Vol.32
メリーナはとりあえず、そのままベッドに蹴倒しておいた。
フフッ、女性には暴力を振るわない主義だけど、それも今の気分じゃあ、しょうがないよね!
僕だから許される。許されちゃうぅ~ん!
フェフェフェッフェ~!
だって、僕を止められるヤツ、ぶっちゃけもういないよね?
彼がお膳立てしてくれたおかげで、僕は現時点で世界を支配する王様だし?
女の子には不自由しないし?
子作りしながら、国のひとつやふたつ、滅ぼしちゃおっかな~?
そんなことしちゃっていいんですか!?
いいんですっ♪
今までは、いくら不死身って言っても、誰にも腕っ節じゃあ勝てなかったからね~。
情事の最中に相手の男が出てきたら、それで一回中断しなきゃいけなかったし。
まあ、怒るそいつらをおちょくるだけで、メッチャクチャ楽しかったけどね~。
大抵、僕が姿を消した後は男が女を殴るんだよ。
いやー、最高のショーだと思わない?
そういや、前にヤツらの情事を覗き見してやろうと思ったら、よくわからない力で追い出されちゃったんだよね。
あれって結局なんなんだろ?
そういえば、今日は全然そういうのなかったな。
ライネルの体を借りてるとはいえ、あっさり潜入できちゃったし。
んまー、深く考えてもしょうがないかな。
僕は刹那に生きる主義なんだ。
永遠の命があるんだし、殺されることもないんだから、こうやってすべてを嘲笑って生きてきたんだ。
でも、今日もそれで最後と思うと感慨深いねぇ。
ザーダスに代わって、僕が新しい魔王になるのサッ☆
あー、あの女とも1回でいいからヤりたかったな~。
いいオンナだったのに。処女の臭いだったし。
そういや、ディーラとかいうドラゴンのメスも、結構よさげだったなぁ。
全然、近づかせてもらえなかったけど。
ま、全部みんな死んじゃったわけだしね?
あ、そうだ。聖鍵の力を使えば生き返らせるぐらいはできるかなぁ~?
それでもって、今度こそあいつらを屈服させよう、そうしよう。
あっひゃー、さらにテンション上がってきちゃったよコレ!
舞い上がっちゃってますね、僕!
もう何も怖くない! 後悔なんて、あるわけない!
コイツが大事にしてるリオミちゃんだって、僕に夢中になる。
今度僕、彼女と結婚するんだ。なーんて、もうしちゃってるんですけどねー?
僕に屈辱の痛みを与えてくれたシーリアちゃんだって、僕のモンだ。
それは、とっても嬉しいなって。
「あはは、あはははっ」
さーて、そろそろ時間がもったいない。
行っちゃいますか。
――聖鍵、起動。
――永劫砂漠強制収容所、中枢区。
「んー、ここか」
大きなキラキラ光る玉っころが宙に浮かんでるねぇ~。僕以外には誰もいないみたいだ。
その下に、この聖鍵を挿しこむ台座があるんだよ。
それさえ終われば、僕はめでたく聖鍵のすべての力が使えるようになって、アースフィアはゲームオーバーってワケ。
ンフフ、いやー、悪いね諸君!
こんな僕が聖鍵使っちゃってさあ!
せっかく魔王もいなくなって平和になったっていうのに、これから新たな地獄の始まりですよォ?
次回から「機械仕掛けの聖剣使い ~寝取りながらの異世界支配。ディオコルト様が最強な件について~」にタイトル変わっちゃうねぇ。
いやー、これまで読んでくださった読者の皆さん、すいませんねぇ。
ここからは一切の加減なし、正真正銘のチート物語が始まります!
あ、駄目? 台座に聖鍵挿しちゃったら、もう読んでくれない?
んー、じゃあ、どうしよかったな~。
でも挿します、とりゃ!
おー、凄い!
いろんな知識が流れ込んでくる!
