第14話 未来の姿
とんでもないGが全身にかかる。死ぬ。多分死んだ。二キロが僕を乗せて縦横無尽に飛び回っている。喋れないのをいいことにやりたい放題だ。泣く泣く振り回される。
「空をこえてぇ〜ラララ星のかなた!行くでぇ〜ふふふーん」
楽しそうに歌う彼に激しい怒りを覚える。それを察したのか声がかかった。
「キロ!今な!ミサイルとランデブー中や!しばらく我慢やでぇ〜」
嘘だ。ミサイル何てやばすぎる。食らったらどうなるのかもわからない。痛いとかそんな次元じゃないだろう。木っ端微塵だ。すると凄まじい爆発音と共に衝撃が伝わる。
「ひゃー!ビックリしたで!もうちょいで当たるとこやったで」
鼻水と涙で顔がぐちゃぐちゃだった。状況が見えないという暗闇の恐怖。それがどうしようもなく込み上がる。僕の精神はピークに達し意識を失った。そして目を覚ますと…。
「は!!!?……あれ?ここは…」
自分の部屋だ。間違いなく自室にいる。僕はやはり夢を見ていたのだろうか。最悪の悪夢だ。咄嗟に全身を触って確認する。大丈夫だ。知っている体だ。
「何やったんや…」
ひとりそう呟くと僕の体は勝手に反応した。
「見た通りやで〜」
「二キロ!?」
「せや、久しぶりやな。さっきぶりやけど」
冗談じゃない。アレは現実だったとでも言うのだろうか。しっかりと問いたださないと気が済まない。
「二キロ!!アレは何や!!」
「知りたいんか?仕方ないなぁ。お前には感謝や。特別に教えたる。あん時の体は俺のや。まぁ〜お前の未来の姿やな」
「嘘やそんなん!?」
何となくだけれど、その可能性が薄らと脳裏に浮かんだのを思い出す。けれど認めたくない。未来の自分がデブでハゲで加齢臭MAXのクソ親父になっているなんて。
「何や傷つくなぁ。今のまま行くとそうなるっちゅうだけの話やで?何もおかしない。ただ前よりかは良くなってんで?お前が協力してくれたお陰で未来は救われたんや。しかしまぁ…」
二キロはその続きの言葉を一瞬躊躇った。けれどこの時代で協力してもらえるツテは僕しかいないらしく。案の定、新しいミッションがスタートするのであった。




