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【WEB版】追放魔術師のその後 ~なんか、婚約破棄されて、追い出されたので、つらい貴族生活をやめて遠い異国の開拓村でのんびり生活することにしました~  作者: 砂糖 多労
なんか、戦争が始まったらしい

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閑話 侵攻準備

 敵国の将軍視点です。

「ようこそおいでくださいました。将軍閣下」

「うむ。ご苦労」


 魔の森の近くに張られた陣幕で将軍が部下から歓迎を受けていた。


 レインたちの暮らすアストラ王国の隣にイルファス帝国という国がある。

 イルファス帝国も大きく魔の森と面しており、この陣地はイルファス帝国内の魔の森が見えるところに作られていた。


 こんなところに陣地を構えた理由は簡単だ。

 ここで魔物をとらえるためだ。


 魔物を支配する魔道具は魔物を使い捨てにするらしく、そう長い時間支配しておくことはできない。


 だから、魔物が死ねばすぐに次の魔物を支配するために魔の森の近くでとらえた魔物を飼育しているのだ。


 魔の森の近くの方が魔物は捕まえやすいからな。


「不便な所だが、国の利益のためだ。しかたがない」

「教会の連中に嗅ぎ回られても厄介ですからね」


 この駐屯地は魔の森が見える位置に隠れるように存在している。

 教会の目を盗むためにここほど適した場所はない。


 この場所には教会の施設もなければ他の住民もいない。

 軍が一ついてやっと住めるような状態なのだ。

 そのため、ここにいるのは教会に対する信仰心より将軍に対する忠誠心が高いものばかりだ。


「次は戦闘中に敵軍にでも突撃させるか」

「それであれば相当な打撃を与えられそうですね」


 将軍は魔物を操る笛型の魔道具を取り出す。


 魔道具は一つしかない。

 それに、魔道具で操れる魔物の数には限界があるようだ。

 そのため、ここで魔物を捕らえておき、この魔道具で魔物を操作し、必要に応じて戦線に魔物を送り込み、魔物が息絶えれば魔道具を回収してまた魔物を支配する。

 そのような運用をせざるを得なかった。


 まあ、手間以上の戦果を挙げられているから問題はないのだが。


「しょ、将軍! 大変です」

「なんだ! なにがあった?」

「魔の森から巨大な魔物が」

「なに!?」


 将軍は急いで現場へと向かった。


***


「ちょうど魔道具があって運が良かったな」

「そうですね」


 黒く巨大な蛇型の魔物が将軍の目の前で首を垂れている。

 問題なく魔道具でおとなしくすることができたが、それがなければもっと被害が出てしまっただろう。


 魔の森から出てきたのはこの国でよくみられるグレイバイパーよりひとまわり大きな黒い蛇型の魔物だった。

 強力な毒の霧を撒き散らし、この魔物につけられた傷はグレイバイパー同様治りが遅いようだ。


「……やはり魔の森の近くは危険だな」

「そうですね」


 将軍は目の前の魔物を見ながらそう呟く。


 今まではこのような魔物は出てきていなかった。

 それに、兵には知らせていないが次第に出てくる魔物の数が増えてきているとの報告を受けている。


 このままのペースで増えれば半年後にはもっと部隊を投入しないと対処できなくなるだろう。


「よし、次回の作戦以降、魔道具の使用は一時中断としよう」

「よいのですか?」

「たしかに効果的ではあるが、この魔道具の存在は敵国にもばれている可能性が高い。何度も使っていればこの場所もかぎつけられるだろう」


 魔の森には謎が多い。

 もう少しゆっくりと調べるべきだろう。


 それに、この魔道具は使い方がわかる前はただの笛だと思われていた。

 旅の一座が楽器として使っていたものを、魔物を操れるとわかり、軍が接収したのだ。

 そのため、少なくはあるが魔物を操る力があることを知っているものがいる。

 もしかしたらアストラ王国にも漏れている可能性がある。


 アストラ王国が本格的に調査をしてくれば厄介だ。

 教会は今は金の力で押さえ込んでいるが、証拠を抑えられれば動いてくる。


「切り札は常に切るべきものではない。必要な時にだけ切るから強力なのだ」

「そうですね」


 それに、この魔道具の効果は何も実際に使わなくても発揮される。

 アストラ王国はイルファス帝国が魔物を操れるという事実だけで魔物の警戒もしなければいけなくなる。

 それだけでもイルファス帝国が有利に戦争を進められるだろう。


 アストラ王国を平定するのもそう遠くないかもしれないな。


「それに、この魔物であれば、敵国に大きな打撃を与えられるだろう。最後の利用としてはもってこいだ」

「なるほど」


 将軍は目の前の魔物を見る。


 この黒くて大きい蛇の魔物はふつうのグレイバイパーより強く、いろいろな能力を持っていた。

 こいつであれば、アストラ王国に大きな打撃を与えることができるだろう。


 このままいけば今年の戦争は引き分けではなくイルファス帝国の勝利にできるはずだ。

 国境の砦は既に我らの手の中にあるのだから。


 その上、この魔物を使えば、さらに多くの土地を手に入れることができる。

 そうすれば、将軍もより高い地位を狙える。

 まさに良いことづくめだ。


 将軍はこれから上がるであろう戦果を考えて暗く微笑んだ。

 間に合いました。

 説明回なのですが、プロットから若干それてきたのでこの話はいらなかったかもしれません。

 かと言って、この話を抜かせば今日の更新が間に合わず。

 毎日更新は難しいですね。


 次話は村の話に戻ります。


 次は明日更新する予定です。


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― 新着の感想 ―
[一言] 魔の森の木を切った時と同じ反応みたいな。 帝国がスタンピードで滅んだりして。
[気になる点] > 黒く巨大なグレイバイパーが将軍の目の前で首を垂れている 「頭を垂れている」か「首をもたげている」のどちらかではないでしょうか? あと、ここでは「黒くて巨大ではあるが、グレイバイパ…
[気になる点] 三人称視点から始まったのに急に一人称視点に変わってちょっと混乱しました。誤字も普段より多いので疲れてるのかなと心配になりました。 [一言] 毎回楽しみにしていますが、無理のない程度で頑…
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