へぇ、アースフィアの外にもいろいろなものがあるんだねぇ。
うわ、こいつらどこで暮らしてたのかと思ったら、世界の上に船なんてあったんだねぇ!
凄い! 凄い! 凄い!
なんだこれ、本当に僕の想像してた以上だ!
これが、全部僕のものになるなんて……はは、未だに信じられないなぁ。
全部が収まった。
うん、なんか周囲が白く輝き始めてるな。
きっと僕の始まりを祝福してくれているに違いないね。
「さて、いざ始めるとすると何からしようかな?」
いやー、そんなの決まってるっしょ!
こいつの奥さんの居場所を調べて、そこに跳んで、そのまま押し倒して!
いやー、ショック受けるだろうなぁ。
でも優しい僕はヒュプノウェーブで記憶を消して、今度は優しく扱ってあげちゃうのだ。
催眠プレイってやつだね。まあ、魅了使える時代から似たようなことはやってたんだけど。
「そうと決まれば、聖鍵をっと」
台座から抜くと、聖鍵の色が真っ黒になってた。
へぇ、こんなふうになるんだ。
さて、そんなことはどうでもいいんだ。
さっきと同じように……聖鍵に念じて。
そうすれば、リオミちゃんやシーリアちゃんの居場所がすぐにわかるはずなんだ。
うーんうーんうーん。
「……あれ?」
何も浮かんでこない。
聖鍵はうんともすんとも言わない。
あれ、故障した?
「おい、こら! ちゃんと動け!」
だめだ、全然反応しない。どういうことだ?
おかしい。
僕が今手に入れた知識によれば、聖鍵はルナ・オリハルコニウム合金というとてつもなく硬い物質で作られていて、どんなに荒く扱っても故障しないってあったのに!
原因がわからない以上、聖鍵でのテレポートはできないし……あれここ、出口がない?
いや、テレポーターっていうのならあるぞ!
これは実際、街とかで使ってるヤツを見たことがある。この体なら、問題なく権限的に使えるはずだ。
テレポーターの上に乗る。だが、うんともすんとも言わない。
「そんなはずは……」
だんだん、焦りが出てきた。
さっきから白く輝きはじめた壁の方へ向かうが……ん、これ。
「ええと、ホワイト・レイ……とかいうやつか?」
なんでだ?
中枢区とかいうのに、こんな機能はないはずだ。
少なくとも、さっき流れ込んできた知識の中にはない!
とにかく、コレに触ったら危ない。
離れておこう。
「……一体、どうなってるんだ」
だんだん、頭が冷えてきた。
流石に何かヘンだ。
状況を調べるために、一度この体から出たほうがいい。
今のところ、コイツの意識は全然浮かび上がってくる気配がないし……ていうか、死んでるんじゃないかと思えるぐらい、心の中は静かだ。
少しぐらい、勇者クンの悲鳴とか嘆きとか聞こえても、おかしくないのに。
「……あれ?」
おかしい。
出られない。
いつもみたいに意識するだけで、僕は瘴気の肉体を操ることができるはずなのに、それができない。
あれ、瘴気が体内にまったくない……?
そんなわけないよ、僕はこいつの体に入ってから、消費するようなことは何もやってないんだから。
それが0になるわけないんだ。
でも、出られない。
僕の理想の肉体である、瘴気の体がない。
いつだ、いつなくなったんだ!?
