5 男の風呂だってセクシーです! (背景作画・・・家具、床、壁)
背景の工程って、本当に長い……。
今回は家具類と床、壁を仕上げて、背景の完成を目指します。
まずはいつもの如く、色域選択で塗りたい家具の部分だけを選びます。
今現在の画面はこんな感じ。
小物や家具類はフォルダ分けしているので、フォルダごと非表示にすれば作業がしやすいです。
油彩ブラシで木目をつけます。
ブラシの設定ですが、絵の具濃度や絵の具量がかなり低めの設定です。
こうするとベタっとした塗りでなく、やや掠れた感じになるんですよね。
ちょ~っとわかりづらいですが、色味を変えて重ね塗りしてます。
この時レイヤーは別レイヤーで色を重ねてます。
同じレイヤーだと色が混ざって筆致がぼやけるので、あえて別レイヤ―で筆致がぼやけないようにしてます。
木目らしいスジがでるように重ねていく感じです。
同じようにレイヤーを重ねて、少しずつ色を変えて木目らしい質感にしました。
赤みの強い茶色や、やや青みがかったこげ茶、明るめの黄みがかった茶色などですね。
主線のレイヤーを非表示にして、色鉛筆ブラシで縁やスジをつけて仕上げます。
角や座面の下のラインは濃い目に。
ハイライトは上部の端っこや、座面が少してかるような感じで。
色鉛筆で細かくスジをつけると、一気に木目らしい質感ができますね。
お次はもう一個の家具。
こちらも椅子と同様に色域選択をして、油彩の平筆で木目調になるように色味を重ねていきます。
家具2のフォルダーの一番下が下塗りの色なんですけど、そこから5層重ねて木目を作りました。
重ねすぎ……かもしれないw
主線レイヤーの濃度を下げて表示してます。
こうすると色鉛筆の仕上げがしやすくなります。
影になる部分や角はくっきりと濃い目の線を。
ハイライトは上部やところどころにスジをいれてます。
スプレーブラシで影をつけるのも楽でいいのですが、こうした線を重ねてつける影が好きなんですよ。
どうしてもこういう筆致を残したいので、こんな画風になりますね。
取っ手が気に食わなかったので変えました。
そういえばこないだテレビでキュビズムの家具を見たんですが、すごく素敵だったんですよね~。
こういう絵を描いていると、家具デザインとか研究したくなりますね。
現在の全体図はこんな感じ。
浴槽で棚の下部はほぼ隠れちゃってますねw
お次は床です。
家具や小物を非表示にして作業していきます。
フォルダ分けしているので、フォルダの横にある目のアイコンとぽちっとするだけ。
使うブラシは、『▲水彩マーカー/2色』というブラシ。
これはネットで無料でとってきたブラシで、その名の通り水彩なんだけどマーカーっぽい感じになるやつです。
二色というのは選んだ2色のカラーで描けるというもの。
下のパレットの二色、濃い目の赤と紫で塗ります。
塗るとこんな感じ。
筆圧やペンを動かす速度とかで、色味が変化するので、二色ブラシ系は結構好きです。
水彩マーカーなので淡く重なっていく感じと、独特の風合いがお気に入り。
色味が少し浮いている感じがするので、レイヤーの合成方法を変えます。
レイヤーの上の方に『通常』とあるところを触るとこんな表示になります。
今回は乗算を使います。
レイヤーの合成方法については、結構使える機能なのでお勧めです。
何がどう違うのかは説明できないので、ご自分であれこれ試してみてくださいw
乗算にするとこんな感じ。
影の部分をつけたりするのに重宝します。
床一面に塗りました。
何かちょっと血生臭そうな雰囲気だな……w
ちょっと濃くなりすぎちゃった時は、レイヤー濃度を下げます。
先ほど触ったレイヤー合成方法の横にあるバーを触ります。
不透明度を65にしました。
レイヤー濃度を下げるといい感じに。
これで殺人現場っぽさを脱しましたねw
これだけでは質感がちょっと物足りないので、もう一つブラシを使って重ね塗りします。
使用するのは油彩ブラシのドライガッシュ。
濃い赤紫ですね。
ドライガッシュは塗るとこんな感じです。
濃い目のモヤモヤ(下)と、薄く霧状(上)と。
筆圧でこんな風にかわります。
質感に特徴のあるブラシです。
ここで更に質感を変えていきます。
ドライガッシュのブラシの設定で、紙質を選ぶことができます。
『画用紙』をクリック。
こんなボックスが出てきます。
テクスチャのキャンバス地を選びます。
先ほどの紙質が、画用紙からキャンバス地になりました。
ちなみにブラシの設定をあれこれ変えた後に、初期設定に戻したいときは、スパナのアイコンの左横の点線円をぽちっとすると初期値に戻ります。
紙質を変えてドライガッシュを使うとこんな感じ。
左はブラシサイズが300
右はブラシサイズが最大2000
モヤモヤ~っとした色味の中身に、キャンバス地の模様が浮き出て良い感じの風合いがでますね。
今回は最大サイズのブラシで塗ります。
※ドライガッシュはブラシサイズを上げると、PCの速度がガタ落ちするので使うときはお気をつけください。
ドライガッシュを全体に塗りました。
▲水彩マーカーのレイヤーを表示します。
ちょっと濃いかな?
