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疾風迅雷

 赤い絨毯が敷かれた城内を駆け抜け脱兎のごとく走り去る。立ちふさがる兵士の横をすり抜け片手でサヨウナラ。

 曲がった先には大男――股下めがけて滑り込み急いで態勢を立て直す。踏みしめた右足をバネにして一気にその場を去って行く。


 急げ急げと自分を動かす――兵士の真横で半回転、掴まれかけた手を振り切ってそのまま逃走。一人の兵士、掴みに来る手前でバックステップをかます。体制の崩れた兵士を跳び箱に、次の兵士に頭突きを食らわす。


「捕まえられるもんなら捕まえてみやがれってんだ」


 金色に輝く瞳に電流がビリビリとほとばしる。

 ニカッと歯を見せて笑う少年。


 まっすぐ伸びた廊下の向こう、外へと出る扉の前を数人の兵士が守っている。通さぬと言わんばかりの気迫を少年に向けて剣を構える。


「――――んじゃね」

「――ッ!?」


 開く扉、兵士たちが振り返るよりも速く――


「もうちょっと鍛えた方がいいかもね」


 少年は振り向かずにそう言い残した。


「あれ、今たしかにここに……」


 一瞬の出来事にただ茫然とすることしか出来ない兵士たち。


 彼らのまばたきのその合間――一瞬の隙間に少年は姿をくらませていた。

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