「……っ」
そこでふと、僕は握ったままの聖鍵を見た。
真っ黒に染まった聖鍵。
この色艶。ひょっとして……。
『……ようやく気づいたか、クソ野郎』
「なっ!?」
どこからともなく、声が聞こえてきた。
「だ、誰だ!」
『俺の声を忘れたか? はっ、男には興味なさそうだもんな。いいよ、今からそっちに行く』
その言葉が言い終わるやいなや、僕の目の前に、その男が現れた。
「……え」
「よう、ディオコルト。さっきぶりだな」
「え、なん、で……」
僕が乗っ取ったはずだ。
なんで、どうして。
「どうしてお前が目の前にいるんだ!?」
目の前に現れたのは、紛れもなく……アキヒコ=ミヨシ=ピースフィア。
「じゃあ、僕が乗っ取ったこいつは、一体何者なんだ!?」
さて……感情を引っ張られないよう、ルナベースを通してからヤツの思考をサーチしていたわけだが。
本当に、胸糞の悪いやつだ。
目の前で狼狽しているのは、俺と全く同じ姿をしたディオコルトである。
「お前が乗っ取ったのは、間違いなく俺だよ。ただし、俺の……クローン人間だ」
「クローン……?」
「ああ。俺の細胞から培養した、俺の肉体。ただし……心はない、空っぽなだけの肉体だ」
本来の利用用途は、肉体が損壊してしまったときの予備ボディ。
俺と全く同じ思考を持つクローン人間などを造るのは難しい。
コピーボットのように、プログラムによる受け答えはできない。
「今なら通じるよな? 知識だけはくれてやったし。マザーシップから、ずっと聖鍵でクローンを遠隔操作してたんだ。自分の肉体と同じ感覚でな」
「そんな……一体いつから……」
「お前と最初に出会ってから、すぐだ。アースフィアにいる時間のほとんどは、クローンを使ってたんだよ」
……そう。
俺はフランの一件でコイツにしてやられた後、すぐに行動を起こした。
まず、遠隔操作できるクローンを用意した。
それまで倫理的に避けてきた領域に、俺はあっさり手を染めた。
このクローンを操るには、マザーシップ中枢区に聖鍵を差し込み、俺の本体を眠らせる必要がある。
遠隔操作には多大な精神集中を必要とするので、クローンを帰還させて本体に戻る頃には身も心もズタボロになる。
これも何度も何度も行なうことで慣れてきて、夜の夫婦生活に支障がないレベルまで向上した。
ワンニャンパラダイスでの臨死体験が、俺をはるか高みに押し上げたに違いない。
更に言うなら、クローン操作のデータがコピーボットの開発と改良に大いに役に立った。
クローンについては、ある条件を施した。
有り体に言うと、聖鍵を使えないようにしたのだ。
もちろん触れさせるつもりはなかったが、それでも念には念を入れ。
そして、俺自身が少しでも聖鍵なしでいられるよう訓練するためでもあった。
そして何より、このクローンは、最初からディオコルトが憑依してきた際……ヤツの精神の依り代となる『第一の牢獄』として機能させるつもりだったのだ。
「う、嘘だ。どうして僕がお前に憑依できるとわかったんだ!」
「お前が聖鍵を狙ってくることは、”さる筋”の情報から知ってたんでな。
まあ、憑依能力があることまではわからなかったんだが……お前の肉体が瘴気で構成されてる以上、できない道理がない」
そこが、言ってみればクローンの牢獄が無駄骨になるかもしれない部分だった。
だが、その能力がなければそもそも、ヤツが聖鍵を手に入れようなどとは思わないはずなのだ。
「お前は俺が使っている聖鍵が欲しくなった。だけど、少し調べれば俺にしか聖鍵が扱えないことはすぐにわかる。その上でも聖鍵を欲しがるということは、お前には俺になる方法があったということになるんだよ……」
「……そんな、無茶苦茶な……!」
もちろん、ディオコルトが聖鍵を狙ってくるという大前提に基づいた詭弁でしかない。
だけど、俺は十中八九ディオコルトがこの手で来ると考えていた。