ドライガッシュのレイヤーの合成方法を、スクリーンというものに変えます。
スクリーンに変えるとこんな感じ。
濃すぎず、キャンバス地の風合いが良い感じに水彩マーカーと重なりました。
床の質感が出来たので、今度はタイルの目地部分ですね。
タイルの主線のレイヤー濃度を下げます。
この線を生かしつつ、私らしい画風に合うように色鉛筆で仕上げていきます。
紫の色鉛筆ブラシで、目地の部分を重ね塗り。
この時主線レイヤーよりも上層に色鉛筆ブラシのレイヤーを作って、そこに描き込みます。
十字の部分を特に濃い目に。
ハイライトは薄い黄色で、線で描いていきます。
床が仕上がりました。
タイルの主線はレイヤー濃度を下げたまま、表示しております。
主線を後で非表示にしたり、濃度を変えて使用したりするので、主線もパーツごとにレイヤーを分けておくのがおすすめです。
お次は壁を塗っていきます。
床と同じように、▲水彩マーカー/二色のブラシを使います。
色は肌色っぽい色と、くすんだ水色です。
壁を塗るとこんな感じ。
仕上げる時は、壁の主線濃度を下げて作業します。
壁の隅の部分につける影は、油彩ブラシを使用します。
絵の具量や濃度がかなり低めです。
壁の立体感を出すように塗りました。
ちょっとぼかしたりもしてます。
塗った後に、青系の色味だとなんだかカビっぽい……と思ったので色を変えることに。
折角なので色調補正を使ってみます。
編集 → 色調補正 → カラーバランス
こんなボックスがでました。
適当にいじって、赤系の色味に変えます。
一度で足りない場合は、もう一回色調補正でカラーバランスを変えると、どんどん赤系にできます。
壁の影が良い感じになったら、主線を非表示にして色鉛筆ブラシで線をつけます。
影の濃い所を色鉛筆も濃くすると、線と塗った色がなじみます。
窓枠も色鉛筆で仕上げました。
壁面も色鉛筆の線を重ねて風合いを出してます。
床や壁が完成しました。
小物や浴槽を表示します。
ちょっと背景から浮いた感じになってますね。
色鉛筆ブラシを使って壺や水差し、浴槽を背景になじむように仕上げます。
背景が赤や茶系なので、色鉛筆の色も茶系です。
浴槽は滑らかな質感を損なわないように、使っている色味より少し濃い目の灰色で縁を強調。
あと猫足をつけました。
とりあえずはこれで背景が完成です。
といっても家具や浴槽の影が付いてないですよね?
背景のみで完成させるなら、ここから陰影をつける作業なんですけど、人物がここに入ってきますので。
人物をいれてから、最後の仕上げに光の効果や影をつけて、全体を整えます。
てことで次回からようやく人物!
この作品がマッチョなのに、ようやく……です!w
ご覧いただきありがとうございました<(_ _*)>
今回は凄く丁寧に解説していったので、画像数が半端ないものになっちゃいましたね……。
参考にしていただけたなら幸いです。
自分でもどういう流れで描いたのか記録に残っていると、後で参考にしやすいですね。えぇ、忘れっぽいんでw
次回はようやく人物を描いていきますのでお楽しみに!




