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暁
己の無力を嘆いては
空に消え入る声に憔悴する
魂が抜け出そうと煙を吐き
漏れ出る心に精神は磨り減っていく
日の出
登り出んとする太陽が
庭に面する木材の廊下を温めていく
まだ冷え切っている空気
憔悴した魂に疲弊した心
合わさって白い靄が目の前に浮かぶ
枯れた草木には一本の葉も付かず
自身の素肌を曝け出す
霜のかかった庭は真っ白い世界
冷めきった空気が肺を冷やしていく
世界はどこまでも冷めていく
私の魂と同じように
私の心と同じように
それでも
何かしようと太陽は登り出る
世界を暖めようと熱を放出する
太陽に照らされた霜が光り輝き
キラキラと目の前の世界を彩っていく
世界が動き出す
これが最初の灯りだと
太陽がここに宣言する
暖められた世界の冬が溶けていく
私の身体もまた表面を焼かれていく
暁
この身は焼けども
魂を焼くことは叶わず
心を暖めることも叶わず
世界を照らすが人の心は照らせない
暗き魂の灯りは
暗き心の灯りは
どこに行けば手に入るのだろうか




