第82話 鉱山ダンジョン2
「あれはスライムだ!」
ダンジョンで最初に現れたのはスライムだった。金属系の魔物と聞いていたので、イメージと違ったが、最初はこんなものだろ。
「蹴散らせ!」
二人が剣でスパスパ切りきざむ。スライムは物理攻撃に耐性があるようだが、なんども切っているうちに動かなくなった。よし、目立たないように……
「【収納】!」
さらに進むとまたスライムが現れた。しかし今度は何か変だな……
「銀色のスライムだ!」
「【鑑定】! これは、マテリアルスライムだ!」
二人が剣で切り刻むが、すぐくっ付いて再生する。大した攻撃力はないみたいだけど、時間がかかるな……しかも集まってきてるし。でも、素材には良さそうだな。周りに人がいないことを確認してから……
「【収納】!」
前方のマテリアルスライムが消滅。後方の冒険者の大半がここで足止めをくらい、引き返していた。対応に時間がかかると足にもくっついて前に進めなくなるんだな。よし、次だ。
前の方で冒険者が格闘している。大きな爬虫類、トカゲか?
「【鑑定】! マテリアルリザードだ」
その冒険者がマテリアルリザードを何度も剣で攻撃しているが、まったく剣が効かない。そして、ついにマテリアルリザードに押し倒されてしまった。
「危ない! 二人とも、やれ!」
二人が剣で切りかかると、マテリアルリザードが八つ裂きに。先ほどのマテリアルスライムでの消耗戦に鬱憤がたまっていたのだろう。せいせいした表情だ。
先に戦っていた冒険者は倒れた時に頭を打っていたのか気絶している。よく見たら。ギルド前で声をかけてきた男だった。そのままにしておこう。とりあえずマテリアルリザードを収納してと。
その後はアイアンリザード、シルバーリザードが続いた。そして下にいくほど数が増えてきた。でも、そんなことお構いなしに二人がスパスパ切っていく。相当楽しんでるようだ。さすが最高品質の剣だけある。二人が通った後は大量の屍が発生したが、ホクホク顔で【収納】したのは言うまでもない。素材の山だからね。
「しかし、主、この剣は本当に凄いな」
「面白いように切れます」
「剣が傷んだら言ってくれ、予備もあるからな」
だいぶ奥まで来たな。もうまわりに他の冒険者の姿は見えない。ここからはギアを上げていこう。しばらくすると大きなトカゲが道を塞ぎ、こちらを睨みつけていた。
「【鑑定】! ミスリルリザードだ! 二人ともやれ!」
二人が剣で切りかかるが
カチーン!! 「あれっ!」
先ほどまでのように切れない。こいつは相当硬いようだ。
「なんだ! こいつは!」
「硬すぎです!」
しかしまったく切れないわけでなく、少しずつ追い詰めてゆく。ところがそこへ、仲間が三匹現れ形勢が逆転していく。前に進めない。あっ! ミスリルリザードが頑丈な長い尾で攻撃してきた!
「【身体硬化】【結界】!」
バツーン!!
直前で攻撃を防いだが、尾の直撃を受けて、近くの壁が崩れた。あれをまともに食らったら、ひとたまりもない。四匹のミスリルリザード、こいつは強敵だ。【収納】を使えば終わってしまうが、生きたままだと素材利用できない。しかたない。
「【スリープ】!」
四匹とも、その場で倒れた。あとは二人にとどめをさしてもらう。さあ、次だ。
ここまで来たら、もう他の冒険者と出くわすこともないだろう。さらにギアを上げていく。
しばらくすると前方から、カサカサとざわめいた音がしてきた。何かいるな。
大量の黒い蝙蝠だ!
「【鑑定】! キラーバット、噛みついて、酸性の毒で溶かすか…… 近接戦闘は避けた方がいいな」
ここなら、もういいだろ
「テネシア、イレーネ、魔法解禁だ!」
「待ってました!」
「行きますわ!」
二人は目を合わせて、一斉に火魔法と風魔法を手加減無しで放出した。
「これは凄い!」
ただでさえ、テネシアの火魔法の威力は凄まじいが、これにイレーネの風魔法が加わったことにより、火の竜巻がうなりとなって蝙蝠の魔物を焼き尽くしていく。前方の洞窟が炎の爆流で満たされた。そして灰だけが残る。
この後もキラーバットが大量に襲ってきたが、二人が容赦なく燃やしつくした。もうだいぶ奥まできたな。そろそろ最奥じゃないだろうか。それにしても火と風の合わせ技は凄まじいな。普段の練習では危な過ぎて禁止してるが、ここぞという時の破壊力は最高だ。
そして、狭い道から広い空洞のような場所に出た。
「ここで、行き止まりだな」
「ダンジョン踏破か!」
「やりましたね!」
しかし、その瞬間、近くの壁が崩れてきた。
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