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灯火
死にかけの少年
虚ろな目に汚れた顔
ぼろ布に身を包んだ少年は路地裏で倒れ込んでいた
世界に希望を抱き
人々と関りを持ち
多くの人達に愛された
しかし、少年は疎まれた
誰かが少年を嘘つきと罵り
少年の悪口が町中に広まった
石を投げられ 鉄で殴られ
少年は憔悴した
少年は決して嘘つきではなかった
みんなのことが大好きだった少年は
誰にでも優しく接していた
それを良く思わない子ども達が
少年の悪口を言い出した
結果、少年は大好きだった人々に追い詰められた
路地裏には誰も居ない
日の光も当たらない湿った場所
世界に希望を抱いた少年は
世界に絶望した
人々と関りをもった少年は
人々に絶望した
人々に愛された少年は
人々に絶望された
今にも消えてしまいそうな少年の灯火
絶望の風に吹かれ 消えてしまいそうな少年の灯火
ふっと少年の頬を吹きつける風と雨粒
少年の虚ろな目が僅かに動く
霞んだ視界に映る顔の見えない相手
少年の灯火が一瞬消え入る
再び残り火から再生する少年の灯火
顔の見えない相手が手を差し出し呟いた
「もう大丈夫だ。さあ、帰ろう」
少年は知らない
雨はそこにしか降っていなかったことを
ちょっと最後くどいですかね……。でも雨粒を伝えたい……。




