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独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~  作者: さとう
第十七章 二度目の温泉郷

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スノウデーン王国、二度目の冬⑩/問題解決!

書籍1巻が12/5に発売します!

書き下ろしは100ページ超え。書籍版だけの新キャラも登場します!

情報は下にありますので、是非ともよろしくお願いいたします。

 さて、俺は模型を持ってエアリーズの元へ。

 スーパー銭湯の事務所に案内され、そこで『エレベーター』と『エスカレーター』の模型を、そしてヘドロスライム問題の解決法、広すぎる温泉の移動法などを話した。

 事務所内には、エアリーズが呼んだ職人たちとバルトロさんがいて、俺たちが作った模型を見てウンウン唸っている。

 説明を終え、俺は言う。


「ってわけで……エレベーターにエスカレーター、ヘドロスライム問題、トロッコ温泉。これらを導入すれば今ある不満は消えると思う」

「……面白いな」


 エアリーズは煙草を吸っていた……なんか、着物を着た美人女将風のエルフが、高級そうなキセルで煙草を吸う姿ってそそるわ……カッコいいというか、妖艶というか。

 技術者たちは、模型を見てあーだこーだと話し始める。


「面白いな。このエスカレーター、階段を稼働させるのか」

「強度はどうだ? メタルオークの骨でいけるか?」

「いやいや、チタニウムドラゴンの骨を使った方がいい。加工は面倒だが、強度は折り紙つきだ」

「いいな。魔石は常に稼働させてる状態なら十ツ星が欲しい」

「こっちのエレベーターはどうだ? 乗る人数も考えねぇと」


 すごく盛り上がってる……あとは、職人たちに任せるか。

 俺はバルトロさんに言う。


「バルトロさん。この『トロッコ温泉』は、移動手段だけじゃなくて、温泉の売りにもなると思います」

「はい、素晴らしいですね……!! さすがゲントク様です」

「ど、どうも。あと、ヘドロスライム問題ですけど、これは普通に浄化できます。トーラスも、浄化後のスライムを薬草漬けにすれば、ビューティフルスライムとして再利用できるって言ってました」

「ダークエルフの文化ですな。面白い……ぜひ、実現を!!」


 水牛獣人のバルトロさん、鼻息がすごく荒い。

 やる気に満ち満ちているのがわかる。あとは任せて大丈夫かな。

 そして最後、エアリーズに言う。


「エアリーズ、少しいいか? 二人で話をしたい」

「おや、私を口説くつもりかい? ふふ……構わないよ」

「アホ。真面目な話だっつーの」


 正直、女将モードのエアリーズ、かなりストライクなんだよな……うん、絶対言わないけど!!


 ◇◇◇◇◇◇


 事務所にある外へ通じるドアを抜けると、小さな庭になっていた。

 灰皿に椅子があり、屋根もある……なるほど、ここは喫煙所か。

 エアリーズは煙管に新しい煙草を入れて火を着け、俺も紙巻き煙草に火を着ける。


「……トーラスかい?」


 エアリーズ、一息吸って煙を吐き、俺が何か言う前に答えを言った。

 俺も煙を吐き出す。空を見上げると、一部青空が見えているが、小粒の雪が降っていた。


「まあな。説得、頼まれたし……お前、ダークエルフの女王だったんだな」

「初代さ。無駄に長生きしていると、いろいろやっちまうのさね。未開の地で狩り暮らししていたダークエルフに、生活の仕方を教えただけさ。そしたら、各地のダークエルフが集まって、独自の文化を作って、国になった……私は女王としていろいろ導いただけ」

「偉業じゃねぇか……」

「まあ、雪国のが長いよ。こっちは環境が過酷で、なかなか開拓が進まなくてね……それで、私に国に帰るよう、トーラスに言われたんだろう?」

「ああ、でも……俺の個人的な気持ちもある」


 俺は煙草を吸い終え、灰皿に押し付ける。

 二本目を取り出し、マッチで火を着けて吸う……どうでもいいこだわりだけど、魔法の火より、マッチで付けた火の方が煙草が美味いんだよな。


「帰ることのできない故郷じゃないだろ? 何年経過してるかわからんけど……戻れるなら、顔出しするように言われてるなら、一度は戻るべきじゃないか? 別に、意地になってるわけじゃないだろ?」

