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第12話 登場!


 カツカツと見知らぬ誰かがこちらに向かってくる。逆光を背に浴びて影のシルエットだけがその存在を確かとする。恐らく女の人だ。何故ならとてもグラマラスな輪郭を見せつけていたからだ。そして僕は自分の体を確認した。そこには違和感しか無い。得られる情報全てが混乱に導く要素を含んでいる。


 最もショックだったのは何一つとして自分を証明する特徴を確認出来ない事だろう。まるでおじさんのように肥え太ったお腹。びっしょりと汗を吸い込んだタキシード。そして耐え難い加齢臭。僕はどうなってしまったのか。


 「夢?かな?」


 縋るようにして目の前の女性に問いかけた。これはきっと夢なのだ。さっさと目覚めてくれ。本当の自分は今頃、部屋で気絶しているだけだ。あの時に貧血で倒れてしまっただけ。きっとそうだ。なかなかに意地悪な悪夢だ。けれどその期待を奪い去る一言が返ってきた。


 「ふふ、夢な訳ないでしょ?アンタがやった事、本当にわかってる?ここで終わりよ。さようなら」


 女性のシルエットが何かを手に持ってこちらに構えた。大体察しがつく。けれど、本物とは思えない。だってここは日本だ。本物の銃がここにあるはずが無い。しかもそれを人に向けるような悪党が野放しにされるはずが無い。心の何処かでそう思った。けれど二キロと共に体験した出来事は僕の持っていた常識を軽く飛び越えた。そして悟る。これは恐らく二キロ案件だろう。


 「二キロ!!お前がいたら僕は死なんとちゃうんか!!」


 その時だった。ガチャンという音と共にスポットライトの電源が落とされた。一瞬にして暗闇が訪れる。


 「何が起きてるの?!ちょっと!!早く復旧なさい!!急いで!」


 けれど、彼女の言葉に返事は返ってこない。しばらくしてからようやく声がする。


 「すんませんねぇ。ちょっとブレーカーの調子がようなくて…」


 再びガチャンと音が鳴るとスポットライトがまた光り出す。次に目にしたのは女性のシルエットではなく、背の高い何かだ。それは人というより、二足歩行型ロボット。そして地面に横たわるあの女性だった。


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