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【WEB版】追放魔術師のその後 ~なんか、婚約破棄されて、追い出されたので、つらい貴族生活をやめて遠い異国の開拓村でのんびり生活することにしました~  作者: 砂糖 多労
第二部 なんか、春が来たらしい

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修行のせいか④

「そういえば、さっきレインは農業を効率的にやる方法を見つけたみたいなことを言ってなかった?」

「あぁ。それか。戦力外になりそうだから必死に調べたからな」

「で、それは何なの?」

「今から説明するよ」


 俺はどうも魔法的な要素が強い事柄についてはどうも苦手なようだ。

 料理に関しても、前世ではできていた部分までできなくなっていた。

 さすがに、もう十年以上前のことでおぼろげにはなっているが、千切りや輪切りくらいならできていたはずなのに全然できなくなっているのだ。


 これは本格的に呪いの影響で魔法系のことができなくなっていると考えたほうがいい気がするのだ。

 実際に雪が解け始めたころに村の外を耕してみようとすると、クワが手からすっぽ抜けたり、短く持ちすぎて地面に刺さらなかったりした。


 地面を耕すとか、種をまくとか、農業の大部分が魔法の儀式的要素が高い。

 つまり、この村で一番重要な農業関係に関しては完全に戦力外になるわけだ。

 いくら五人に魔術を教えているとはいえ、それはさすがに肩身が狭い。


 何とかしようと思っていた時に、対魔貴族の時のことを思い出した。

 対魔貴族をしていた時は普通に家の近くで家庭菜園をしていた。

 あの時は普通に畑も作れたし、作物だってちゃんと作れていた。


 あの時と村の外でやろうとしたときとの違いは何か。

 最大の違いはその土地が魔の大地か人の支配する地かの違いだ。

 人の支配するものを思い通りに動かすのは魔術の範囲内だ。

 これは、魔術の教本にも載っていることで、魔の森や敵地では土属性の魔術はあまり使えないということにもつながる。


 それはさておき、耕し終わった土地であれば、俺が魔術を使うことができる。

 これはリノに手伝ってもらって実験済みだからまず間違いない。


 ここまで説明すると、アリアがいぶかしげな眼で俺をにらみつける。


「レインが魔術を使うために誰かが耕さないといけないんだから、分かったところで意味はないんじゃないの?」

「村の外が人間の支配する土地じゃないのが問題なら、村の外を人間の支配する土地に変えてしまえばいい」

「? どういうこと?」

「つまり、村の外の農地をぐるっと壁と堀で覆って、そこまでを人間の土地にしてしまえば、その中で農業はやりやすくなるし、俺も農業に参加できるってわけだ」


 大きく壁と堀を作って囲んでしまう。

 それが俺の案だ。


 何もしていない場所に塀や堀をつくることはできない。

 もし作れたとしてもめちゃくちゃ魔力を使うことになるだろう。


 だが、土地を所有して、その土地の魔力を人間のものにしてしまえば、建築系の魔術で建物を作ることができる。

 まず、建築系の魔術は土地の魔力を使うこと前提で作られている。


 そして、どういうことか、人間の使っている建物に囲まれた部分やその周辺は段々と人間の土地になってくるのだ。


 一度大きく円を描くように農地を作ってもらい、そこに壁と堀を魔術を使って作り、外界と隔離してしまえば、少なくともそこは魔の大地ではなくなる。

 そうなれば、少なくとも俺がクワを空振りすることはなくなるだろう。

 実際、魔力を完全に抜いた野菜で千切りやみじん切りをしようとすると俺でもうまくできた。

 まあ、魔力を抜いた素材なんてまずくて食べられたものじゃなかったが、料理をすることはできたのだ。


 それに、魔の大地で無くなれば、土地自体が侵食される恐れがなく、農業全体の手間も減るだろう。

 正直、魔の森の近くで行う農業で一番大変なのが、耕した土地が魔の森の影響を受けないように監視や手入れをすることらしいからな。


「……なるほど、それならレインも参加できそうね」


 アリアは賛同してくれたが、これはわかってない時の反応だ。

 あとでちゃんと説明しないといけないな。


「あのー。質問があるんですが、よろしいですか?」


 だが、ミーリアが申し訳なさそうに手を上げて会話に入ってくる。


「どうしたんだ? ミーリア」

「塀を作れば魔の大地にならないということは、魔力の流入は止められるのかもしれませんが、その土地に魔力が残っている以上、レインは農業ができないんじゃないですか?」

「へ?」


 予想外の意見に思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。


「レインは料理の際も、収穫したものではうまくいかず、完全に魔力を抜くと料理をすることができました。ですので、農業も土地の魔力を完全に抜かないとうまくいかないんじゃないですか?」

「そ、それは」

「もし、土地の魔力が抜けたとしても、魔の森の近くは魔力が豊富だからこそ農作物が良く育って農業がうまくいくのであって、その魔力を抜いてしまっては本末転倒ではないですか?」

「あ!」


 ぐうの音も出ない。

 確かに、ミーリアの言うとおりだ。

 がっくりと俺が肩を落とすと、アリアが俺の肩に手を置く。


「まあ、農業は私たちに任せなさい。レインは名前だけ貸してくれればいいから。魔術の指導もしてもらってるし。おかげで私たち、すごく体力もついたのよ?」


 確かに魔力が上がったことでアリアたちはとても強くなっている。

 普通の人間の魔力は2くらいなのに、アリアたちの魔力は30もあるのだから。


 去年と同じ面積を耕すなら、四分の一の人数になっているとはいえ、半分の時間も必要ないだろう。


 まあ、男の俺だけ農業に参加しないってのはどうなんだよと思うが、体裁が悪い以外の問題はない。

 その体裁も気にするのは俺だけのようだ。

 五人は生暖かい目で俺のことを見ている。


「……よろしくお願いいたします」


 俺はそう絞り出すように告げて、五人に頭を下げた。

 説明回が続いております。

 申し訳ありません。

 次の次あたりからちゃんとストーリーが進んでいきます。


 明日も一話投稿する予定です。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] >俺はどうも魔法的な要素が強い事柄についてはどうも苦手なようだ。 魔術師である俺は、…… にしたほうが良いのではないでしょうか? 一般人である私は最初ちょっと迷いました 魔法使ってる…
[気になる点] 主人公は大麻貴族の時代に魔の森のそばで自給自足してませんでした?
[一言] 厄介な事です。
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