「…………」


 エアリーズは、俺をジッと見て少しだけ目を見開いていた。

 ああ、やっぱ気付くよな……そう、俺やアツコさん、他の転移者たちは、もう日本……地球に帰ることができないのだ。

 帰りたいけど帰れないではない。帰れるけど帰らないだけなら、帰るべきだ。

 

「今の女王とか、歴代の女王も、お前のこと知ってるんだろ? ダークエルフの寿命とかわからんけど……生きているなら、生きてる間にちゃんと話をしておけよ。それに、ダークエルフの知り合いとか、このスーパー銭湯に連れてきたらどうだ?」

「…………お前というやつは」


 エアリーズは苦笑し、煙管の灰をトントンと灰皿へ落とす。

 

「わかった。そうだな……恐らく、改修工事の間は営業が縮小される。その間に、故郷へ戻るとするか……里帰りも、悪くない」

「そういうこった。あと、トーラスは実妹なんだろ? あんま心配かけんなよ」

「その言い方、私が迷惑をかけ続けているように聞こえるぞ? まったく、百年も生きていないヒヨッコめ」

「いや、俺人間だし……」


 俺も灰皿へ煙草を押し付け、そのまま捨てた。

 もう煙草はいい。なんか、コーヒー飲みたくなってきたな。


「ところで、テッサやトーラスはどうした?」

「いや、ここで説明会やるって決めた途中、ロッソたちに会ってな……雪国の遊びをしたいって言うから『雪合戦』を教えたんだよ。そしたら、チーム戦やることになって『師匠、そっちはお任せしました!!』とか言って雪合戦に没頭してる」

「……なんだそれは」


 雪合戦。

 まあ、チーム対抗の雪上バトルだ。

 俺が教えたのは『コートに雪壁を作って雪玉を投げ合い、一発被弾したら退場。最後まで残っていたチームが勝ち』のシンプルなゲームや、『敵陣に設置したフラッグを奪う』戦術的なゲームなどだ。

 ちょうど近くに広い森があるし、ルールを決めてやるならこれ以上の遊びはない。


「…………それは面白いな」

「お、おいお前、その顔……何考えてんだ?」

「雪合戦か。スノウデーン王国にとって雪は『生活の障害』というイメージしかない。だが……それを使ったスポーツか。面白いな……そういえばゲントク、お前はザナドゥで新しいスポーツを考えたんだったな。ふふふ、スノウデーン王国でも使わせてもらおう」

「……えと」


 この時の俺は知る由もなかった。

 まさか、このスノウデーン王国で『雪合戦』が国民的スポーツになり、数多のチームが結成され、雪合戦専用のコートが各地に作られ、雪合戦をするために雪国に移住する人などが爆発的に増えることを。

 ま、まあ……俺は知らん!! 思ったこと言っただけだしな!!

