25:故国へ向かって。
ウガリタ大陸ララーリング半島における惑星再生機構の最大拠点シン・スワトー市から、一隻の空飛び鯨が出航し、惑星再生機構の本土を目指して洋上を飛行していく。
重力制御機関と推進機関の二本立てて碧空を泳ぐ大きな民間貨客飛翔船。その体内は貨客船のように乗客を乗せた区画と、ララーリング半島で採取・採掘された資源や製造された様々な品物をたらふく詰め込んだ貨物区画に分けられている。
当然ながら、一般客は貨物区画に立ち入りは出来ない。いや、そもそも自由に船内をウロチョロできない。船内の移動は極めて厳しく制限されている。
乗船している惑星再生機構の航空保安要員達や運航会社に雇われた民間軍事会社の警備員達は『安全』が脅かされると判断したら、相手がガキでも妊婦でも容赦なく電磁警棒でぶん殴るし、場合によっては本気でぶち殺す。
この辺の厳格さと暴力性は惑星再生機構に限らない。ノヴォ・アスターテがカタストロフィを経験していることや、今現在に星をあげてグレートゲームの真っ最中であることが強く関係しており、個人の権利や自由より最大多数の安全と無事が優先され、社会もこの風潮と在り方を許容している。
これを息苦しいと非難するか、秩序的と評価するか、は貴方次第だ。
そんな空飛び鯨の舷側展望室から外の世界を窺えば。
頭上には蠢く碧空。眼下には転々と浮かぶ白雲と深い海色の大翠洋。
ユーヒチ・ムナカタは普段よりもずっと近い碧の空を眺めながら、思い出を弄ぶ。
――昔は空が青かったんだって。
彼女の声と言葉は今でも鮮明に思い出せるのに。彼女の和らぐ口元を瞼の裏にはっきりと浮かぶのに。
思い出せない。
彼女の顔を。彼女の目を。彼女の容姿を。
思い出せない。
彼女と言葉を交わした場所はどこだっただろう。どこで共に空を見上げたのだろう。子供の頃に過ごした孤児院だろうか。それとも近くの公園だった?
思い出せない。
彼女の名前を。
「その顔。私以外の女のことを考えてるわね?」
トリシャから冷ややかな声と共に頬を突かれ、ユーヒチは内へ向いていた意識を起こす。
高度1万メートルを征く貨客飛翔船。その舷側展望室。
航行中の暇を持て余した人々が、代わり映えがしない大翠洋上空の風景を眺めている。トリシャはいつものインド系民族衣装ではなく、ユーヒチと同じくビジネススーツ姿だ。
天然絹製のブラウスにテーラーメイドのジャケットと大胆なスリットの入ったタイトロングスカート。覗く優雅な美脚はパンストで包まれている。目元も眼帯ではなく、目元をがっつり覆うサングラス。
トリシャとユーヒチの組み合わせは、高給取りの若きビジネスウーマンとその御供にしか見えない。が、ユーヒチの左腕を抱いて寄り添う姿は恋人にしか見えず。どういう関係なのか把握しにくい。
まあ、それはともかく。
ユーヒチは鬼灯色の瞳をトリシャへ向け、問うた。
「俺が孤児院出なのは知っているよな?」
「ええ」トリシャはこくりと頷いた。
選抜強行偵察隊チームのコマンドとして、チームメンバーの経歴と考課表は全て把握してあった。そのことは抜きしてもユーヒチへドロドロとした情念を注ぐトリシャは、ユーヒチのことを細かく調べている。ストーカー気質ともいう。
「12歳まで本土中央の公営孤児院で育ったのよね」
「ああ」ユーヒチは首肯し「12歳といえば充分に物事を覚えているものだ。そうだろう?」
「12歳。私は退屈な“奉仕活動”をしてたわね」
ユーヒチが重ねた問いへ、トリシャは美貌をしかめて慨嘆する。
