第04話:アンケで聞いてみよう!
【翌日・銀行ATM前】
カードを入れる。
残高照会。
¥524,800
( ゜д゜) ・・・
増えてる。
昨日のスパチャと広告収益。
私の年収(コンビニバイト換算)が、
たった一晩で。
ソラ:
……夢じゃない
ティアグラ:
当然だ。
私の価値はそんな紙切れでは測れんがな。
隣でティアグラがふんぞり返る。
その格好……
私の「中学時代の芋ジャージ」
……うん、まずはこれだ
ソラ:
行きましょう、ティアグラさん。
まずはその服、なんとかします!
◇
【駅前・ショッピングモール】
休日。人混み。
私たちは目立ちまくっていた。
理由①:ティアグラの顔面偏差値。
(ジャージでも隠せないオーラ)
理由②:足元の白い毛玉。
「わんっ!」
→フェン(小型化モード)
見た目はサモエドの子犬。
(ミ ´•ㅅ•`ミ)
だが、中身は伝説の魔獣。
ティアグラ:
おいソラ。
あの『くれーぷ』というのを所望する。
ソラ:
はいはい、あとでね。
まずは服屋です!
→ ブティック『Honey Trap』
→ 若者に人気のブランド
→ お値段、少々お高め
店員さんがビビりながらも、
ティアグラを試着室へ連行する。
私はスマホを取り出した。
《配信を開始しました》
◼️タイトル:相方の衣装みんなで決めたい
開始10秒。
(視聴者数:1200 ↗)
【コメント欄】
: 待ってました
: ティア様みせろ
: ジャージも良かったけどな
: 課金する準備はできてる
ソラ:
はーい、ソラです!
今日はティアグラさんの
『戦闘服(地上用)』
を選びに来てます。
でも、私じゃセンスなくて……
カメラを試着室に向ける。
ソラ:
みんなに決めてほしいんです!
アンケとります!
〜アンケート機能を使用します 〜
/*説明しよう!アンケート機能とは、コミュレベル25という『生主の壁』を超えた選ばれし者のみに許された、憧れの神器なのだ!*/
《Q. ティアグラに着てほしい衣装は?》
① ゴスロリ(黒系)
② セーラー服(清楚系)
③ 彼シャツ(ぶかぶかパーカー)
【コメント欄】
: ①一択だろ
: 魔王ならゴスロリ
: いやギャップ萌えで②
: ③は至高
: 全部買え
: 全部買え
: 全部買え
《投票終了》
【結果発表】
① ゴスロリ: 65% (WIN!)
② セーラー: 20%
③ 彼シャツ: 15%
ソラ:
……圧倒的ですね。
わかります。①でいきます!
――シャラッ 〔カーテンが開く〕
黒のフリル。
漆黒のヘッドドレス。
絶対領域を強調するニーソックス。
ティアグラが、不機嫌そうに出てくる。
ティアグラ:
……なんだこの、ヒラヒラした拘束具は。
動きにくいぞ。
くるりと回る。
スカートがひるがえる。
完璧だ。
魔神というより、深窓の令嬢。
ソラ:
(@﹏@)に、似合います✧ ✧ ✧
最強です!
ティアグラ:
そうか?
まあ、ソラがそう言うなら着てやる。
カメラ目線。
冷ややかな瞳で見下ろす。
ティアグラ:
……満足か?
愚民ども。
ドォォォォ―――(゜д゜)―――ン!
【コメント欄】
: うおおおおおおお
: ありがとうございます!!
: 踏んでください
: スクショした
: スパチャ投げるわ
: ¥10,000
: ¥50,000
(視聴者数:5000 ↗)
一瞬で、服代が回収された。
チョロい。みんなチョロすぎる
◇
【武器屋・ハンターズギルド併設店】
次は、私だ。
ショーケースを見る。
『ミスリルの短剣』:¥ 250,000
『隠密のクローク』:¥ 150,000
今までの私なら、
一生手が届かなかった装備。
でも、今は
ソラ:
……これ、ください…
カードを出す(・ω・)ノシ
一括払い⭐︎
店を出て、新品のクロークを羽織る。
軽い。魔力が馴染む。
ティアグラ:
ほう。少しはマシな装備になったな。
ティアグラがクレープ(チョコバナナ)
を頬張りながら笑う。
ソラ:
はい。
……もう、荷物持ちじゃないですから
Fランクの、逃げるだけの私じゃない。
隣には最強の相方がいる。
これなら、どこへだって行ける。
そう思っていた。
ブブッ
スマホが震える。
嫌な予感(‾︹‾)ヤ!
◇
【Sランクパーティ『スターダスト』・控室】
革張りのソファ。
大型モニターに映し出された、
アーカイブ映像。
『……満足か? 愚民ども』
画面の中で、
黒いドレスの少女が
圧倒的なカリスマを放っている。
その横で、
新しい装備を身につけて笑うソラ。
再生回数:150万回
急上昇ランク:1位
「……チッ」
カイトが舌打ちをする。
手元の缶ビールが、握りつぶされて歪む。
「なんだよこれ、
あいつ、
俺らに捨てられて
野垂れ死んだんじゃねーのかよ」
隣で、ピンク髪の少女――
ルナが爪を磨きながら鼻で笑う。
「あはは。ソラ先輩、
なんか勘違いしちゃってますね〜
そのキャラ(魔神)人気なだけなのに」
「……だよな。
ソラごときに、
こんな数字出せるわけがねえ」
カイトの目が、
画面のティアグラに釘付けになる。
欲望と、計算高い光。
「この女……使えるな。
うちのパーティに入れれば、
俺たちはもっと上に行ける」
「え〜? カイトくん、浮気〜?」
「バーカ。ビジネスだよ。
……おいソラ。
調子乗ってるところ悪いけど、
お前の『幸運』はここまでだ」
カイトがスマホを取り出す。
慣れた手つきで、
ソラへメッセージを打ち込む。
『コラボ、してやんよ』
それは提案ではない。
絶対強者からの、命令だった。
(第4話 完)




