10上限は1000
通信機器をインベントリにしまって、従者の証が着いたネックレスを首から下げる。
そしてにっこりとシャードさんに満面の笑みを浮かべる。
「ではご主人様、質問があるのですがよろしいですか?」
「………物凄く嫌な予感がする。あと君、そういう喋り方はやめてくれ、率直に言うと気持ち悪い」
「酷いですご主人様……」
しなを作りながら立ち上がり歩み寄るとシャードさんは心底嫌そうな顔でベッドの上で後ずさった。
「自分はただ、ちょっとお聞きしたいことがあるだけなのに…」
「やめて。本当にやめて。嫌な予感しかしないから…!」
ベットの横に到着すると、シャードさんはベッドの上で壁に張り付いてふるふると首を振っていた。
そんな彼の目の前で…ポロポロとインベントリから水晶を取り出し続ける。
「甘味の扱いには気をつけます。じゃあ…鉱石とかはどうですかね」
「はーーーーー!!もうなんなの君。なんなのさこの量は!!」
「いやあインベントリっていっぱい入るんですね……」
その量、200超え。
インベントリの収容上限は1000でした。大小問わず1000個。イッパイハイルネー
「ちょっとインベントリもうパンパンで、売って現金化したいんですけどこれって大丈夫ですかね。もちろん水晶以外もあります」
「大丈夫なわけないだろ!!君、馬鹿じゃないのか!!」
デスヨネー…。
「この世間知らずの小娘、ちょっとそこに正座しろ」
「はーい」
防音のアイテムを使っててよかったねえ。じゃないと村中に聞こえてたよってくらい怒鳴った後、シャードさんは床を指さして指示してきたので大人しくちょこんと座る。
「あのね、僕が君の要望を叶えるためにどんだけ頑張ったと思ってるんだい。最先端のお財布機能付き通信機とか、従者を持つための資格試験とか、色々頑張ったのに……君はサラッと問題を増やしてくれて、もう!」
「ゴメンナサイ」
最先端の通信機だったのかあ。いや、やたらハイテクだなって思ったんだよね。思いの外本気で考えていてくれたんだなってちょっと感動する。
多分…いや絶対資格試験とか最先端機種とか内緒にするつもりだったんじゃないだろうか。
怒りのあまりそれを暴露しちゃってる彼をやはり可愛いなーと思いつつ100%私に非があるので大人しく怒りを受け止める。インベントリパンパン問題は早急に解決したい案件だしね。
極端な話、ポーション類を処分したように廃棄することは可能だ。だが、そこまで蓄えに余裕が無い現状、出来ることならば売りたい。
それこそ、多少安価でも安全に売買できるルートがあればありがたいのだが…。
しばらく考えたあと、シャードさんははっとこちらを化け物を見るような怯え混じりの目で見てきた。
「……詮索はしたくないけど今後の展開に必要だから一応聞いてみるんだが、インベントリ満タンになるまで採取する期間って……1ヶ月くらい…?多少期間はぼかしてもいいから教えてくれないか。1ヶ月でそれくらいならまだ何とか…」
「3時間くらいですかね」
両頬に両人差し指を当ててキャピっと可愛子ぶって答えると、即座にシャードさんの右手が伸びてきてガシッと頭を鷲掴みにされた。




