったんだ。プレイヤーネームと称号が頭の上に浮かんでいるシステム。

 解除できるのかな? なんて思ってステータスを弄ってみたんだけど……


「えーいいじゃない。可愛いじゃない!」


「可愛くないですよ!」


「ほら、食べちゃいたいくらい可愛いって言うでしょ?」


「言うけど今回は違うでしょ!」


「えー」


 キドナさんが思いのほか食い下がってきた。ので、今はこのまんまだ。別れた瞬間外してやる。


「名前、種族はいいわね。レベルはその名の通りレベルよ。戦闘はもちろん、生産や取引なんかでも上がったりするわ」


「ふむふむ。上がったらいいことあるんですか?」


「そうね。1番簡単な恩恵は、基礎値の割り振りができることかしら。さっきも言ったけど、【ステータス】では、スキルと基礎値が見られるの。その下の器用値……ってやつね。後はスキルと交換出来るポイントが溜まっていくわ」


「自分の能力値をあげれるってことですね!」


「そうね。1レベルにつき2ポイント上げれる。貰えるスキルポイントも2点ね。基礎値は1ポイントで1点、スキルは汎用なら5ポイントだし、特別なのなら物によるわね」


「なるほど!」


 特別なスキル、憧れちゃいますなぁ。……だけど【いい匂い】、お前はダメだ。


「じゃあ職業ってなんですか? しかも表記がChoiceですし」


「1部スキルの購入が安くなる、1部スキルの熟練度が上がりやすくなるのが基本の効果かしら。職業のレベルを上げたらスキルが増えたりもするわね。ステータス値に補正があったりも。……今何か選べる?」


 なるほど。ほかのMMORPGと同じ感じかな? 独自システムとかはやってるうちに覚えておけば良さそう。


「えーっと今は……『オヤツ』と『藁人形』です……」


 いや弱そう&不吉!!

 絶対これ称号が悪さしてるよね!!


「うん、じゃあ職業はオヤツを選んで……」


「選びませんから!!!」


 オヤツネタはもう天丼が過ぎる。

 一旦寝かせておくべきだろう。


「下のスキル欄にもChoiceが2つあるでしょう? ひとつには人魚の種族スキル……固有のスキルが入るの。もうひとつが汎用スキル。全種族が最初から選べるスキルね。そこの選択で何個か職業が出てくるはずよ」


 このお姉様はやはり優しい。なんだかんだしっかり教えてくれる。


「えーっと……【フィッシュテイム】【尻尾術】【喜歌】【怒歌】【哀歌】【楽歌】……いや歌推し!!」


 種族スキルはこんな感じだ。いかにも人魚って感じで、海と歌に関するものが多い。2Pカラーで数増やすの、良くないと思います。

 汎用スキルには、魔法や武器術、生産スキルなんかが入っている。めぼしいものだと【水魔法】【闇魔法】【槍術】【宝石加工】とかが人魚っぽいかな。

 歌の説明を見ると、喜が回復、怒が攻撃、哀がデバフで楽がバフっぽい。

 まぁ取らないかな。


 ……私の目は1個のスキルに釘付けだった。

 私は海に憧れていた。それは現実の心臓が海に耐えられないから。

 だから、私は水族館が大好きだった。多い時には毎週土日両方行くなんてこともあった。


「おすすめは攻撃に使えるスキルね。初期スキルと言っても、鍛えれば長く使えるわ。敵を倒すのは経験値効率が良いし、レベルアップした後に取りたいスキルを取れば……」


「はい!! 決めました!!」


「早いわね!!」


 考えるまでもない。

 考えるまでもない。


 私は、海に憧れた。

 私は、一生懸命泳いでみたかった。


 理想の光景には、絶対に必要だ。


 絶対に、サカナが必要だ!!


【フィッシュテイム】と【拳闘術】


 職業は【フィッシュモンク】


「……私の旅を邪魔するやつは、全部ボコす!!」


「この子、尖りきってる……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