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第88話 ゾンビ大量発生3

<ロナンダル王国・郊外・ゾンビ防衛前線>


冒険者達の声


「おい、Sランク案件に指定されたってよ」

「俺らBランクの出番は無いな」

「あの『消滅の風火』が来てるぞ!」

「ええ! あの伝説のパーティーか!」

「いくら伝説のパーティーでもSランク案件じゃ、厳しいだろ」

「いや、彼らは大陸で一組しかいないSSランクだぞ……」


 メリッサ姫から念話で多数のゾンビが王都に向かっているとの連絡を受け、ゾンビを迎え撃つことにした。今回もいつもの三人だ。今回は僕たちが戦う前に国家災害級、Sランク案件に指定されたため、僕たちが前面で優先的に戦わせてもらう。他の冒険者や兵士達には後方で待機してもらうことにした。皆、SSランクの戦闘に興味津々の様子。


 前回、対ゾンビ戦を経験しているので、余裕が持てる。おっ! ゾンビが見えてきたぞ。


「来た、来た、さあ、やるか!」


「イレーネ、ゾンビの首と足を切れ!」


「エアカッター!」「エアカッター!」「エアカッター!」


 首と足が切られ、ゾンビが次々と倒れていく。よし、これで前に進めない。並みの風魔法ならせいぜい数人がやっとだろうが、イレーネの風の刃は十メートル以上の大型で一撃で数十人単位のゾンビを屠っていく。首が飛び、足が飛んだゾンビはただの肉片だ。


「テネシア、倒れたゾンビを燃やし尽くせ!」


「ファイヤーストーム!」「ファイヤーストーム!」「ファイヤーストーム!」


 テネシアの火はまさに火炎の竜巻であり、さきほどまでゾンビだったものはただの炭の固まりとなる。でも、このままでは良くないな。


「【収納】!」「【収納】!」「【収納】!」


近くのゾンビはみんな消えた。よし。進むぞ。


 ゾンビはまだまだ、こちらに向かってくるので、切って、燃やして、【収納】しながら、三人で前進していく。後ろの兵士、冒険者のギャラリーはあっけに取られていた。


さあ、このまま国境まで、押し返すぞ。


 三人で国境に向かいつつ、ゾンビを倒していく。ここまで来ると流れ作業だ。たまに脇から一体、二体、洩れるのがいたが、そのぐらいなら、後方の冒険者や兵士で十分対応可能だろう。


 ただ、ゾンビの動きは遅いし、数も多いしで、二人の魔力も少し消耗してきたようだ。


あれを使うか。


「テネシア、イレーネ、この『魔力増大の水晶玉』を握ってみな」

「おおっ! これは回復が早いな!」

「回復薬より早いです!」

「よし、国境に向かおう!」


国境付近まで来るとゾンビの数は減ってきたが、それでも途切れることがない。


「う~ん、このまま帰ると、また来るな。よし! 壁を作るか!」


「【収納】【収納】【収納】【収納】【収納】!」

「【加工】【加工】【加工】【加工】【加工】!」

「【複写】【複写】【複写】【複写】【複写】!」


 国境近くに次々と石壁が積み上がっていく。今回はテネシアとイレーネがいるから凄い楽だ。脇からそれる前に片付けてくれる。順調にどんどん横に広がっていく。もう今回のゾンビは大丈夫だろう。そして、後ろを振り返り。


「今回のゾンビはこれで大丈夫でしょう。しかし、今後もゾンビが発生するかもしれません。念のため、国境の壁を延ばしていきます」


すると部隊長が


「どこまで壁をつくられるのでしょうか?」


と聞いてきたので


「発生源はウラバダ王国なので、ウラバダ王国との国境全部につくりますよ」


 そう答えたら、腰を抜かしていた。二度とゾンビはいやだからね。今回こんな大きなことが言えたのにはわけがある。そうあの水晶玉だ。あれがあればいけるんじゃないかな。


 あとは僕の工作タイムとなった。目的が解決したので、多くの人は撤退したが、国境付近ということで、兵士の一部と、なぜか多くの冒険者がついてきた。


「こんな大魔法、見たことないぞ!!」

「人間業じゃない!!」

「SSランクってこんなに凄いのか……」

「格が違う……」

「さすが伝説のパーティー『消滅の風火』だ」


 工作タイムに専念できるので、戦闘力のある人に見守ってもらうのは悪くないけどね。しかし、距離が長すぎだな。もっとペースをあげたい。水晶玉を持ちながら、やってみるか。


「【収納】【収納】【収納】【収納】【収納】!」

「【加工】【加工】【加工】【加工】【加工】!」

「【複写】【複写】【複写】【複写】【複写】!」


一気に視界の果てまで壁ができてしまった。


「おおおおおーーーーー!!」

「なんだ! これはーーーーー!!」


ギャラリーが絶叫する。そろそろ、うるさくなってきたので。


「【飛行】!」


「おおおおおーーーーー!!」


 この後、飛行しながら、壁を作ったら、ギャラリーはいなくなっていたが、テネシアとイレーネは護衛でずっとついて来てくれた。時間がかかったが、ロナンダル王国との全国境に防壁をつくった。しかしこの水晶玉凄すぎだ。どこから湧いてくるのか知らないけど、魔力がずっと溢れてくる。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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