第74話 亜空間廃棄
今日もアグラ領内を視察で飛び回っている。【飛行】スキルを使っているから、文字通り「飛び回っている」状態だ。領民が驚くと困るので、飛行中は【隠蔽】スキルを使用し、何かあったら、降りて【隠蔽】を外し、対応する日々が続いている。中心街は新しくなった衛兵隊に任せてるが、広い郊外、境界付近は飛びまわった方が早い。大きな問題点(魔物・盗賊・奇病)は解決したので、現在は村民達の農業支援が大きい。
「あっ、あそこでおばあさんが一人で畑作業やってるな。声をかけてみようか」
地上に降りて、近づく。
「おばあさん、畑作業、ご苦労様です。一人で耕してるんですか?」
「ええ、息子が出ていってしまって、一人なんですよ」
「ちょっと待って下さい」
物陰にいったん隠れ、一人の男を連れてくる。
「この人は農作業を手伝ってくれます。どうぞ頼んで下さい」
「えっ、いいんですか?」
「はい、だいじょうぶです」
「おい、このおばあさんの農作業をしっかり手伝えよ」
「はい、わかりました」
さあ、次行こう。
「今度は手作業してるな」
「道具はないんですか?
「お金が無くて買う余裕がないんです」
「これをお使い下さい」
「えっいいんですか?」
「どうぞ、どうぞ、農作業がんばってください」
さあ、次行こう。
あそこの人は腰を痛めてそうだな。
「こんにちは」
「あっ、こんにちは」
「腰の調子が悪いんですか?」
「長年の農作業で痛めてしまって……」
「ちょっといいですか、【ハイヒール】!」
「あれ、腰が痛くない!」
「農作業がんばって下さい」
あれっ、あそこの親子、何してるんだ?
「どうされましたか?」
「実は農作物を荷台で運んでたら、車輪が壊れてしまいまして……」
「見せて下さい。【加工】!」
「えっ!」
「これで直りました」
ふう、ちょっと休憩、領主邸に戻ろう。
休憩中に、先日【収納】したキラービーについて考える。
「収納した素材は取出し、加工、複写に利用して、いずれ外に出すつもりだけど、あのキラービーどうするかな……」
「無生物は分解・再構築して活用できるけど、生物はそのままの状態なんだよね」
「かと言って、あの数を生きたまま出したら、大変だよな……しかも魔法耐性のあるクイーンキラービーまでいるし……あれは本当の化け物だからな」
「中に入れたまま、廃棄できたらいいのに……」
すると頭にスキルレベルアップのイメージが出た!
【収納】レベル4(亜空間廃棄)
よし、やってみるか!
「収納されているキラービー【亜空間廃棄】!」
すると収納内のキラービーの在庫がゼロになった。
「よし!うまくいった。しかし、亜空間って、何だろな??」
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