第8話 魔物討伐
土、石、木、金属と物理的な素材は大体入手できたので、いよいよ、生物素材だ。これが入手できれば物づくりの幅が一気に広がる。物理的な素材は家、家具、武器などのハードなものにはいいが、衣類や日用品では伸縮するソフトな素材が必要だ。一応、シカやうさぎの毛皮も収納してるが、もっと丈夫な素材、多様な素材も欲しいところ。
「よし、【転移】!」
三人で一気に山の奥側に行く。ゴブリンが発生したあたりで、あれから数日たってるが、死肉に惹かれて来る魔物を狙って、木の枝で待機することにした。
「さあ、どんな魔物が来るかな」
「素材目的だから、テネシアは火魔法無しで頼むよ」
「ううむ、しかたない。その代わり土魔法を使うぞ」
「土魔法も使えるのか!」
「まあ、奥の手だな」
「イレーネは風魔法をどんどん使っていいよ」
「実は水魔法も使えます。汚れたら綺麗にしますね」
「二人の魔法が楽しみだ」
そんな話をしていると、何やら近づいてくる。
さそりの魔物、マッドスコーピオン(猛毒、刺す)
蛇の魔物、ダークサーペント(猛毒、絞める)
蜘蛛の魔物、デビルスパイダー(猛毒、糸で拘束)
その他にもワラワラ出てきた。このあたりは魔物図鑑にあったな。
「遠方から火魔法が一番なんだけどな……」
「駄目だよ! 今回は素材回収だからね」
「でも近接戦だと毒やら拘束で危険だな」
「じゃ弓と魔法でいきますか」
そう言うやいなや、イレーネが矢を次々に発射する。イレーネの矢は敵の急所を確実に狙い、一発で仕留めていく。そして弓の死角に入った敵には風魔法「エアカッター」で切り刻んでいく。相当減ったはずだが、死肉がさらなる魔物を呼んでるようで、大型のトカゲの魔物も集まってきた。
これは毒がないので、テネシアが待ってましたと飛び出し、剣で戦う。大きいが動きはさほど速くないので、テネシアは余裕で倒していく。トカゲや蛇の皮はいい素材になりそうだ。しかし、結構な数が集まってきた。今のうちに素材の回収を始めるか。
「【収納】【収納】【収納】!」
二人が倒した魔物を収納していく。今さらだが、本当に便利なスキルだ。
そろそろ終わりにしようと思っていたところ、オーガが集団で登場してきた。
「これは厄介だな。引き上げるぞ」
しかしテネシアがトカゲ退治に夢中で聞こえていない。
「おい、帰るよ! こっちに来て!」
やっと耳に入ったが、前をトカゲ、後ろをオーガに挟まれてしまった。しかしテネシアは慌てる様子もなく、後ろを振り返って
「アースバインド!」
オーガの足元の土がみるみるドロドロになって下半身が埋まっていく。身動きが取れなくなったオーガを飛び越え、余裕の表情で戻ってきた。
「はい、帰ろ」
「じゃ、【転移】!」
帰宅し、収納内を確認したところ、数十種類の魔物の素材が入っていた。これだけあればいろいろ使えるだろう。早速、イレーネの弓を【複写】して、予備を作ってあげた。収納内で素材を分別分解できるので、分子レベルから再構築してしまう。
そして、頭の中では次の物づくりのイメージが浮かんでいたが、同時に「このままでいいのか?」という思いも強くなってきた。せっかく物を作ったなら多くの人に見てもらいたいし、利用してもらいたい。そろそろ次のステージを考える時期が来たのかもしれないな。スキル向上が僕の抑えていた好奇心に火を付けてくれたようだ。
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