第7話(バレエエッセイ第47話)・バレエ公演内容・個別内容3作目
バレエ彗星(原作:たらはかに) ← 小説家になろうのこのサイトで転載、公表するのは本人さまの許可を得ています。
以下は原作そのまま(初出:2022年2月17日:於NOTE)https://note.com/3fujitagourako3/n/nf8554c14b0c4?magazine_key=me48864905a04
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490年に一度、地球にバレエ彗星が接近する。前回接近したのは1533年、バレエが発祥した年とも言われている。天体観測部の私は彗星が飛来するのを楽しみにしていた。
「早く来ないかなぁ、彗星。1日がもっと短くなれば良いのに」
そして2023年、バレエ彗星の接近による地場の影響で人類はバレエを生活に取り入れ始めた。
信号で立ち止まる時は右足のかかとの外側と、左足のかかとの内側がくっついている状態で立つようになった。これはバレエで言う所の三番のポジションだ。
そして信号が青になると、軽やかなステップから両足を大きく開いて飛ぶグランジュッテで横断歩道を渡る。渋谷のスクランブル交差点を渡る人達が一斉にグランジュッテをする姿は壮観であり、信号が変わる度に公演を見ているかのようである。ハチ公はスカートが丸く広がったチュチュと白鳥のカチューシャをつけ、【ハチョ公】に名前が変わった。
「一週間後、バレエ彗星が地球に最接近します」
「あと7日じゃん!」
ニュースキャスターが片足で立ち、後ろ足を伸ばしたアラベスクのポーズでニュースを読み上げた。父さんと私はニュースを見ながらパ・ドゥ・ドゥを踊っていた。
「さて次のニュースです。太平洋の南沖に、非常に巨大な未確認生物が出現しました。総理大臣は緊急会見を行い、非常事態宣言を発令するとともに自衛隊を現地に派遣しました」
映像はアラベスクを第1から第2、第3、と変えていくニュースキャスターから、海の映像に切り替わった。
「まるで巨大な脚のようです」
まるでアーティスティックスイミングのように海から空に向かってまっすぐでしなやかなで巨大な脚が伸びている。天に伸びたつま先から海面までは一キロメートルを越えているようだ。そしてその巨大生物と思われる脚はまるで鞭のようにしならせ動き始めた。
父さんはテレビを見ながら呟いた。
「え?フェッテ?」
フェッテとは、片足を鞭のようにしならせながらターンをしていくバレエの技である。
地球は海から飛び出した自分の足を使って、フェッテを始めた。そして地球は高速で回り始め、1日は2時間になった。
」」」」」」」」」」」」」」」」」(引用終わり)
私が本作を上演したいと思ったのはホラーコメディーについで親子関係で重くなった舞台を最後に明るく締めたい。そしてバレエは改めて楽しいものだと観客に満足してほしい。世界をバレエで覆い尽くすイメージを舞台で表現したい。原作はわたしのバレエに対する世界観を汲み取って、ばちんとはめ込んでくれた良作です。
本作を舞台上演するには、かなりの部分でプロジェクトマッピングが必要。
寝起きの顔洗い、歯磨きの動作をバレエ彗星が近づくにつれバレエの動作で表現して動いていくコメディバレエ。ダンサーには自由に動いてもらう。
最後の地球フェッテは、青い鳥がやり始め最後は皆でやる。幸せの小鳥=青い鳥=地球そのものだという設定。フェッテはやはりバレエの舞台ではクライマックスに必要という認識です。ラストは最高速で。ダンサーは場が進むにつれて早く動かないといけないので忙しい…ふじたごうらこのイメージですが振付師には自由にさせる。
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