魔の森で鍛えよう!④
前半はミーリア視点です。
レインはいったい何を言っているんだろうか?
「まあ、とりあえず、一つやってみようか。血がどうして止まるかミーリアは知ってる?」
「え? いえ。知りません」
呆けている私にレインが話しかけてくる。
血がどうして止まるか? それが今どういう意味があるんだろうか?
「じゃあ、説明するけど、血の中には空気と接触すると固まる血小板という成分が含まれているんだ。傷口から外に出た血が空気と接触してかさぶたになる。こうやって血が止まるんだ」
「そ、そうなんですか」
かさぶたなら昔、騎士が訓練で傷を負った場所が次の日かさぶたになっているのを見たことがある。
そんな風に傷が治るのか。
そんなことは知らなかったが、それが今何か関係あるんだろうか?
「じゃあ、そのことを意識して、この傷口にかさぶたを作って血を止めるイメージで魔術を使ってみて」
「わ、分かりました」
私は『回復』の魔術を傷口に再びかける。
血小板が固まって、傷口がかさぶたになるように……。
「『回復』」
魔術が発動して、光が消えると、傷口はふさがり、かさぶたが出来上がっていた。
「うそ」
「な? いった通りだろ? このまま傷を治す知識をつけていけば『回復』の魔術は使いこなせると思う。まあ、魔力の消費量とかから、傷によってもっとほかの魔術も使い分けてもらうと思うけど……」
レインが何か言っているが、全然耳に入ってこない。
「で、でも、イオさんはこんな知識を知らなくてもちゃんと『回復』の魔術が使えていました!」
「イオさん? 誰だ?」
「特待生で私の通っていた学校に入ってきた平民です」
「あぁ。平民なら、その子が何度もけがをした経験があるんじゃないか? 自分の傷が治るメカニズムを体が無意識に学習しても『回復』の魔術はちゃんと働くようになるからな」
「そんなことで……」
そんなことで私は王都を追われたのですか。
「ちょっ、ミーリア!?」
私は無意識のうちに涙を流していた。
「ご、ごめんなさい」
何とか止めようとしたが、涙は次から次から流れてきて一向に止まらなかった。
***
ミーリアがいきなり泣き出したときはかなり焦った。
泣きながらの説明で実際のところはよくわからなかったが、どうやら、ミーリアは『回復』の魔術が使える女性に婚約者を奪われ、罠にはめられて王都を追われる羽目になったらしい。
ほんとは貴族だったのだが、罠にはめられたときに貴族の地位も失ってしまったのだそうだ。
今ミーリアがこの開拓村にいるのも、家を追い出されたからなんだとか。
封建社会の闇を見た気がする。
ミーリアは落ち着くまでキーリが部屋で面倒を見ることになり、二人は食堂から出て行った。
「まあ、ミーリアが回復役をしてくれるかどうかは置いておいて、三人は役割に不満はないか?」
「はい! レイン兄ちゃん質問!」
「はい。リノ君。質問を許そう!」
リノが手を上げて質問してきたので、彼女を教師風に指名する。
すると、リノは元気よく立ち上がる。
「回復っていうのはなんとなくわかったけど、他の役割は何をするんだ?」
「あー。その辺の説明をしてなかったな」
そういえば、このフォーメーションは古代魔導士文明の冒険者のフォーメーションだ。
現代魔術では使われているかわからない。
それ以前にリノとスイは現代魔術すら学んでないのだ。
わからなくて当然だな。
「まず、リノにお勧めする斥候。これは、主に偵察、攻撃、追跡をする役割だな。あたりの地形を探索したり、敵の位置を探ったり、敵に先制攻撃を与えたり、逃げる敵を追っかけたり、やることはいっぱいある」
「おぉ! なんかかっこいいな」
「ただ、頭もよくないといけないから、勉強もちゃんとしてもらうぞ?」
「うぅ。わかった」
勉強と聞いた瞬間、リノは嫌そうな顔をしたが、斥候は孤立することが多く、独自である程度判断を下せないといけないので、勉強は必須だ。
ちょっと辛いかもしれないけど、これまで席について魔術の練習ができてたんだし、無理ではないだろう。
「次に、前衛だけど、まあ、そのまま前に出て剣と魔術を併用して戦う役割だな。直接攻撃を与える役目で、かなりいろんなことができないといけないし、戦闘中は敵の攻撃を受けることもあるから、強い意志が必要なんだけど、アリアなら向いてると思う」
「まあ、妥当ね」
アリアはまんざらでもない様子だ。
強い意志を持つってあたりが気に入ったように見える。
「後衛は魔術による攻撃を相手に与える役割だな。前衛が守ってくれる前提で、ための大きい魔術とかで相手を一掃したりもしてもらうから、魔力量の強化とかに一番重きを置いてもらうつもりだ」
「わかった」
三人は文句がないようだ。
じゃあ、指導に入れるな。
おかげさまで週間ランキング3位まできました。
一位との差は約5千ポイント∑(゜Д゜)
1.5倍ですやん。
無理だな。
明日もう少し差が詰まってるようなら木金と三話投稿して一位に挑戦してみますか。
こんなチャンス二度とないだろうし。
今日も二話投稿します。




