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84、イブキ編 防衛線




『ティン!! ティティティティティティティティティティティティ……!!

キィ……ン……ズガァァァン!!! ゲ……ザ…………ロマデ、コウセ……チュウ……セン……キマセン』


ビームマシンガンの軽快な連射音に、ビームカノンの重厚な炸裂音。


モノクルから大広間で重砲機械兵四個分隊(一個小隊三十体=一個分隊六体×五として計算)が迎え撃つ映像が生で流され、小隊長から通信報告を受けている所です。




あれから重砲機械兵一個小隊を展開し、防衛線である大広間第二通路へAからD分隊の四個分隊、また、大広間と大広間にたどり着くまでに選択しなかった三つの道、大広間第一通路、大広間第三通路、最初の分岐道である分岐右道に各道二体の計一個分隊(E分隊)を無事配置させました。するとその僅か八十三秒後大広間第二通路を、エイリア〇の大群は横幅五メートルもある通路を埋め尽くしながら急接近。


私は、ただちに迎撃を許可。


そして、今に至る訳です。


今の所、大広間第二通路の前に重砲機械兵四個分隊を集中配置していたおかげで、その大火力により進攻を押さえ付けています。しかし、その勢いは未だ衰えていません。単純計算して、毎分二百発の連射性能を持つビームマシンガン二基が二十四……つまり、毎分九千六百発。それに加えてビームカノンで砲撃している筈なのですが……。果たしてどれだけの数が通路の後ろに控えているのでしょうか。おぞましい。




『ズガァァァ……アァアアアアン!!』


「え? 何ですか」


『ティテガァン!! ティティティディン!!』


「…………」


小隊長との通信を試みていましたが、銃撃音の激しさに諦めて小隊長の判断が映像の下にテロップみたいに流れるようにします。機械兵だから可能な事です。


〔ゲンザイオオヒロマデコウセンチュウ。テキ、センメツデキテマセン〕


あ、それだけなんですか。


『でも、結構大丈夫ぽいです?』


「まあ、そうかもですねぇ……」


ディーウァはあの火力に安心しているみたいです。私もそれに同意したいんですが、何かエイ〇アンがこの程度でくたばるような生命体じゃないような気がうっすらとするんです。だから警戒心だけは保つようにしています。


でも、まあ、大丈夫っぽいようですね。




もう、一時間も経ちましたか……。それでも勢い変わらず特攻してくるエイリ〇ンの数には、驚愕と恐怖を与えてきます。


テロップは定期的に流れていますが、変化ない言葉の羅列でいい加減飽きて……お。


〔エイリア〇ジョジョニゲンショウ〕


「ディーウァ、エ〇リアンの勢いがやっと衰えたみたいですよ」


『本当です?』


「えぇ」


『ふわぁ。よかった〜……です』


ディーウァも喜んでいるみたいですが、その性質はホッとした感じのようです。


どうやら私の不安は杞憂だったんですね……ふぅ。


殲滅後はどうしますかね、機械兵中隊を探索に回して出口探しでもさせましょうか。選択兵装として創造するのですから、一度重砲機械兵一個小隊を消してからやらないといけません。ここは面倒な所です。




ピー、ピー、ピー、ピー。


モノクルからのアラート(警告音)。私達に緊張が走ります。


『……な、何です?』


ディーウァの脅えた声を聞きながら、赤く点滅する箇所を確認。点滅しているのは大広間第一、第三……そして分岐右道。


全て!?


既に第一は突破されています。


「小隊長!! 各通路へ応援をお願いします!!」


『ラージャー、ラ……ウワアアアァ〜』


小隊長撃破されました。まずい、立て直さないと……。


「全部隊へ連絡。AからD分隊は防衛線を大広間入口まで後退させ、E分隊は分岐右道へ集結せよ。繰り返す! AからD分隊は大広間入口へ後退! E分隊は分岐右道へ集結!」


モノクル画面を二つに分割。一つを後退中のA分隊の識別番号A−02重砲機械兵のカメラ映像へ、もう一つは分岐右道に配置されている識別番号E−05重砲機械兵のカメラ映像に回します。


く……大広間後退により、A−01、B−03、B−04の三体がやられてしまいました。ただ、防衛線立て直しには成功。大広間入口に後退は完全に終了し、何とか持ち直しています。


問題は、分岐右道。こっちには二体しか配備していないにも関わらず、大広間入口並の〇イリアンの大群です。マシンガンすら焼け石に水状態。射殺した死体をはい上がり、さらにまた射殺され、その死体を盾にまた……そうしてじわりじわりと近付いてきています。


増援は千二百六十二秒(二十一分)後ですが間に合わず、また間に合ったとしても火力不足でしょう。かなりまずいですね。もうエ〇リアンとの距離が五メートル近……あぁ! E−05の左マシンガン融解。E−06が援護に回りますが、むしろエイリア〇殲滅の効率が落ちてさらに接近を許してしまっています。


はあ……行くしかないです。


「ディーウァ……行きましょう。行かないと手遅れに成り兼ねません」


『……い、逝くです?』


「はい」


行かないとこの部屋まで来ちゃいます。いつかはここを出て脱出する予定なんですから、行動可能範囲はあまり減らされるのは困るんです。このままこの部屋に留まってはいられません。


「さあ、ディーウァ息を止めて下さいよ……」


『は、はいです……すぅう〜』


グッ。ディーウァが親指を立てて来ます。私も息を口に貯めて……【絶対零度】解除。


うわ……息止めてても熱風が酷い臭いで鼻孔を刺激してきます。我慢我慢。時間は限られてるんです。


足早に部屋を出ます。あ……銃撃音が聞こえてますね。それにしても先は真っ黒。これが私達の未来を暗示していないといいのですが……。


「はぐれたあ……大変な事になりまふね、ディーウァは私につかまっえてくらはい」


『ふぁいれす』


会話に口の中の空気を大分使ってしまいました。急いでこの悪臭漂う通路を通り抜けてしまいましょう。個人火器モード、飛行ユニット。




通路に出るとしばらくは部屋からぼんやりと光りが届いていましたが、やがて真っ暗に。


モノクルからのマイクロ波映像を通して先へ進みます。しかし、飛ぶのは結構危ないですね。横幅五メートル程しかないのですから、飛行ユニットの翼を可変させ縮めても隙間は二メートル辺りしかないですから……でも、E−05とE−06は五分持つかすら危ういです。


【身体強化】では、間に合わない。


飛ばないと。


急げ急げ急げ。急がなば死す。




そうはいっても、真っ暗の中時速三百キロ以上で飛ぶのはものすごい怖いですよ。冷や汗かきっぱなし。


あぁもう! 何なんですか! 気が付いたらいきなり小部屋に入れられていて、いきなりエイ〇アンに襲われて……うぎゃあぁ。


いい加減にして欲しいものです。




これ以上、私を理不尽な暴力で煩わさないで……。


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