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 塔から崩れ落ちる巨大な龍


 紅の海へと沈みゆく



 零れ落ちる涙はもう何度目だろう


 信じて裏切られたのは何度目だろう


 信じてしまったのは何度目だろう


 声にならない龍の声




 悲しみに暮れた日々にさようなら


 生きた証 大地に刻み付けた傷跡


 憤怒と悲哀に満ちた感情にさようなら




 父と母


 私は上手に死ぬことが出来ません


 独りで居ることに耐えられなくなり


 私は人里へ下りました



 温かく迎え入れられ 裏切られ


 悲しみに暮れては 放浪の旅


 私はこれを繰り返しました



 人は脆く 優しく したたかでした


 善悪の区別は曖昧で


 他者への迎合を歓迎し


 人は人と交わっていました



 私は疲れてしまいました


 父が噴火口に飛び込んだように


 私も火の中へと飛び込みます


 母が海に沈んだように


 私も紅の海に沈みます



 数千の命を道連れに


 この国を最後に救います


 これが私に出来る最後の仕事


 龍の生き残りとして課された最後の仕事


 そのように感じます



 人は脆く 優しく したたかです


 父と母よ


 今からそちらへ向かいます






 目を閉じた龍の瞳には蒼い涙が滲み出た



 紅の海に沈んだ龍は静かに息を引き取った




 ――手記『生き残った龍の最初で最後の姿』より

悠久、紅と蒼で龍の詩は終わりですね。龍の優しさが出てると良いな……。

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