トリシャ・パティルの実家――地球アングロ・インド系パティル家は初期入植者で、統一連合政府が発足した頃にはケイナン大陸北東部で有数の名家となっていた。そんなパティル一族の御令嬢トリシャは一族の突然変異的存在で、幼少の頃から電子情報系に常人離れした才能と素質を発揮。齢10歳にしてアナクロなキーボード入力式端末で惑星級スーパーAIの電情防壁を突破。『こんにちは』のメッセージを残した。
数週間後、青い顔をした軍と情報機関のお偉いさんが御屋敷を訪問し、トリシャの両親やパティル一族長老方と喧々諤々のやり取りの末、『保護』した。
数年に渡って惑星再生機構へ『奉仕活動(トリシャ曰く退屈極まる強制労働)』した後、大手民間軍事会社ブルーグリフォン社へ移籍。なお、この移籍にも政治的やり取りが繰り広げられたらしい。
宇宙時代のAAA級ウィザードとはそれほどに価値が高い。そんな超高価値人材が強行偵察艇に乗って競合地域の空を飛んでいたのだから、本国の連中が知ったら白目を剥くだろう。
「本土に戻ったら、またぞろ面倒な手合いがわんさかやってくるわね」
トリシャはふっくらした唇をへの字に曲げた。
「御実家の方々も顔を見せるだろうな」
ユーヒチに指摘され、トリシャはげんなり顔を作る。
「ララーリング半島に戻りたくなってきたわ」
一族の黒い羊であるトリシャは良識的善人である両親や兄姉を脳裏にうかべ、溜息をこぼした。顔を合わせば息をするように小言と説教を繰り出す家族。今から気が重い。
家族からすれば、常人をはるかに越える電情戦の才能と実に個性的な性的価値観を持つ娘や妹を案じることは当然だろうけども。
仏頂面を作ったトリシャへ柔らかな微苦笑を返しつつ、ユーヒチは話を元に戻す。
「俺は12歳まで孤児院で育ったが……その頃のことをほとんど覚えてないんだ。孤児院のあった場所は覚えている。配食の味、ベッドの硬さに毛布の臭い、自由時間に仲間達としたボール遊び。そういうことも記憶にあるんだが……一緒に過ごしたはずの孤児仲間達のことを全然思い出せない。顔や名前、誰一人はっきり思い出せない」
「それ、前に聞いたわね」
トリシャはキャラメル色の顎先を指で撫でながら続ける。
「お医者様に相談しても駄目だったのよね?」
「ああ。基地の医者やカウンセラーに何度か相談したし、記憶の再建治療も受けたが……寄生型支援機構やチューニングが干渉して上手くいかなかった。朧げな思い出、という形で消化するしかないらしい」
脳機能や深層心理を科学する時代にあっても、化学が解き明かせない人体の神秘はいくらでも存在する。神の御業はまさしく偉大なり。記憶の不鮮明を抱えるユーヒチとしては神を讃える気にはなれないが。
「こうして身をもって科学の弊害を体験すると、人体至上主義の言い分も理解できるな」
サイボーグ化やチューニング、侵襲型機器を完全否定する思想を持ち出し、ユーヒチはぼやく。
「そういうのは代償行為で補うのが一番よ」
トリシャが柔らかな唇の両端を大きく曲げて笑う。悪企みを思いついた魔女みたい。
「代償行為?」
怪訝顔でユーヒチが問えば。
「子供を持つのよ」
ずばりと答え、
「自分の子供にたくさん素敵な思い出を作ってあげることで、自分の失くした子供時代の記憶を補うの。素敵な案でしょう」
トリシャは呆気にとられたユーヒチの耳元へ唇を近づけ、淫魔が純朴な僧侶を堕落へ誘うように囁きかけた。
「私がいつでも“協力”してあげるわ」
その言葉に込められたマグマのような熱量とドロドロとした情念の深さに、ユーヒチは思わず身を震わせ、慄きのままに応えた。
「極めて重要かつ重大な提案でいらっしゃいますので、慎重かつ入念な検討を費やしたくあります。回答にお時間をいただけますよう心からお願い申し上げます」
小役人の言い訳みたいなことを並べたユーヒチに、トリシャは鈴のように喉を鳴らした。
