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第792話 紗雨と志津梅の激戦!?

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「これは旅の間にみずちオネーサンから学んだ術をアレンジした、サメクモイトの術。おっきなサメとクモが戦ったり、合体する映画を見てピンと来て、温めていた自慢のアイデアなんだサメエ」

「なんてことっ、B級映画にもほどがある!」


 サメの着ぐるみをかぶった銀髪碧眼ぎんぱつへきがんの少女、建速紗雨たけはやさあめと〝完全正義帝国スプラヴェドリーヴォスチ〟に雇われた赤い髪の傭兵、根来志津梅ねごろしづめは、水糸と鉄線で斬り合いつつ、もはやジュシュン村攻防戦の真っ最中であることなど忘れたかのように、激しい口論を続けていた。


「B級を馬鹿にしちゃいけないサメエ。少ない予算でやりくりして、頑張っているんだサメエ!」

「では、紗雨姫……。あなたはサメ映画と並んで粗製濫造そぜいらんぞうされることが多いゾンビ映画や、安っぽいCGで違和感MAXなモンスターパニック映画、大作や人気作にあやかった紛らわしい名前で集客を見込む模倣映画モックバスターにも、同じことが言えますか?」

「もちろんサメエ!」


 志津梅は鉄線を上下左右に投げて森の木々をズタズタに切り刻みながら、舌鋒ぜっぽう鋭く切り込むも……。

 紗雨は水糸を格子状に編んで迎撃して、鉄線をバラバラに引き裂きつつ、精神的にもまるで揺るがない。


「サメ映画が一番好きなことは変わらないけど、どんな映画にも必ず見どころはあるんだサメエ!」

「しまった。紗雨姫ってば、尖った映画の鑑賞が趣味だったんだ。……ごほんごほん。人の趣味それぞれ、失言でした」


 志津梅も人の趣味にケチをつけるのは無礼千万だと反省したのだろう。戦闘中にもかかわらず頭を下げた。


「それにしても紗雨姫は、我らが流派、〝古神流こしんりゅう〟にお詳しいですね。カムロ様が対策を指南されたのですか? ヤタガラス隊の甲賀アカツキ様も使い手と聞きますし、そちらから学ばれたとか?」


 志津梅が知る限り、虐待スレスレの過酷な鍛練が必要な古神流は、クマ国でも極めて習得者の少ないマイナー流派だ。

 極めれば長い鉄線を手足のように操り、文字を媒介にした術で不意を突くなど、護衛や破壊工作に向いた武術だが……、万人向けにはほど遠い。


「むふふ。実は前に、ムラサマちゃんって使い手と戦って負けたことがあるから、対策を練っていたんだサメエ。志津梅さんには悪いけど、待ちに待った汚名挽回おめんばんかいの機会なんだサメエエ!」


 紗雨の猛攻に対して、志津梅は慌てず騒がず対処して、ついでとばかりに忠告した。


「危険な流派なのに、意外に残っているものですね。ところで、紗雨姫。恐縮ですが、一般的には〝汚名返上おめいへんじょう、もしくは〝名誉挽回めいよばんかい〟の方が相応しいかと」

「ちょ、ちょっと間違えちゃっただけなんだサメエエ」


 志津梅は左手で放つ鉄線に加え、背中の葛籠から伸びる人形の腕でひく、南部式自動拳銃と、地面に置いた三丁の二二式村田連発銃という四つの銃器を用いて紗雨に銃弾をあびせた。

 だが〝鬼の力〟が存在する、異世界クマ国や異界迷宮カクリヨにおいて、銃器がもつ最大の強みはあくまで長射程に他ならず、白兵戦の間合いで戦う時点で強みが失われている。


「志津梅さんは確かに強いし怖いけど、ウメダの里で戦ったおでんオネーチャンや、みずちオネーサンみたいなプレッシャーは感じないサメエ!」

あとがき

お読みいただきありがとうございました。

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サメとナ◯スと◯国外交部はフリー素材……
志津梅「カムロ様!紗雨姫の育成方針はどうかと思ういます!」
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