21話
相変わらず短い・・・orz
《しかし経とは厄介だねぇ》
やれやれと息を吐く暁さんに、夕霧にぐりぐりされて痛む頭を撫でながら、首を傾げる。
「確かに、今も残っているとは思えないけど。破られてるかもだし、燃やされてるかもだし」
《勿論、それもあるけどね。
紙というのは思念が残りやすいものだ。今頃曰く付きになっている可能性もある》
「あー。また妖関係になってるって事??
とっても面倒だわ」
巻き込まれ過ぎじゃないかしら、と溜め息を吐けば確かにそうだね、と暁さんに苦笑された。
「まあ、いいわ。とりあえず、探すには最低限調べないとねぇ。
伊佐さんの正体の確認とー、経の書き手の正体かなー」
《陰陽寮に戻るべきだな》
《そうだね。だけどその前に、ちょっと知り合いの屋敷に行こう》
自分達だけでは調べるのにも限界がある。
陰陽寮の先輩達に指示を仰ぐべきか、と私と夕霧は帰寮しようとしたのだが、それに暁さんが待ったを掛けた。
「生前の知り合い?死後の知り合い?」
《生前の知り合いさ。多分、経の書き手を知る近道になるんじゃないかな?
その者の所属は、治部省だからね》
名を、治部少輔、橘 道邑という。
「じぶのしょう・・・?」
《治部少輔だよ。省庁の一つ、治部省の役人なんだ。
ちなみに治部省というのは戸籍管理を担当している。
それ故、会っておくのも損はなかろうと思ったんだよ》
ふふふ、と笑った暁さんになるほど、と頷いた。
「じぶのしょう、か。難しい名前だなあ・・・。簡単にすれば良いのに」
《(もっと長くもっと難しい名前もあるんだけどねぇ)》
溜め息を吐く私を面白そうに暁さんが、困った奴という目で夕霧が見ていたことには気付かなかった。
気付いてたらきっと怒ってたね!




