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ヘタレ魔王の英雄烈伝!  作者: 雅敏一世
新章第一幕 東共奪還作戦編
61/124

新章42 謎の腹痛と新たな出会い




NO.58『色欲』の恋模様


 ギルマスに呼び出された翌日、俺は、腹部の耐え難い痛みと共に目が覚めた。いや、この腹痛に起こされたと言った方が正し……いででででで!!!!!


 痛いやばい死ぬ!!! 語彙力? んなもん気にしてる余裕ねぇっての!!! 痛すぎて声もでねぇ。なんだ? なんでこんなに痛いんだ?

なんも心当たりは――




きのうの夜


『なぁ、イナ。お前とルナが作ってくれたこのサラダ、なんか酸っぱくね?』


『そ、そう?あっ、きっとビネガーを入れたからよ!! 腐ってなんてないから安心してどんどん食べなさい!!』



 あれかぁぁぁぁぁ!!! そういやあいつ、サラダひと口も食べてなかったな!! 野菜食べたくないだけかと思ってたけど、腐ってた野菜を処理したかっただけかよ!!!!


「まっはむっねふーん!!! ほっはよ〜!!」

  

 勢いよくドアが開け放たれ、状況をさらに悪化させる元凶が、元気よく挨拶してくる。ノックくらいしろや。とか、なんでエビフライ咥えてんだよ。とか、ツッコミどころを上げればキリがないが、生憎、今の俺にそんな余裕はない。


「真宗くん大丈夫!?」


 俺の体調が悪いことを、察したらしいセリカが、エビフライを丸呑みにしてから駆け寄ってくる。

 あっ、やばい。意識が朦朧としてきた……


「ちゃんと……よくかんでから食べ……ろ」


 セリカが心配そうな声で呼びかけてくる中、俺の意識はここで途絶えた。


♦︎♦︎♦︎


 本日2度目の目覚めだ。そして、覚めると同時に俺は思った。最近、気絶しすぎじゃね?

 いや、たしかに里を出てから死を覚悟した場面も幾度となくあった。だからって、いくらなんでも腹痛で気絶はないだろ。


「んっしょっと。おっ、もう腹痛くないな」


 不甲斐なさに落ち込んでいても仕方がないので、横たえられていたベッドに座り込み、あたりを見回してみると、そこかしこに医療品が置いてあった。

 セリカが医務室らしき場所まで運んでくれたっぽいな。


「ってか、肝心のセリカは一体どこに……」

「まったく、ふざけんじゃないわよ!! なんであたしがあんなクソジジイのために貴重な魔力を供給してやらなきゃいけないのよ!!」


「「あっ」」


 セリカを探しに行こうと、ベッドから降りた瞬間、ドアが開き紺色の髪の毛をした少女が部屋に入ってくる。

 あれ?この人、どっかで見覚えがあるような――


「ふ、不審者……」


「待て待て待て! 早まるな!!! 怪しい者じゃないから!! だからその危なっかしいものを仕舞え!!」


 あっぶねぇ。まさか、カッターナイフで脅される日が来るとはな。


「……って、あんた『色欲』の勇者!?」


「あら、もしかしてうちの隊員の人ですか? もぉ、そうなら早く言ってくださいよぉ〜」


 俺が隊員だと気づいた途端、『色欲』は急に態度を変え、猫撫で声で取り繕おうとしてきた。


「いや、今さらそのキャラ通すのは無理があるだろ」


 ドアを蹴破って入ってきたやつに、ぶりっ子されてもなぁ。むしろさっきより怖いんだけど。


「あ〜あ。最悪。せっかく上手いことやってきてたのにさぁ。……あんた、話したら今度こそこれの餌食になってもらうわよ」


「誰にも話さないって」


 だからカッターナイフをチラつかせるのはやめろ。シンプルに怖いから。

 ってか、医務室で仮にも目の前に患者がいるのにタバコ吸うなや。


 にしても、すごいギャップだな。見た目も声もすごい優しそうなのに、態度と口調だけがガサツだ。

 あぁ、セリカ早く戻ってこないかな。めっちゃ気まずいんだけど。ほら、向こうもすっごい顔で睨んできてるし。


「真宗くん!! おまたせ!! 胃腸薬買ってきたよ!! 置き去りにしちゃってごめんね。医務室にあるかと思ってたらなかったの」


 助け船!! まさか、セリカのこういう空気の読めない登場に、感謝する日が来るとはな。

 そんなことを考えていると、行儀悪く足を組んでいた『色欲』は机についていた肘をずり落とした。


「えっ、お嬢なんでここにいるの!?」


「あっ、シーシャ。久しぶり! 認証式の時以来かな?」


 お嬢? ってか、こいつら知り合いだったのか。……そういえば、セリカって勇者だったな。じゃあ知ってて当たり前か。


「って、真宗? あんたもしかして、大和真宗!?」


「そうだけど? 俺のこと知ってんの?」


「当たり前じゃない。あんた結果有名よ? というか、お嬢の旦那だったのね。ならよかった。お嬢の知り合いなら、遅かれ早かれ素はバレてたし」


 色々、発言にツッコミどころが多いが、とりあえず助かったのか?これで少なくとも、口封じに刺される心配は無くなった……ハズ。


「いや、まだ結婚してないから」


「まだ?」


「ごほん!! それより、俺が有名ってどう言うことだ?」


 やめろ、2人してニヤニヤすんな。ちょっと口が滑っただけなんだからな!


「そりゃ、あの難攻不落なお嬢を落とした男だもの、有名にもなるわよ……って、そうそれよ大和!! あんたに会ったら相談しようと思ってたの!!」


 お、おう。突然すごい気迫だな。


「どうやったら、好きな人に振り向いてもらえるの!?」


………………………………………………………………

To be continued

どもども、遂に1万pvを達成した者、雅敏一世です!!

皆さん本当に、いつも読んでくださりありがとうございます♪

さて今回ですが、一話でまとめる予定が、いつものごとく長くなりそうだったので二話とさせていただきます。また伸びる可能性はありますが(笑)

ではでは、作者はこの辺りで失礼します。

また会いましょー♪

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