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第75話 SSランク冒険者

 アグラ領内を積極的に飛び回る日々、領主邸のソファで休憩中、冒険者カードを見ながら。


「SSランクかぁ……」



~~回想シーン~~


あれはハロル王国にある総ギルドマスターと会ったときだな。


「ギルフォード公爵様、お初にお目にかかります。私が総ギルドマスターです。今回はキラービーを討伐されたことを評価し、SSランクへアップさせて頂きたく存じます」


「えっ! ついこの前、Sランクになったばかりですよ」


「いいえ、公爵様、キラービーは単体でBランク案件ですが、集団だとSランクに跳ね上がります。しかも前回SSランク相当のクイーンキラービーまで倒されてると聞きました。本来の実力なら前回でSSランクに達していたのですが、SSランクは国際的な活躍、つまり複数の国でのSランク案件遂行が条件にございました。今回、その条件もクリアしましたので、ランクアップになりました」


「SSランクになった場合の制約はあるんですか?」


「はい、今回のような災害案件がございましたら、またご対応をお願いします」


「う~ん、現在、領主運営をしているので、いつでも便利に呼び出されると困るなぁ……」


「それは大丈夫です。SないしSS級災害と判断した場合のみですし、いきなり要請しません。先ずはA~Dランクに要請します」


「今回、王女様が直接、依頼に来られましたが」


「他国の公爵ということで礼を尽くされたようです。Sランクは、他国案件は断れますので」


「SSランク冒険者は他国案件も要請が来るのですか?」


「はい、しかし各国複数のギルドで混乱しないよう、SSランク案件は総ギルドマスターが統括します」


「分かりやすく言えば、Sランク案件はギルドマスター、SSランク案件は総ギルドマスターから要請が来るのですね」


「その通りです。それと各支店のギルド長はまずA~Dランクに要請しますが、逆を言えばそのレベルの案件なら引き受ける義務がないです。平時なら自由に他の活動が可能です」


~~回想終了~~~



まあ、SかSSランク案件がなければ大丈夫か……んっ、念話か。


(会長、今、大丈夫でしょうか。商会本館のメラルです)

(おお、どうした?)


(実は、またハロル王国の支店に王様から会長との面談依頼が来てまして……)


(……またか、一度、顔を出したんだけどな)

(あの時のお礼をぜひしたいと)

(すでに結構な額のお礼をもらってるのにな……)


(向こうの王女様もぜひお会いしたいとか)

(転移スキルを知られてしまったから、言い訳しづらいんだよな……)

(向こうに支店もございますので、適当に顔出しだけでも……)

(……分かったよ)


――――

――――――


ここはロナンダル王国の王城、執務室

ガロル王とザイス筆頭大臣が会談している。


「陛下、間者スパイの報告によると、キラービー襲撃から王都を救済して以降、ハロル国王がギルフォード公爵へ接近を図ってる模様です。第三王女も公爵に好感を持ったようです……」


「なに! ハロル国王がギルフォード公爵に接近を図ってるとな!」


「はい、恐らく取り込こもうとしてるかと……」


「う~む、これは不味いなぁ……」


「ギルフォード公爵はメリッサ王女様と婚約されてますし、熱心に領地運営されてる模様です。おそらく翻意はないと思いますが……」


「ギルフォード公爵をこちら側に引き付けておくよう、何か策はないかな?」


「……それでしたら、あの島をギルフォード公爵に与えたら、どうでしょう。あの島は発展途上、物々交換主流、亜人多数の国で運営が特殊ですし、経済も赤字でギルフォード公爵の負担で成り立ってるようなものです。我が国が所有してもデメリットしかありません」


「わしもそう思う。しかし、それだけだと現状とあまり変わらないのでは?」


「我が国の懐を傷めず、ギルフォード公爵にメリットを感じさせる腹案がございます」


「しかもこの案だとギルフォード公爵を島の方に気持ちを向けさせ、嫁がれる王女様にも間接的にメリットになります」


二人が会談した後、王と大臣は慌ただしく準備に入った。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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