第70話 アグラ領の魔物討伐3
「昨日いた場所に【転移】!」
昨日の最終地点に三人が到着。これから森の最奥を目指す。森と言っても山で、その山を越えて、下りになってきている。森はまだまだ続くが、この先はロナンダル王国との国境付近なので、適当なところで切り上げるつもり。今日は【飛行】【隠蔽】【念話】を使用してるが、今のところ大した魔物は出ておらず、都度、イレーネが風魔法で刈っている。
(昨日でほとんど狩りつくしちゃっかな)
(飛行だと楽だな)
(雑魚ばかりですね)
昨日だけで、一万体以上の魔物を狩っており、さらに森の最奥を目指しているが、大したのは出てこないな。このまま行くと国境近くになるな。正確な国境ラインは知らないけど、ここは足場が相当悪く、徒歩の越境は困難だろう。切り立った崖もあちこちある。もうそろそろ切り上げるかな……
(主、あそこに洞穴があるぞ!)
なんだ、これは? 三人で洞穴の前に立つ。中が真っ暗だ。よし【千里眼】スキルで中を見よう。視点が洞窟に入ったが、真っ暗で見えない。脳内イメージは現地の状況そのままだからな……
(しかたない。中に入るか……)
テネシアに小さな火をつけてもらい、中に入る。
(結構、深いな。まだ続く。テネシア、魔物がいたら一発お見舞いしてやれ)
(あいよ)
(なんか妙な穴ですね)
外から見たら、ただの洞穴に見えたが、地面が踏み馴らした感じがする。すると……
(前に何かいるぞ!)
(とぐろを巻いてる……)
目の前に巨大な蛇がいた! 但し、とぐろを巻いて眠っている。ここは大蛇の巣だった。
(やるか!)
(ちょっと待て)
姿は恐ろしい蛇だが、なぜか邪な感じがしない。蛇と話せたらな……あっ! 【動物会話】スキルがあった。試してみるか。体を少し叩くと蛇が目を開けた。
(蛇さん、蛇さん、巣の中に入ってごめんなさい。私の言葉が分かりますか?)
(……ここは私の家だ。出ていけ)
(あなたは山から出て、人間を襲ったことはありますか?)
(この付近は私のなわばりだ。なわばりからは出ない)
(それでは自分から人間を襲ったり、食べたりしたことは無いんですね)
(いろいろ飲み込んだから、よくわからない。なわばりに入ったら食べる)
(なわばりに入って、ごめんなさい。すぐ出ます)
【動物会話】解除
(ここは大丈夫だ。テネシア、イレーネ、すぐ出よう)
これで魔物討伐は終わった。大蛇は人里からずっと離れてるし、そもそも人が簡単に近づける場所でもないから大丈夫だろう。その後、村長さんとギルドに報告したが、全滅させたと言ったら、あっけにとられていた。さて次の仕事だ。
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