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【WEB版】追放魔術師のその後 ~なんか、婚約破棄されて、追い出されたので、つらい貴族生活をやめて遠い異国の開拓村でのんびり生活することにしました~  作者: 砂糖 多労
なんか、帰ってきたっぽい

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アリアの帰還②

 遅くなりました。

「では、私たちはこれで」

「本当にありがとうございました」


 俺たちが乗ってきた馬車に乗って兵士さんが帰って行く。

 荷物も最小限しか持ってきていなかったらしく、俺たちがついてからほとんど時間がたたないうちに出発していった。


 ポーションは相当苦かったらしく、飲んだ兵士さんはものすごい顔になっていた。


 回復の効果があったのと俺に気を使って、無理に飲もうとしてくれたが、無理してポーションを飲むより自然回復を待ったほうがいい。


 俺はそう思っていたが、兵士さんはポーションでの回復の方がいいと思ったらしく、ポーションを水筒の水で薄めて飲み出した。

 まあ、薄めても効果は減らないしいいだろう。


 薄めるとだいぶ飲めるようになったらしく、残りは馬車の中で飲むと言っていた。


 在庫処分のつもりだったが、悪いことをしたかもしれない。

 俺なら飲まんし。


「あれ? 兵士のおっちゃんたち帰っちゃったの?」

「あぁ。さっき帰っていったぞ?」

「えぇー。おっちゃんたちにもパーティーに参加してもらおうと思ってたのに。さよーならー」


 家から出てきたリノは、俺のすぐそばにきて、大きな声を出しながら馬車に向かって手を振る。

 馬車はすでに小さくなっていて、もう声が届くかどうかは微妙な距離だ。

 だが、なんとか声は届いたらしく、馬車の後ろに乗っていた兵士さんが手を振り返してくれる。

 中にいた兵士さんも出てきて手を振り返してくれる。

 一ヶ月のうちにリノはあの兵士さんとかなり仲良くなったらしい。


 リノは兵士さんも一緒にパーティに呼ぶつもりだったみたいだけど、今は無理だろう。

 多分アリアが耐えられない。

 アリアはまだ一人になったり、知らない人と一緒にいたりすると体の震えが止まらないらしい。


 この半月の移動でだいぶマシにはなった。

 アリア自身が治そうと人のいるところに行ってみたり、俺たちと離れてみたりしていた。

 ずっと一緒だった馬車の御者さんとは日常会話レベルなら交わせるようになっている。


 だが、まだ知らない人とはうまく会話できない。

 こういうのは地道に治していくしかないだろう。


「じゃあ、パーティーしようぜ! パーティー!」

「私も、手伝った」


 馬車が見えなくなると、リノはアリアの服を引っ張って家に連れて行こうとする。

 リノの隣で馬車に手を振っていたスイも俺の服を引っ張る。


 俺たちは苦笑いをしながら二人の後についていった。


***


「うわ。すっげ」

「なに、これ」


 家に入った俺とアリアは入り口のところで立ち止まってしまった。

 部屋の中は色とりどりの電飾で飾り付けられていた。

 それぞれが電飾は規則的に点滅しており、前世のクリスマスを思い出す。


「へへーん。すごいだろ!」

「私も。頑張った」

「まあ、料理はこれからだけどね」


 これ、『光玉』だよな。

 しかも、点滅してるってことは込める魔力量によって明るさや発光方法が変わるやつだ。

 必要魔力量こそ少ないが、キーリが読んでた本に載ってた中でもかなり難しい部類に入るはずだ。


 錬成のための工程がかなり複雑で、材料の誤差もほとんど許されなかったはずだ。

 難易度的には『水玉』なんかと全然違う。


 よく作れたな。

 俺には絶対に無理だ。


 それに数も尋常じゃない。

 たしかに素材は大量にあったから作れなくはない。

 でも、キーリ一人で作るのは無理だろうし、リノとスイも手伝ったんだろう。


「これを三人で作ったのか?」

「そうよ。リノもスイも頑張ってたわ」


 ジーゲさんは約束通り錬成鍋を用意してくれた。

 少し小さめのものだったけど、ちゃんと動くやつだ。

 それはリノのものになった。

 リノは飽きっぽい印象だったから錬成は向いてないかと思ったけど、認識を改めないといけないな。


「どうだ? レイン兄ちゃん? すごいか?」

「すごい?」

「おぉ! 二人ともすごいぞ!」


 俺は二人の頭を撫でる。

 二人は気持ちよさそうに目を閉じる。


 こうしていると、帰ってきたなって気分になる。

 アリアもこの飾り付けが気に入ったのか、光玉を触って見たりしている。


「こんなにたくさん光玉を作っても大丈夫だったかしら? 光玉の需要は高いって聞いてたから作っちゃったんだけど」

「えぇ。むしろ好都合です」

「……そう。なら良かったわ……」


 キーリがミーリアにそう聞くと、ミーリアは怪しげな笑いを浮かべる。

 それを見て、キーリの笑顔が引きつった。

 おそらく、前のブレスレットのことを思い出したのだろう。

 あの時もこんな顔をしていた。


 その予想はおそらく正しい。


 俺もミーリアが次になにを売り出すつもりかは聞いていない。

 だが、おそらく光に関する何かなのだろう。

 光の強さがとか眩しさがどうとかって言うセリフがミーリアが考え事をしているときに何度か聞こえてきた。


 リノは何にも気づいていないのか、キョトンとした顔でミーリアを見上げている。

 ミーリアはリノのデザインをかなり気に入ってるから、今回もリノは前回同様大変なことになる気がするんだが。


 知らないとは幸せなことだな。


「ねぇミーリア。なにを、作るつもりなの?」

「後で話します。今はパーティを楽しみましょう?」

「おぉ! パーティーしようぜ! パーティー!」

「そうね。そうしましょう。料理は手伝うわ」


 アリアたちはパーティの料理を作り始めた。

 明日も夜に一話投稿する予定です。


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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。更新楽しみです。応援してます。
[一言] ・馬車の後ろに乗っていた平氏さんが手を振り返してくれる。 源氏は!源一族はいないんですか!
[一言] やっと訪れそうな平和
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