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箸休め十五品目




それはオレが休憩している時に来た。


『サイト! サイト〜!! どこです〜!?』


「ここだ」


オレはディーヴァに居場所に教えた。

いつもならしばらく必死に捜す様を眺めるだろうが、今日のディーヴァの雰囲気はおかしいと感じた。


オレが呼び掛けると慌てて飛んで来る。


『たたた大変です!! ご主人様が!! ご主人様がぁ〜!!』


取り乱してるな……オレは五月蝿いので手ではたき落とした。


『ぎゃふ!! な、何するです!?』


「落ち着いたか?」


『んなわけないです!!』




困った……全く要領を得ない。

分かるのはアレシアがディーヴァの前からいなくなった……らしい、という事だけだ。


「どうしたんだい?」


ヤニトーか。ディーヴァがあまりに五月蝿いから来たんだろう。


『あ、大変なんです!! ご主人様がいなくなったです!! 連れ去られたです!!』


「本当かい?」




意外にも、ヤニトーには慌てながらも中身ある受け答えをした。


ヤニトーの話術が巧みなのだろう。あいつは数百年は生きているからな。




話をまとめると、ディーヴァはアレシアと離れの村人を観察している内に寝てしまい、起きると村人は全員眠っており、さらにアレシアはいなかった。

ディーヴァとアレシアは何かで繋がりがある為、居場所と健康具合が分かる。今は人より速い、恐らく馬車で移動しており、アレシアは眠っている。


「ディーヴァ。オマエは居場所が分かるんだな?」


『はいです!』


「行くぞ」


『はいです!』


オレはディーヴァを肩に乗せ、魔力を気へとか


「待ちなさい!!」


「オレは急いでるんだ。早く言え」


「君達は人間だ。迂闊には動けまい。さらに食糧は? お金は?」


「だから?」


「……逸る気持ちを抑え切れないようだね。なら、三百待ってくれ」


「……すまない」


「いいんだ」


ヤニトーは去っていった。オレには何故見ず知らずの種族も違うオレ達に親切にするのか分からないな。ま……それに甘えてるオレもオレか。




ヤニトーは約束より早い二百秒で戻って来た。妻のプルチェも連れている。


ヤニトーはオレにオレの鞄を差し出す。


「取り敢えず必要な物は入れておいた。頑張ってくれ」


「サイト! 頑張って!!」


「助かる」


オレは、駆けた。


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