「カフェテリアに行きましょう。甘いものが食べたいわ」
ユーヒチは頷く。今にもかしずきそうな顔で。
「御意のままに」
○
ハイチューンドの首狩人とデミサイボーグの魔女が御茶をしている間に、ちょっと説明しよう。
第427入植惑星ノヴォ・アスターテ最大の大陸にして、アシュタロス皇国と惑星社会主義連邦が血みどろの戦いを続け、文明停滞地域や復興圏の戦火が絶えることのない戦乱のウガリタ大陸。
旧統一連合政府本部があり、惑星再生機構と諸国連合が鎬を削り合うケイナン大陸。
両者の間には大翠洋と太碧洋が広がり、大翠洋には三冠王国が支配するアースティル諸島、触れ得ざる女王が鎮座するポエニカ小大陸があり、太碧洋には惑星最大の汚染地域が広がるムルーディン小大陸が浮かぶ。
惑星全体の人口は6億に届かず、列強においては人口回復に多産を奨励しつつも、労働力の不足をアンドロイドやロボットで補い、社会と産業の機械化が止まらない。農業や漁業の現場から各種工場。小売業の販売員に運送業の配達員。銀行重役の秘書。戦場の兵士。果ては性産業の娼婦まで。
一方で宇宙世界と隔絶したことで、惑星外資源――特にノヴォ・アスターテ内で調達不可能な資源不足は深刻な状態にある。木星でしか採取できない気体資源、金星産の超腐食性酸物質に小惑星帯から採取される宇宙産レアメタルやレアアース。こうした惑星外でしか得られない資源はカタストロフィ以前の産物からリサイクルするしかない。
近年、ケイナン大陸北部を制覇した惑星再生機構とケイナン大陸南部を牛耳る諸国連合の抗争が激化している理由もこの惑星外資源物にあった。
ケイナン大陸中部地域――文明復興圏と喪失圏のモザイク模様のこの地域は、カタストロフィ以前、大都市や産業地帯がいくつか存在した。これらの地域に残る惑星外資源物を惑星再生機構と諸国連合が奪い合っている。
惑星再生機構は統一連合政府の正統後継政体であることを幟に掲げ、文明復興圏諸勢力の参入を要求し。
諸国連合はカタストロフィ後の大惨禍が統一連合政府の無能無策によって起き、その後継組織である惑星再生機構に服することはかつての失敗を繰り返すだけだ、と文明復興諸勢力に訴えて連合加入を要求し。
ケイナン大陸の中小独立勢力は貪婪な両列強に食われないよう頭を捻り続けている。
帝国主義全盛の前近代、欧州列強が奪い合ったアフリカや東南アジア、ロシアとトルコが鎬を削り合った黒海諸地域の状況に近い。つまり――
歴史は繰り返す。もしくは人間は愚かなまま。
・・・
・・
・
惑星再生機構が南部国境線に戦力を移動させていることは、ケイナン諸国連合も把握していた。
少なくとも20個師団と2個航空艦隊と14個航空機群が南部国境に集結している。ケイナン大陸中部の文明停滞・復興地域、文明喪失圏の勢力では抵抗らしい抵抗も出来ないだろう。
だが、征服して統治する戦力としては全然足りない。
敵軍を打倒し得る戦力と敵国を占領統治し得る戦力は『=』ではない。戦力的非対称戦争は必ずしも戦力的優位の側に利するとは限らない。広範なケイナン大陸中部を支配統治しつつ、大陸南部にある諸国連合の領域まで到達する気なら、少なくとも80~100個師団が必要のはずだった。
であるから、ケイナン諸国連合は今次侵攻を『大陸中部の領域拡大』と判断した。
大陸中部の土地と各種資源(人間含む)を惑星再生機構に奪われる様を眺めるという選択肢はあり得ない。しかし、自分達も北進して中部地域の領土拡大へ動けるか、と言えば、簡単ではない。
というのも、諸国連合はその名の通り、ケイナン大陸南部中小勢力の寄り合い所帯だから。
