9従者契約
聞けば聞くほど、全てが敵に見えてきた。
神様、あんた恐ろしい世界を作ってくれたなあ…。
「というわけでまずは自衛をしてくれ。そして君が嫌じゃなければ君には…僕の従者という立ち位置になってもらいたい」
シャードさんはそういうと、プレートのついたネックレスをシロップの隣に置いた。
「これでも僕は冒険者の中でそこそこの位置で、それなりのクランに所属している。従者、つまり僕の使用人ならば甘味を見せびらかしたりしなければ大多数の貴族や冒険者からの干渉は避けられるだろう。ああ、従者といっても別に一緒にいる必要はないし僕も他人と一緒にいるのは嫌いなん
だ。好きに採取なりレベリングなりするといい、僕は定期的に甘味を分けてもらえればそれで構わない」
つまり…シャードさんが私の後ろ盾になるということか。
パッと思いつくデメリットは彼との関係を断ち切りにくくなることだろう。だがもとより甘味を安定供給すると約束した身なので、よっぽど彼から無茶振りをされない限りはデメリットは無いものと考えても良いかもしれない。
「これが僕の従者という証明のプレート。それからこっちは先日話した通信機器だが君には必要と思ったのでお財布機能付きのものにした。銅貨の枚数が1000枚を超えるとかさばるし、数えるのも大変だろう。銀行でこの通信機にチャージすれば全土の店や、そこそこの冒険者との取引に使えるはずだ。一応その中にはシロップ代として5銀貨がチャージしてある、試しに僕に1銅貨を払ってみようか」
これなんてPay●ay
確かに銅貨枚数が多くなってきて困っていたのでこれはとても助かるかもしれない。
通信機器のお財布機能をタップすると
-支払い
-受け取り
のメニューがでたのでシャードさんに言われた通り1銅貨を支払い選択して
シャードさんの通信機器と赤外線通信?みたいなことをすると…
ピーピー
機械音がして、お財布画面の残高が
4銀貨9999銅貨
と表示された。
………神様、なんでこんなとこは無駄に高機能なの…!
「…とまあ、こんなところかな。あとは明日、ナオタウンに行って色々な施設を紹介しようと思う。君は変なところで世間知らずだからな。さて、従者についてとか他にもなにか言いたいことはあるかい」
「呼び出されたら行かないと行けないとか、命令を聞かないと行けないとか、従者にそういうのはないですよね」
「他のやつは知らんが僕はそんなことをするつもりはないよ。君が危険なことをしない限りは君の邪魔はしないさ」
この世界に来て初めて出会った冒険者がシャードさんで本当に良かったかもしれない。この人は本当にいい人だ。
「ああ、でもその警戒心は大切にするんだ。僕にも気を許すな。僕だっていつ君を裏切るか分からない存在なんだからな、今はお互いの利益のために利用し合う関係。そう思ってくれ」
「わかりました」