そして、ベニーを通じてディオコルトが秘匿していた能力が明るみとなり、策の成功を確信したのである。
「じゃあ、聖鍵は! この聖鍵が使えないのは、どうしてだ!」
「は? 何を言ってるんだ。聖鍵はこっちにある」
俺は空間から聖鍵を取り出す。
もちろん、ディオコルトのように真っ黒になってなんかいない。
「せ、聖鍵が2本……!?」
「ばーか、いい加減気づけ。それは偽物だ」
聖鍵が使えないと言いつつも、取り出せるところをリオミとシーリアに見せたことがある。
あれが、ディオコルト『第二の牢獄』となる偽聖鍵。
「仕掛けは簡単だ。その聖鍵に、偽情報を記録しておく。お前は何も知らずに偽物の聖鍵から、10分以内にこの永劫砂漠強制収容所の中枢区に接続しなければならないという情報を得る。
そして、それに従って台座に偽の聖鍵を差し込めば……台座がお前の体内の瘴気を全部吸い出して、偽聖鍵に固着させてしまうってわけだ。
ああ、ちなみに強制収容所に中枢区なんてない。ここがお前が瘴気を補充できないように建造した『第三の牢獄』なんだよ」
だからこそ壁面にホワイト・レイを展開しているのだ。
一度、ザーダスと密談するときに、ここを使ったことがある。
ザーダスは中枢区に迷い込んだとき、来るのが2度目だと思い込んでいた。
だが、最初は偽の中枢区、次に来たのが本物の中枢区だったわけだ。
それだけ似せて造ってあった……というか、形はコピー&ペーストしたわけだが。
「…………そん、な」
ディオコルトは言葉もない様子だった。
「僕は、聖鍵を手に入れたんだ。さっきだって、聖鍵で使えるすべての能力がわかったんだぞ!」
「……お前をぬか喜びさせるため、そして瘴気を吸い出されてるのを気づかせないための囮だ」
「嘘だ! そんなのは、嘘だ! 僕は神になったんだ!」
いつもの余裕が、今のヤツにはまったくない。
もちろん、ショックを受けたというのもあるだろうが……理由の察しはついている。
「……別にいいじゃないか。お前はここから出られないが、不死身なんだろう? 永遠に生きられる」
「……!」
「いつかなんとか、ここから出ることができれば……本物の俺を乗っ取れるかもしれないだろう? 生きてさえいれば、チャンスだってある。俺にお前は殺せないんだからな……」
俺がわざと悔しげに呟いてから、しばし間があった。
やがてディオコルトは、くつくつと笑い出した。
「……そ、そうだねぇ。そうさせて、もらおうかなぁ……?
ククク、そうさ、僕は不死身……。いつだってそうやって、隙を窺いながら……いろんな女をモノにしてきたんだ」
「……やっぱりな」
「ん~? どうしたんだい? あ、そうだ……せっかくだから僕を拷問でもするかい? ま、いくらやったところで無駄だけどね」
ヤツは余裕の笑みを浮かべながら、俺を挑発した。
「そうか、じゃあお言葉に甘えて」
「え、ちょ、待っ……」
無造作に近づいて、聖鍵を横に振るった。
ディオコルトの頭部を激しく殴打する。
パワードスーツは出力をだいぶ落とし、ほとんど俺の自力であるにも関わらず、俺の姿をしたディオコルトは派手に回転して、その場に倒れ込んだ。
「……っっ!! ぎ、ああ、が……!」
「ん、どうした? 痛みがあるのか?」
「ひ、いいいっっ……!!」
ヤツは這うように後じさる。
俺は追うことなく、ニヤっと笑いかけた。
「あれ~、どうしてだろうな~? なんで痛みがあるんだろう? ああ、そうか。今は俺の体で、痛覚は当然あるんだよな。そうだったそうだった」
わざとらしく、肩を竦めてみせた。
ディオコルトは反論するでもなく、ただ怯え、俺を恐ろしい何かを見るかのように震えていた。
「でも確かお前、痛みも快感とか言ってなかったか? その様子じゃあ、随分と怯えてるみたいじゃないか……」
「ひっ……!」
「……案の定、お前のマゾっけも瘴気……もとい、ダークスのおかげだったんだな」
ダークスとは、いわば滅びの因子である。
