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パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき  作者: 影茸
一章 欠陥治癒師

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第30話 ジーク

ジークは新キャラです

ジーク・ストレタスは王都でも上位の実力を持つ冒険者として、ギルド直属の冒険者になった人間だ。

超一流の戦士であるロナウドに師事し、わずか数年で一流までかけ上がった天才だ。

そしてジークは私の友人でもあった。

だからこそ、その声を聞いた時すぐに私は仮面の戦士の正体を理解して声をかけたのだが……


「……ジーク?誰のことだ?私は………し、シークというものだか」


……けれども、ジークの方はなぜか必死に自身の正体を隠そうとしていた。

そのジークの様子に私は思わず言葉を失ってしまう。

なんか色々と酷い。

声を必死に変えようとしているのはわかるが、低くなったり高くなったりして正直耳がいたい。

というか、それで誤魔化せると思っている所に私は呆れを隠せない。


「では、本当に王都は安全だから、ここよりも王都に行く方が良いぞ」


「なんでよ!」


「………え?」


……だが、その沈黙を私が納得したのだと勘違いしたジークはこの場から離れようとする。

どうしてそれで誤魔化せたと思ったのか……

そのことに私は思わず頭を押さえそうになる。

しかし、このままでは堂々巡りだ。

どうやら今のジークはなんとしても自分の正体を隠し通そうとしているみたいなのだから。

だから私は絡め手を使うことにした。


「そういえばジーク」


「私はそんな名前では……」


その言葉に、ジークが何事かを言ってくるがそれを私は無視して言葉を重ねる。


「その魔剣、ロナウドさんのやつよね?」


「っ!」


その私の言葉にジークの顔に動揺が浮かべる。


「もしかして盗んだの?」


「ちがう!」


しかし、さらに言葉を重ねた私に対してジークは怒りを露わにした。

ジークはロナウドさんの弟子であることに誇りを持っており、だからこそその誇りを汚すような言葉に過敏に反応する。


「これは正式に師匠から譲り受けたものだ!師匠に聞いてみたら、きちんとジークに譲ったと………あ、」


…しかし、その途中で自分の失言に気づいたジークは言葉をやめ、顔を青ざめさせた。

私はそんなジークへと笑いかけた。


「で、何か申しびらきはあるかしら?」


その言葉に対し、ジークは諦めたように項垂れた。

どうやら、ようやく言い逃れるのをやめたようだ。


「……あの事件の時、なんの助けにもなれなかった俺には、君の前に顔を晒す資格なんて無いから、ことが済んだらすぐに去るつもりだったんだけどな」


そうして、口を開いたジークの口から出たのはなにかを悔やんでいるような言葉だった。

……その様子に、私はジークが何について話しているのかを瞬時に悟ることになった。


私は一度は王都で一流パーティーに所属しながら追い出されることになった。

それは、パーティーメンバーに襲われそうになったことが発端での出来事だった。

私は辛くも襲ってきたパーティーメンバーから逃げられたのだが、襲ってもなお私に拒絶されたその冒険者は私に逆恨みし、私の不利な噂を王都に流したのだ。

そして、王都は私にとって居心地の悪い場所なり、出て行かざるを得なかった、それが私が王都を後にした経緯だ。


……そして、その事件の時、ギルド直属の冒険者であるジークは仕事で王都にいなかった。



「お前を襲おうとしたパーティーは俺の権限を使って一流から降格させた。だがそんなことをしてもお前にはなんの利益もなかったな。……すまなかった。友人の危機に俺は全く気づけていなかった」


