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第93話 ベイスラ領の改善

 貧困街の次に療養所を回り、片っ端から「ヒール」をかけていった。怪我をして労働できないのは勿体ない。実際は広範囲の「エリアヒール」だけど、どんどん怪我人を治していった。


 あちこちで悪事を働いてた店は廃業させたので、代わりに新規開店希望者を広く募り、見所のある人物には協力金を支給した。酒場のあとはまた酒場になったが、店主が変わると全然違う。


~~~~


町の住民の声


「最近の町は綺麗になって、雰囲気も変わったわね」

「そうね。お店に怖い人がいなくなって、安心して行けるわ」

「新しいお店もいいわね」

「スラム街も一掃されて、明るくなったし」

「今度の領主様は凄い方よね」


王都の住民の声


「この前、ベイスラ領に行ったけど、町が一変してたぞ」

「あっちの町から変なのが来なくなったな」

「新しい領主が悪い組織を全滅させたらしい」

「そりゃ、凄いな」

「だって、あの英雄ギルフォード大公だぞ」

「英雄は領地運営の才もあったのか」


――――

――――――


 既にベイスラ領で治安上の大きな心配がなくなったので、レッドとブルーをギースの防衛隊施設に戻し、引き続き軍曹として新入りを訓練するよう指示した。またテネシアとイレーネに隊長、副隊長をやってもらう。短期間で戦力(まともな人間)にしてもらいたいな。


 スラム街からの移住は滞りなく終わり、残った場所はスキルで新品同然の建物に変えた。ここでは町の相談所、お助け所にして、主に、健康上、経済上の問題に対処する。予算は悪党から回収したお宝を使う。健康はまとめて「ヒール」サービスをし、経済は仕事の紹介や補助金を与える。


 ベイスラ領に着任して半年、町は正常に戻った。この間に新しい衛兵隊長も来たし、臨時代官のメネアも正式な代官に就任できた。もう大丈夫だろう。


 インカムの報告によると、島に移住した人もうまくやってるようだ。今回五百人ぐらいの人間が移住したので、島の人口も合計で六千人に増えた。最初は亜人がほとんどだったが、人間の割合も相当増えてきた。


 そう言えば、元帥なので、たまに王城の会議に参加するんだけど、王のすぐ隣の席だよ。あまり話さないけど、王の隣に座っているだけで、周りの大臣や貴族は特別な人間だと認識するみたいだな。実はこれこそが一番の目的かもしれない。防衛大臣に「ベイスラ領の新規の衛兵隊長を早期に呼んでもらいたい」と言ったら数日後に来たし。前のアグラ領の時は相当かかったのに面白いよね。


 会議に出席して分かったが、この国は大臣という役職は全て文官(貴族)のようだ。だから防衛大臣も実は文官(貴族)で、業務の取りまとめはするけど、事務的で役人に近い感じなんだな。道理で現場(兵士)と感覚が違うと思った。現段階では組織を否定するつもりはまったくないけど、改善すべき点があったら、少しずつ意見していこう。


 会議でもベイスラ領の改善を称賛する意見が多数あり、陛下(王様)も微笑んでいたので、これで大丈夫だろう。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 文官、武官、貴族ってあたりの表現がとても異世界的だなと思いました。 つまり現実世界の言葉の定義とまるで違うので意味わからんなと。 文民統制とか、武家・公家あたりの言葉といろいろ取り違え…
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