乗っ取られた者は邪悪になり、破壊衝動に支配され、破滅へと向かう。
それでも即座に自己破壊に向かわないのは、ダークスそのものに自我がなく、他者に滅びの充足を与える使命があるため。
そう、ヤツらにとって痛みは快感であり、滅びこそ喜び、死にゆく者ほど美しいのだ。
「お前がダークスをどうやって飼い慣らすのかは知らないが、瘴気の肉体を使ったり、憑依した相手の中に瘴気を残している限り、お前にとって痛みが苦痛になることはないわけだな」
「た、頼む。許してくれぇ……」
「……ふざけるな」
……よもや、この期に及んで命乞いとは。
実際のところ、黒くなった偽聖鍵でかかってくるようなら、俺もバトルアライメントチップもパワードスーツも使わず、サシで勝負しようぐらいには思っていた。
だが、ヤツにはそんな根性はなかったようだ。
考えてみれば当たり前かもしれない。
ヤツは痛みを恐れたがゆえに痛みを消し去り、死を恐れるがゆえに不死身になった。
ディオコルトの在り方は、逃げそのものだ。
決して自分自身が強くなろうとは思わず、弱いまま、すべてを自分の下に引きずり落とそうとした。
「お前だけは、俺が手ずから殺す。そう決めてるんだよ」
「ひぃぃっ、お助けぇ……!!」
「安心しろ、今すぐじゃない。これから長い時間をこの牢獄の中で過ごすんだ。そして、いつか来る死に怯え続けるといい……それが、お前の償いだ」
「い、嫌だ! そんなのはあんまりじゃないか! 僕は悪くない……悪くないんだよ。悪いのは世界さ、世界が僕を認めないからぁぁぁっ!!」
「……殺す気すら失せさせやがって」
……こんなくだらないヤツに、俺はずっと……。
自分の罪を受け入れず、罰を恐れ逃げて、償いなんて考えもしない。
正真正銘のクズだ。
こんなヤツよりは自分が幾分マシだと思ったが、これほど最悪な男と比べられるのは嫌だ。
「まあ、いいさ。安心しろよ、お前の大好きな女の子が今日から毎日来るからさ……」
「えっ……?」
おい、こいつ。今、目が輝いたぞ。
ノーテンキだな。
「お前が今まで使い捨ててきた女の子たちだよ。当然魅了は解除済み、お前の魅了も効かないようにしてある。
ほとんどは、お前のことなんか忘れたいって子が多かった。そういう場合は希望に応じて記憶を消してあげたんだけど……一部には、お前を殺したいほど憎んでる子も結構いたんだよ」
「……あ、あああ……っ!!」
「自殺できると思うなよ。ここでは、できないようなシステムになってるんだ。さて、俺はそろそろ行くか」
「待ってくれ! ここから出して……!」
「あばよ、ディオコルト」
俺は構うことなく転移した。
と思ったが、思い直して戻ってきた。
「ぼ、僕を助けてくれる気になったのか!?」
「そんなわけないだろう。いくつか、やり忘れたことがあってな」
「え?」
俺はヤツに向かって右手を構える。
魔法習得オプションを使用。
みるみるうちに、ヤツの姿が元のディオコルトの姿になった。
「あ、え? なに?」
「流石に、俺の姿のままにしておくわけにはいかないからな。姿だけは元に戻してやるよ」
《ポリモルフ》である。
《シェイプチェンジ》と違い、永続効果を持つ変身魔法。
人間をカエルに変えたりする魔法は、これが該当する。
「そして、これが最後だ……」
『俺』は聖鍵を構えた。
「ひぃっ……」
「左から殴るか、右から殴るか、当ててみな」
「やめてくれ……! 殴らないでくれ!」
「そこは、一思いに右でやってくれって言うところだ。ちなみに右はNO NO NO」
「ひ、左なのか?」
「NO NO NO」
「じ、じゃあどこなんだ……まさか真ん中? なんちゃって……」
「YES YES YES」
「え? それってひょっとして……」
「YES YES YES」
「や、やめ……! それだけはぁ!?」
「……魔羅、業・断・剣!!」
ディオコルト、再起……"不能"。




