修行のせいか⑤
「よし。耕作の予定はこんな感じでいいわね」
「たぶん、大丈夫」
あのあと、このあたりの地図を使ってどのあたりまで耕すかの話し合いをした。
五人の能力と修行にかける時間も考えて、耕作予定の面積は去年の1.5倍にしようということになった。
結局、農作地の外に塀は作ることにした。
ただ、冬には取り壊せるように簡単なものにする予定だ。
冬は大地を魔の大地に返した方が春は魔力が多いのではないかとの意見が出たので、秋に塀を壊してしまい、来年の春にまた耕す予定だ。
……耕作予定エリアに雪苺のたくさん採れたエリアが含まれていたので、冬は魔の大地に返して雪苺を収穫しようと思っているのではないと信じたい。
どうやら、先週雪苺を探したがもう見つからなかったらしく、雪苺のジャムを五人が大切そうに使っているのを今朝見たばかりだが、まあ、さすがにそこまで私情は挟まないだろう。
……春に何か甘い食べ物を探す必要があるかもな。
「じゃあ、今日はこれで解散。明日休みだからって夜更かししないようにね」
「わかった!」
リノはそう言って奥へとかけていく。
最近は寝る前に限界まで二階で訓練していることが多い。
特に、休みの前日は魔力切れでぶっ倒れている。
魔力が枯渇するまで使うのは無茶苦茶辛いはずなんだが、よくできるもんだ。
おかげでリノの魔力は五人の中で二番目に多い。
リノは才能があるのかもしれないな。
「全くあの子は。私はあの子の面倒見てくるわ」
「よろしくね、キーリ。スイもあまり夜更かししないようにね」
「……わかった」
リノを追って行ったキーリに続いて、スイも部屋を出ていく。
彼女は古代魔術師文明の本が読めるようになって以来、夜は大体本を読んでいる。
だが、そこまで貪欲に知識を求めているわけではないらしい。
古代魔術師文明の本を読んでいることもあればミーリアから借りた恋愛小説を読んでいることもある。
大人しい雰囲気も合わさって文学少女のような雰囲気を醸し出している。
だが、五人の中で一番強いのは彼女だ。
魔力量も一番多い。
最初は魔導書を封印したが、その時増えた魔力が残っているんだろうと思っていたが、今のエリアで限界まで鍛えたアリアたちより頭一つ魔力が多い。
おそらく魔導書との関係も完全に切れたわけではないのだろう。
早いうちになんとかする必要がありそうだな。
「ミーリアはどうするの?」
「うーん。私はスイと一緒にお勉強でもしようかと思います」
「ミーリアも熱心ね」
「いつ手に入るかわかりませんが、錬成鍋が手に入ったら自分でも色々と作ってみたいですしね」
スイはキーリの錬成鍋のお下がりを使っている。
遺跡で見つけた錬成鍋がキーリのものになったのでいらなくなった小さい錬成鍋はスイのものになったのだ。
俺は使えないしな。
春に手に入る予定の錬成鍋はミーリアとアリアが遠慮したのでリノのものになる予定だが、結局ミーリアが使うことになる気がするな。
リノは自分で料理とかするの苦手だし。
「……レイン。呪いは大丈夫なの?」
「いつも言ってるだろ? まだなんともないよ」
「もう私たちは大丈夫だからレインは自分のやりたいことをやってくれていいのよ?」
「やりたいこと、なー」
アリアは二人きりになると必ず呪いのことを聞いてくる。
純粋に俺のことを心配してのことなんだろうけど、特にやりたいことがない俺としてはなんと答えたものかいつも返答に困る。
「まあ、今はみんなに魔術を教えるのが楽しいから、迷惑じゃなければ居させてほしいな」
「迷惑なんて! そんなことあるわけないじゃない!」
スイもリノもスポンジのように知識を吸収してくれる。
人に教えるのがこれほど楽しいとは思っても居なかった。
自分が伸び悩んでいるっていうのも一つの理由かもしれないが。
「でも、本当にやりたいことないの?」
「うーん。強いていうなら、古代魔術師文明の本がほしい」
前に遺跡で見つけた本はもう読み切ってしまったので今は本がない。
というか、あの遺跡で見つけた本は殆どがゴシップ誌だった。
知らない芸能人のスキャンダルでも読んでみると結構面白かった。
時代や風土が変わっても人間は大して変わらないもんなんだな。
「まあ、それも魔の森の探索を続けていけば見つけられるだろう。俺は見つけられなくても、リノが見つけてくれるはずだ」
「……そうね。見つかったらいいわね」
遺跡がありそうな場所の目処は立ってる。
もっと森の奥に行けば図書館みたいなのもあるみたいだから先が楽しみだ。
ゲリラ更新!
総合11位で、10位まで2000ポイントなので、ダメ元で今日は二話更新します!
ダメ元ですが。
夜にも一話投稿する予定です。
ちょっと遅れるかもしれません。
次話は魔の森を探索する予定です。
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