旧統一連合政府の惑星級スーパーAIを継承して完全中央集権化と意思統一の合理化・効率化が施された惑星再生機構と違い、諸国連合は旧態的な諸国の代表議会制だった。
つまり内部の意思統一にとても時間が掛かる。
北進を図ればその是非の協議に始まり、利権獲得競争が生じ、長い長い政治的調整が起きる。諸国連合が今から軍を起こして北進を開始する頃には、惑星再生機構は攻勢限界まで軍を進め終えているだろう。
この『欲の皮の突っ張り合い』により、諸国連合は列強でありながら地場の大陸南部すら完全制覇していない。
そして、今のところ諸国連合はこの代表議会制に代わる意思決定手段を持つ気はなく、持つ予定もない。
ゆえに、諸国連合議事堂の大議場は今日も今日とて元気いっぱいだった。
「外交部と情報部は何をしていた! 惑星再生機構の動向をまるで掴んでおらんではないか!」
西部の代表議員が口から唾を飛ばしながら連合政府高官が並ぶ一角へ罵倒を飛ばせば。
「我ら諸国連合は惑星再生機構と断交状態で、これは皆様代表議会の決定です。我々外交部は代表議会の決議を元に活動しておるのです」
高級官僚らしく賢しらな外交部高官がしれっと宣う。
「議会が悪いと言いたいのかっ!!」
「そうは申しませんが、我々外交部に非は無いと申し上げます。強いて連合政府に責があるとするならば、諜報員を有しながら惑星再生機構の動向を掴めなかった情報部ではないかと」
突然脇から刺された情報部高官が額に青筋を浮かべながら怒声を発する。
「ふざけるな! 惑星再生機構を刺激するなとこちらの活動を妨害していたのは、お前ら外交部だろうがっ!!」
責任の擦り付け合いと押し付け合いがしばらく続き、一段落着いたところで年かさの代表議員が提案した。
「ここは我々も北進するべきではないか?」
「北進と易くおっしゃるが、獲得した土地はどうなさる? 現地資源は分配できても土地は簡単に分けられませんぞ。北部諸国の領土拡大となれば、拡大の余地がない他地域に不公平でしょう」
「それは飛び地として管理権と経営権を分ければよいのでは?」
財務部と商産部の高官が他人事のように語れば。
「そんなこと認められるか! この先、惑星再生機構と国境を接することになれば、矢面に立つのは我々北部だぞ! 戦略的縦深の獲得という意味でも、北進するなら我々の領土拡大は最低条件だ!」
北部の代表議員が吠え、他の北部代表議員達も合わせて賛同の意を訴える。
「それよ、惑星再生機構と国境を接することになれば、国境警備に掛かる費用と負担はこれまでと比較にならんぞ」
「ウチはこれ以上の金を出せん。やるならお前らで勝手にやれ」
「そんなワガママが通るかっ!」
諸国の代表議員と連合政府高官がぎゃあぎゃあと喚き合う中、
「あの……まずは惑星再生機構に接触して外交折衝を試みてはどうです?」
南部の若い代表議員が遠慮がちに発言する。
と、放り込まれた外交案へ食いつくおじさんとおばさんは存外に多かった。もちろん、余計なこと抜かしやがってコワッパが、と睨むオッジとオッバも多かったが。
「外交部としては断交中の惑星再生機構へ接触することは困難と申し上げる」
「それを何とかするのがお前らの仕事だろうが! できないなら辞めちまえ、能無し!」
「無礼なっ! 連合政府高官に対するその暴言、聞き捨てならん!」
「聞き捨てならなきゃあどうだってんだ! この無駄飯食らいの役立たずがっ!」
「なんだと、木端都市国家のハゲ頭が調子に乗るな!!」
「ハ……ハゲは関係ないだろうが、ハゲはっ!!」
席を飛び出して連合政府席へ突撃していくハゲおじさん。その蛮行を気にオジサンとオバサンの大乱闘が始まり、議場長が『静粛に! 静粛に! やめんかバカ共!』と喚きながらハンマーを乱打する。
