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第69話 アグラ領の魔物討伐2

 三人で【隠蔽】【飛行】スキルを使い、森の中に入った。魔物を発見次第、討伐していく。二人には魔力切れ対策に回復薬をたくさん渡した。さあ、行くぞ!


 長丁場を予想し、最初はイレーネの風魔法を主力とすることにした。おっと。いきなりゴブリンが十体。


「エアカッター!」


 風の刃でゴブリンが面白いようにスパスパ切られていく。今回の攻撃は【隠蔽】スキルを使っているので、ゴブリンは相手が誰かもわからず、キョロキョロしながら、倒されていく。


お、今度はゴブリン三十体。


「エアカッター! エアカッター! エアカッター!」


連発で次々ゴブリンが血まみれで倒れる。完全に一方的な攻撃だ。


 この後も、イレーネに頑張ってもらい、ゴブリンやオークを屠っていった。あまりにも手持ちぶさただったので、倒された魔物を【収納】し、素材回収に励むことにした。【収納】スキルのレベルが向上し、分子レベルにまで分解されて収納されるので、ゴブリン素材でもタンパク質やアミノ酸等から再構築して、【加工】の際、食物や衣類も作れるからだ。どんな物でも素材になる。


 今回、テネシアの火魔法を後半にしたのは、魔物が警戒して逃げないようにするためというのもある。森の入り口付近で火がついたら、村人も驚くだろう。


 「エアーインパクト! エアーインパクト!」


今度は空気の塊をぶつけて倒す。ゴブリン程度なら十分な威力だろう。うまく省エネしてきたな。


「ウィンドアロー!」


一匹だけの時はさらに省エネで一点攻撃か。うまいね。今度はオーガが五体か。


「サファケイト!」


 これは珍しいな。空気を操り、窒息させる魔法か……オーガ達がのたうち回っている。しばらくしたら動かなくなったが、少し時間がかかる魔法だな。完全に練習だ。


 そんな感じで、イレーネ一人で森の中央付近まで狩りまくった。後半は練習みたいだったな。それにしても【隠蔽】スキルは凄まじい。これを会戦で使ったら、戦争の概念が一変するだろうな。極端な話、隔離した空間なら一人で百人でも倒せてしまう。しかし、ここまで巣が無いな。本拠地はもっと奥だろう。


「ここからなら、もういいだろう」


森の前半を片付け、奥に入り、村からも見えなくなった。


「テネシア、交代だ!」

「あいよ!」


 森の奥に入り、先ほどより薄暗くなる。しばらく行くとガヤガヤ音がしてきたので、近づくと、ゴブリンの集落だった。ついに見つけた。しかし、これは何だ。千体以上はいるだろう。


【飛行】スキルでテネシアが集落の中央真上に飛んだ。これまでまったく魔法を発動してないテネシアはエネルギー満タン状態だ。いけ――!!


「インフェルノ――――!!!」


 最上級火魔法だ。範囲内を灼熱火炎地獄にし、ゴブリン達が次々と燃え上がっていく。上空から凄まじい熱風。離れていてもかなり熱い。あれが直撃したら、ひとたまりもないだろう。集落は木材であっと言う間に火が広がる。この魔法の怖いところは一発で広範囲に広がり、逃げられないこと。しばらくして、ゴブリンの村は消し炭となった。


 テネシアの火魔法が周囲にどんどん広がっていくので、昔、船旅の時、大量に海水を【収納】していたことを思いだし、上から飛行しながら、水を【取出し】て、消火した。イレーネが水魔法で消そうとしたが、休ませた。【取出し】って、実は魔力をあまり使わない。それどころか、【収納】内の維持が減るので、気分的にすっきりする。


 その後も、オーガやオークの集落を燃やし尽くしていったが、改めて火魔法の恐ろしさを実感した。しかも上級魔法を連発してるし、竜人の魔力は相当高いんだろう。


 移動中、マッドベアが出たので、僕が【スリープ】【収納】スキルでサクッと回収した。この毛皮は高く売れるので、王都のギルドに納入しよう。だいたい片付いたかな?


「主、もう何も出てこなくなったな」

「暗くなってきましたね」


 気づけば、暗い。狩りつくしたし、いい潮時だけど、「もっと奥に何かいるかも?」と疑念は残っていたが……また明日があるな。


「暗くなったし、今日は帰ろう。明日はここからだ」


三人で領主邸に転移した。今日はここまで。


――――

――――――


帰ると臨時代官のパルラが書類と格闘していた。


「書類の方はどう?」

「まだ整理中ですが、小麦の生産が落ちて、税収が右肩下がりです。それと医療費の支出が増えてます」

「村長と療養所のリストを頼むよ」

「分かりました」

「それと、収監している前の衛兵隊長だけど、尋問したら、不正だらけだった。あれでも、一応は騎士爵だったから、王都に送還することにした。衛兵所の不正情報があったら集めといて」

「分かりました。仕事が早いですね」


さて、明日は森の奥だ。何が出るやら。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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