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第11話・初めてのレッスン場  △


 はじめて行くバレエレッスン場。知らない土地に行くのと一緒で、ちょっと緊張します。それでも楽しみ。理由はただ一つ。新しい場所で踊れるから。

 迷子になりかけつつ、地図を頼りになんとか到着。すでにレオタード姿の人を見かけて「初めて来ましたが」 と告げる。皆さん、お優しいです。まず更衣室、その次スタジオ、最後にトイレの位置を教えていただく。バレエレッスンの場合はまず着替えてから先生に挨拶することが多い。先生のお顔を見てから、レッスンの参加をどうするかとはならないところがバレエ。

 着替えをすませ、おそるおそるレッスン場に入り、貴重品入りのバッグを所定の場所に置き、先に来た人がバーを用意してくれているので隅っこにちょこんと座ってお茶の入ったペットボトルとタオルを遠慮がちに置く。先生がすでにいらしたら、挨拶。小さいところで受け付けもないところは、その場で先にお金を渡す。

 鏡の位置を確認、それから受講者さんの顔ぶれをざっと見て思う。

 ……ふ……やっぱりここでも私が一番体型が太い……

 ……ふ……やっぱりここでも私が一番の年寄りだ……

 そんなでもバレエがやめられないのは業が深いのだろう……。


 あとは柔軟をしてレッスンに備えて体をほぐす。立ち居振る舞いであの人相当うまいだろうなとわかるので、それとなくマークしておく。私はバレエを見る方も好きだから。中高生で元気いっぱいな子、マダムでも今からやる気まんまんなのもわかるので、その種の人がたくさんいると、活気あるレッスンになりそうだなと思う。その場合、先生もハードなふりつけをする場合が多い。なので、「いや大丈夫か私」「最後まで持ちこたえられるか」 と憂える。最近トシだからという理由でついていけない振り付けがあった場合は、さくっとレッスン現場からフェイドアウト、後ろでそっと見てることが多い。ラク、と思う反面、このまま見るばっかりではダメだろと己にカツを入れてます。








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