大変なことになっちゃったよぅ、と和解代表議員が蒼い顔を浮かべる中、連合議長が溜息をこぼした。が、誰一人として気づかない。
「そもそも、北進は能うのか?」
騒ぎの中、うんざり顔の内務部高官が連合政府軍総司令に問う。
「本格的な領土拡大を図るなら、30個師団は欲しい。一方面の限定拡張でもその半分。そのうえで北部諸国に後方兵站の援助確約。これが最低条件だな」
「それはコストが高過ぎる。まず通らんなぁ」
「小額投資で大戦果なんて夢物語を期待されるのは大迷惑だ」
総司令は仏頂面で騒ぎを眺めながら毒づいた。
「こんな有様で惑星再生機構とドンパチになっても、軍は責任を負いきれんぞ」
○
ケイナン諸国連合の大議事堂で偉い人達が乱闘を繰り広げている頃。
同大陸を目指す貨客飛翔船は順調に大翠洋の空を進んでいく。
トリシャとユーヒチは船首カフェテリアで御茶を味わった後、部屋に戻った。会社は個室を用意していたのだけれど、トリシャがあっさり相部屋に――それもキングサイズのベッドが一つある夫婦用個室に変更していた。知らされた時のユーヒチの顔は病院へ連れていかれる飼い犬みたいだったが……まあ、いつものことだ。
トリシャはクローゼットを開けてビジネススーツを、次いでブラウスとパンストも脱ぎ、ホテルガウンを取り出して羽織り、サングラスの代わりに眼帯を目元に巻く。
「前を閉じなさい、前を」
ユーヒチはホテルガウンの前を開いたまま、つまりは優美な肢体を晒しながら歩くトリシャへ苦言を呈しつつ、ジャケットを脱いで椅子の背もたれに掛け、自身も椅子に腰かけた。
小言を無視し、トリシャはホテルガウンの前を開いたまま広々としたベッドに大の字に寝転がる。そして、ころりと横臥になってユーヒチへ蠱惑的に微笑みかけた。
「えっちしない?」
「しません」
据え膳をぴしゃりと固辞し、ユーヒチは卓上に置かれたタブレットを手にして壁に貼られた膜型ディスプレイを起動。適当にチャンネルを回した後、本土のニュース番組を流す。
「本土か。シン・スワトーに派遣されて以来だ」
「そういえば、ユーヒチは長期休暇を貰っても帰らなかったわね」
「帰るところもないしな」
さらりと気不味いことを言い放つユーヒチ。もっとも、慣れたトリシャは気にしない。
「そんなこと言って。本当はただ本土に帰るのが億劫なだけでしょ」
「君は鋭すぎる」
ユーヒチは眉を下げて微苦笑し、トリシャへ言った。
「えっちはしないけど、俺もベッドに寝転がって良いかな?」
「もちろん。えっちしないのは残念だけど」
トリシャはぽんぽんと広いベッドを叩き、ユーヒチを歓迎する。
ユーヒチはトリシャの隣に寝転がり、
「映画でも見ようか」
「濡れ場がある奴なら」
「……ディズニーかピクサーにしよう。濡れ場なし、暴力無し。小さいお子さんがいる御家庭も安心の作品だ」
にんまりと妖艶に微笑むトリシャの提案を却下。西暦時代の地球製アニメ、狐の詐欺師と兎の女警官のバディ物を選んだ。
眼帯越しにキュートな兎の女警官を見てから、トリシャはユーヒチへ冷たい声音で問う。
「やっぱり、あの兎娘のことが気になってるわね?」
ユーヒチは思った。
ミヤザキ作品にしておくべきだった、と。
感想評価登録その他を頂けると、元気になります。
他作品もよろしければどうぞ。
長編作品
転生令嬢ヴィルミーナの場合。
彼は悪名高きロッフェロー
ラブロード・フレンジー(完結)
おススメ短編。
スペクターの献身。あるいはある愛の在り方。
1918年9月。イープルにて。
モラン・ノラン。鬼才あるいは変態。もしくは伝説。




