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第78話 大公城

 王から大公爵位を賜った際、姫様の居住先を本土にしてほしいという要望があったので、どこにするか考えてたけど、ギースの港町にすることにした。ここは海や港の景色が楽しめるし、島にも行きやすい。ギースの港町で、海が見える適当な場所を探していたが、良さそうな場所があったので、【収納】【加工】【複写】スキルをフル活用して、夜中のうちに城を作った。姫様が入居されるまで、まだ間があるけど、一度、お城のお披露目会でもしようかな。


「なんだ、あれは!!」

「うわあ、いつの間にか城が出来上がってる!」

「大公様のお城らしいよ」

「大公様は奇跡の力をお持ちらしい!」

「大公様の一夜城だ!!」


 朝から港町の住民が驚愕の声を上げている。一応、大公爵の城ということで大公城と呼ぼう。さて、商会本館のメラルに念話だ。ギースに来てもらおう。


(メラル君、今、大丈夫かい)

(会長、お疲れ様です。いかがなされましたか?)

(ちょっと、こっちに来れる?)

(かしこまりました)


「……立派なお城ですね」

「それで、城の宝飾品や家具、備品類、馬車等、必要なもの、一式頼むよ」

「……結構な費用になりそうですが」

「僕が全部負担するから、気にしないでいいよ。お金はたくさんあるから」

「わかりました」

「準備できたら、姫様や、貴族達に城のお披露目会をしようと思う」


ギースの領主邸


「リミア君、お城が完成した」

「問い合わせがたくさん来てます」

「あそこは大公爵のお城、大公城と呼ぶ。大公が特別な力を使ったと説明していい」

「はい、わかりました」

「君には念話グッズを渡していたけど、転移グッズも渡すことにする。今後、僕の生活拠点をお城に移していくから、何かあれば、お城に転移してもらって構わない。これから転移グッズの説明をしよう」


 城を作るとき、大きさに注意した。王城より大きいとさすがに不味いので、それより小さめに、逆に他の貴族よりは大きめに、これが意外に気を使った。今回もサンプル取りに国内、国外問わず、多数のお城を見て回った。大きさに制限があった分、外観にこだわった。今回は【加工】スキルを駆使して新品のようにした。


~ギースの領主邸~


バイアス執事に人材の手配を頼もう。


「バイアス、今後、生活の拠点をお城に移すから準備をしてほしい。君をお城のメインの執事にするから、必要な人材を集めてくれ」

「こちらはどうなさいますか?」

「リミア代官の業務がメインになるが、使用人の人数はうまく分割調整してほしい。それと準備ができたら、姫様や貴族達にお披露目会をするから、料理の準備も頼んだよ」


~大公城~


 今、お城の中から、外を見ている。海が広がって絶景だ。ただし、津波を警戒して、ある程度は海から離してるし、高台にある。しかし城が立派で、防壁もあったりして、ここだと住民は来づらいだろう。対住民の仕事は領主邸、貴族相手は大公城と使い分けよう。


姫様へも、一報入れておくか。念話しよう。


(姫様、アレスです。今、大丈夫でしょうか?)

(あっ! アレス様、どうされましたか?)

(実は私の力でギースにお城をつくりました)

(まあ、そうですの!)

(それで一度、姫様や他の貴族へお披露目会を開催したいのですが、マナーや出席者リスト等、いろいろお教え願います)

(会って、直接お話しした方がいいと思います)

(今から、伺って大丈夫でしょうか?)

(どうぞお待ちしております)


 その後、姫様にお披露目会に向けて、いろいろ教わった。やはり貴族の流儀は姫様に聞くのが一番だな。


――――

――――――


<大公城・お披露目会>


 本日、お城のお披露目会をする。姫様と相談し、全ての王族と貴族に案内状を出したけど、リストだけ渡して、案内状の作成はバイアス執事とリミア代官にほぼ投げた。家具、調度品、宝飾品等は商会のメラルが何とかした。前にも話したけど、いくら生産スキルがあっても、美的感覚だけはどうしようもないからね。大公城から海や港町が一望できるので、できれば多くの人に見てほしい。


 城のお披露目会なので、開催時間は午後三時ぐらいにした。皆さんが到着されたら、一休みして頂いて、海が見える広いテラスでのんびり、室内にはお茶と軽食でおもてなし。この間に精力的に顔を売って回った。こちらサイドの出席者は僕の他、テネシア、イレーネ、代官のリミア、代官のパルラ、商会のメラル、バーモ、マーク、ライサ、島の役員は、ミア、インカム、ミャオ、ボルグ、ビンテス、ガイン達だ。


 これから夜の宴を開くが、王族、貴族がほとんど集まってしまった。当然、王様もだ。二つの国を救った英雄だとか、不思議な力を使える等と皆が口々に話している。このお城を一夜で完成させたことも普通に広がってる。そろそろ挨拶するか。


「皆様、本日は遠路はるばるお越し頂き誠にありがとうございます。大公爵位を授かり、その名に負けぬような城を完成させましたので、お披露目会を開催することになりました」


 その後、ガロル王と婚約者であるメリッサ姫にもご挨拶を頂いた。そして会場一同で乾杯の盃を上げて、その後、王族と挨拶。それが終わると貴族が一斉に列を作って僕の前に集まってきた。


「大公様、素晴らしいお城ですな」

「以前よりギースの街並みが綺麗になってびっくりです」

「救国の武勇伝をぜひ聞かせて頂きたい」

「なんでもこのお城は一夜で建てたとか? にわかに信じられませんが」

「ここは海産物が美味しいですね」

「テラスが絶景でした」


等々、しかし酔いが進むと……


「貴族で、商人で、冒険者? 大公様は何者なのですか? ひっく」

「大公様は女性にご興味はありませんか? うちの娘が年ごろで」

「大公様は空を飛べるって本当ですか?」

「大公様は何者ですか?」


 大公と言っても、まだ若いので、酔いが回るとずけずけ聞いてくる。なので全部、正直に話した。


「私はいたって普通の人間ですよ」

「いえ、私は婚約者がおりますから」

「ええ、飛べますよ」

「ですから普通の人間ですよ。人と変わった力がありますが」


どんなことを聞かれても正直でいいから、以前ほど気を使わなくて済む。でも


「この場で飛べますか?」

「魔物を倒した魔法を見せて下さい」


 みたいのは丁重にお断りした。僕は見世物じゃないからね。でもこういう宴って、人間の本性が垣間見えるなぁ。なんか貴族って表裏凄そう。


テラスから海を眺めていると、メリッサ姫が近づいてきて


「こちらのお城も素晴らしいですね。早く来たいですわ」


 良かった。気に入られたようだ。姫との結婚まで、あと一年を切った。引き続き領地運営を固めていこう。今回のお披露目会は大成功だな。島と商会のいい宣伝にもなった。


 そう言えば、隣国バナン王国のシャイネル公爵が島の主力商品である回復薬に大変興味を持たれていた。定期航路を開くチャンスになるかも。貴族のどなたかの付き添いで来られたようだ。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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