そのことをジークが悔いていることを、私へと頭を下げるその姿を見て私は理解する。

だが、別段私はジークに怒りなど覚えていなかった。

たしかに私を追い出したあいつらには一発ぐらい殴って見たいが、それぐらいだ。


しかし、そんなことを言ってもジークは自分を責めるのをやめないだろう。

……気づけなかったからこそ、ジークはより責任を感じてしまうのだ。


「……だったら、一つお願いを聞いてくれないかしら?これ以上何か言ったら、全力で殴るわよ」


だから私はジークが自分を許せるよう、敢えて条件をつけることにした。

その私の言葉にジークはその顔に驚きを浮かべる。

どうやら、あまりジークに頼みごとをしてこなかった私がそんな提案をしてくるとは思っていなかったらしい。


「何でも言ってくれ」


だが次の瞬間、ジークは覚悟を決めた真剣な顔でこちらを見て頷いた。


「っ!」


その瞬間私は思わず息を呑んでいた。

どうやら、今から自分が言おうとしている言葉を考え緊張しているようだと、どこか他人事のように私は考える。

だが、これはかつて無い大チャンスだと覚悟を決め、私は口を開いた。


「私を、貴方のパートナーにして」


「………え?」


ジークの驚きの声を聞き、私は自分の顔に熱が集まるのを理解する。

心臓はばくばくと音をたて、私は恥ずかしさで爆発寸前だった。

我ながら迂遠な言葉だと思うが、しかしそれが私の限界。

直接的な愛の言葉を囁くのは、照れ臭くて無理だったのだ。

恋愛感情を抱きながらも、一方でジークと友人として長い間過ごしてきた弊害で、より一層気持ちを伝えるのに私は羞恥を覚えていたのだ。



「……いや、俺は本当になんでもするつもりだったんだが。本当に願いはパーティーに入れてくれ、それだけでいいのか?」


「………………は?」



………だが、私の気持ちは全くジークに伝わっていなかった。

ジークは怪訝そうな顔をしてこちらを見つめており、その態度に私は何故、そんな流れになった、という八つ当たりのような感情を覚える。

……いや、この鈍感相手に迂遠な言葉を使った自分のヘタレが悪いのだけども。


だが、そうとわかっていながら私は怒りを抑えることが出来なかった。

いや、そもそもこの男の度し難い鈍感が悪いに決まっているのだ。

私が何故、あれだけパーティーメンバーの誘いを断ってきたか、ジークは全く理解していないに違いない。

心に決めた人がいたからこその行動だったのに。


「そ、そうよ!どうせフェニックスを狩りに行くんでしょ!だったら、私も付いて行ってあげるわよ!」


……だが、今さら告白なんて出来るわけがなく、私はそうヤケクソ気味に叫ぶ。

もう本当に、なんでこうなったんだろう……

しかし、そんな私の気も知らずジークは笑った。


「もしかしてまた気を使って貰ったのか?すまない……だが、ライラがいれば心強いな」


「ーーーっ!」


そう告げたジークは未だ私に対して罪悪感を抱いているような表情を浮かべていた。

そしてだからこそ、頼りになると告げた言葉は、つい漏らしてしまったジークの本心からのものであることを私は理解する。

その言葉に私は少し顔を赤くしてしまう。


「………はあ。ストレートすぎるのよ」


そう呟いた後、私は一旦ジークの鈍感さに対する文句を抑えることにした。

とりあえず、今はフェニックスについて考えないといけない。

何せ、フェニックスなどの超難易度のモンスターは、変異と呼ばれる現象により、ある程度長い間生きていると、変異することがある。

とりあえず、その件を終わらせてからジークと話をしよう、そう判断した私はある提案をすることにした。


「じゃあさ、少しこのパーティーに入れたい魔法使いがいるんだけど……」

誤字などのご指摘いつもありがとうございます!

見直しをしても誤字が出てくるということには、自分の未熟さを思い知る日々です。

ただ今は一章佳境なこともあり、とりあえず一章だけは終えてから誤字を修正させて頂く予定です。

いつも励みの感想をくださる方に、誤字のご指摘などをくださる方には感謝しております!

本当にありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
ジークはいつ仮面を取ったのか? 仮面のままでは表情はわからないはずなのに。
[気になる点] 話は結構面白いと思うんですけど、あまりにも日本語がひどいです。 誤字脱字レベルでなく、てにをはや句読点、さらには日本語としての文章そのものにもミスが多発しすぎです。 あとがきで >とり…
[気になる点] 王都での具体的なシーンがない中、ジークとのイチャコラをいきなり見せられても薄っぺらいし、何がなんだか分からない
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