 さて、とりあえず話は終わった。エアリーズを誘って軽く飲みに行こうとした時だった。


「ゲントク!! ちょっと、大変よ!!」

「うお、ヴェルデか……びっくりした。なんだなんだ」


 事務所に戻ろうとすると、ヴェルデが飛び込んできた。


「あ、あんた、ロッソたちに何言ったの!?」

「え、雪合戦だけど……」

「それ!! バレンたち三人と、ロッソたち三人が雪合戦でめちゃくちゃ白熱してるのよ!! 私一人じゃ止められないから、あなたも手伝って!!」

「いやいやいや、無理、無理だって!!」

「あんたの責任でしょうが!! はやく!!」

「うおおおおお!?」


 俺はヴェルデに無理やり引っ張られ、戦場と化している外の広場へ向かうのだった。


 ◇◇◇◇◇◇


 さて、ここからはダイジェストでお送りするぜ。


 まず、俺の考案したエレベーター、エスカレーター、トロッコ温泉、ヘドロスライム問題は全て採用。職人たちが内容を詰め、改修工事を行うことになった。

 そして雪合戦……ロッソたちの合戦をなんとか止めた。エアリーズも「面白い……」と言ってたし、これからスノウデーン王国でスポーツ認定されるかもしれない。

 エアリーズがサンドローネに「雪合戦……」や「面白いですね……」なんて、たまに俺をチラチラ見ながら相談していたのがなんか怖かった。


 仕事が全部終わり、みんなを集めて宴会もした。

 俺の離れは広かったので、料理や酒を運んでみんなで宴会をした。雪見酒とかもやったし、スーパー銭湯ではとても楽しく過ごせたと思う。


 スーパー銭湯に滞在後、ミカエラたちはスノウデーン王国へ行った。

 バレンたちとも別れ、俺たちも温泉の町レレドレへ向かうことになった。

 そして出発の日。連結馬車の前で、俺はエアリーズに言う。


「エアリーズ、ちゃんと顔出ししろよ」

「わかっている。まったく……」

「お姉ちゃん、私もあとで帰るから、よろしくね」

「ああ、そうだな」


 さて、トーラスはエアリーズと一緒に帰るのかと思いきや。


「ゲントク。あんたの別荘、私も行くから。あなたにお礼したいしね」

「お、お礼?」

「ええ。内容は、向かいながら考えるわ。ってわけで、よろしくね」

「お、おう」


 トーラスも、温泉の町レレドレへ行くことになった。

 さっさと馬車に入り、リビングのソファで横になってしまう……なんだか自由だな。

 テッサは言う。


「次は、師匠の別荘ですか……どんなところですか?」

「落ち着いたいい場所だぞ。いい居酒屋もいっぱいあるから、楽しみにしておけ」

「はい!! ん~楽しみです」


 テッサも車内へ。

 そして、ロッソたちとユキちゃん。


「ひっさしぶりの温泉ね。まあここも温泉だけど」

「……おじさん。ここではお仕事だったけど、レレドレでは遊んでね」


 ロッソ、アオがワクワクしながら馬車へ。

 そして、ヴェルデとシュバン、マイルズさんも車内へ。

 ブランシュは、テプロドトンを抱っこしていた。


「エリザベス。ここを離れますけど、大丈夫ですね」

『もあぁ』

「ふふ、大丈夫。これから楽しいことばかりですわ」

「にゃあ。ブランシュおねえちゃん、だっこさせてー」

「はい、どうぞ」

『もぁぁぁ』

「もふもふ。かわいいー」


 え、エリザベスって……そのウォンバットの名前かな?

 白いウォンバット。いやテプロドトン……かなり可愛い。

 ブランシュのペットであり、ユキちゃんの新しいお友達か。あとで俺も抱っこさせてもらおう。

 ユキちゃんたちも馬車に乗り込み、残りは俺、サンドローネ、リヒターにイェランだけになった。

 エアリーズはサンドローネに言う。


「サンドローネ。雪合戦の詳細はまた後日」

「わかりました。ゲントクから細かい話を聞いて、内容をこちらで詰めますので」

「おい、レレドレで仕事する気ないぞ」

「お姉様~、レレドレで温泉巡りしましょうね~」

「お嬢。支店の視察などもありますので」


 どいつもこいつも忙しいな……さて、そろそろ出発だ。

 全員が馬車に乗り込み、俺はエアリーズと握手する。


「じゃあ、また今度な」

「ああ。墓参りも近い……その時に会おう」

「……それ、いつなんだ? エルフのスパンがよくわからん。そのうちが一年後とかはやめてくれよ」

「もう間もなくさ。じゃあ、気を付けてな」


 こうして、スーパー銭湯での問題を解決……温泉の町レレドレに向かうのだった。

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― 新着の感想 ―
いっそのコト、ボブスレーのコース作りません?この世界だと頑丈なソリ作れそうですし
次は温泉地ですか。 スキー板とスノーボードの図面は描いてありますか?(笑) あと、個人用ソリの図面も描かないと(笑)( *´艸`)
雪玉自動製作マシーンの発明をそのうち依頼される身から出た鯖の未来があるのか?笑
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