第84話 新たな島の特産品
シャイネル公爵にダンジョン踏破の話をしている際、剣の話になったので、僕の剣を見せたら、ぜひ欲しいという話になった。実は商会はロナンダル王国の御用達商会で外国に武器の販売を禁じられている。買ってくれるならぜひ売りたいがどうしよう。あっそうだ!
「それなら、商会でなくて、島である公国から直接購入というのはどうでしょう。公国は通商、外交が一任されてますし、商会を通さなければ、いけそうです」
「それなら公国から直接買います」
「ただし、こそこそやるのは気が引けますので、本国に話を通してからにします」
「良いお返事を期待してます」
よし、今度は王様だ。メリッサ姫に念話してと。
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王城でガロル王、ザイス筆頭大臣、メリッサ姫と同席。
「実はバナン王国より、公国(島)から剣の購入希望で出ました。公国は本国から通商、外交を一任されておりますが、武器ということでしたので、念のため確認に参りました」
ガロル王が腕組みし、ザイス筆頭大臣は思案顔、メリッサ姫は興味深げ。
「ザイス大臣どう思う」
「……基本的には、公国の判断でしょうが、武器は我が国の国防にも絡みますので、一定の制限があった方がよろしいかと」
「そうじゃな。いくら公国に一任してるとは言え、無制限は難しいな」
王と大臣の様子から制限ありなら大丈夫そうに思えた。
「それでしたら、ロナンダル王国の国防に配慮し、数に制限をかけます。実はバナン王国にダンジョンがございまして、主にそこの冒険者向けの剣なんです」
「ほう、ダンジョンとな」
「実は私がそこのダンジョンを初めて踏破し、評判が上がってしまい、剣も注目されてしまったのです」
「そんなに凄い剣なのか?」
「はい、ただし、販売用の剣はそこまでの材質にはしない予定です」
「まあ、それなら大丈夫かの。販売した剣の数は本国にも報告してもらいたいぞ」
「わかりました。それと今回は公国が直接販売します。商会は一切タッチしませんので、ご安心下さい」
「それならなお、安心じゃの」
その後、思い付きで、ダンジョンで回収したミスリルの大きな塊を綺麗なオブジェに【加工】して王家に献上したら、王も大臣も驚いた。最近は王宮でもスキルを隠さず使えるので、気が楽だ。最後はいつものように姫様と談話し、ダンジョン踏破で盛り上がった。さて、次は。
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島の館へ、ドワーフの職人さんたちを招いて、役員会議をした。
「バナン王国より剣の購入依頼が来た。ぜひ島の特産品にしたいので、剣の増産を頼みたい」
ドワーフ職人たちはウラバダ王国で腕のいい剣の職人だった。ここに来てからは防衛隊の剣や生活用の包丁等をつくっていたが、手持ち無沙汰だったのだろう。手放しに喜んでいた。
「しかし、剣の材料、鉄鉱石が足りません」
「それなら、大丈夫、僕がいくらでも用意しよう」
その後、ドワーフさん達の工房を見せてもらって、要望を聞きながら、設備類を【加工】スキルで一新した。そして倉庫に連れていってもらい【取出し】【加工】
「うわあ、これは!」
倉庫一杯に鉄鉱石が現れ、目の前でそれを鉄鋼にする。
「輸出には数量制限と品質制限がある。一応、この剣をサンプルに置いておくので、この品質を上回らないよう頼む」
そう言って、サンプルに【加工】(品質改善)で作った剣を置いた。さあ、これで島の特産品が増えた。その後、シャイネル公爵に報告し、数量制限、品質制限も了解してもらった。
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