第68話 アグラ領の魔物討伐
三人で【飛行】と【隠蔽】のスキルを使い、空を飛びながら、北の森に向かっている。いよいよ魔物討伐だ。事前に冒険者ギルドに確認した限りでは、ゴブリン、オーク、オーガ、マッドベアー等が多く、近隣の村を襲撃しているという。繰り返し発生することから、大規模な巣があるんだろう。今回素材になりそうなのは、マッドベアーの毛皮ぐらいなので、あまり素材を気にする必要がない。テネシアの火魔法が活躍しそうだ。
「主、盗賊のボスはどうした?」とテネシア。
「【精神支配】で悪事を働くなと指示して、はるか遠くの知らない国に置いてきた」
「それと昨日、念話で姫様から衛兵所の処理で一任の連絡が来たんだけど、まだ所長を決めてないんだよな。テネシア、やるか?」
「窮屈そうだから、いい」
「だと思った。イレーネは?」
「アレス様の近くがいいです」
「そうか」
それじゃ、姫様に念話するかな。
(姫様、今、大丈夫ですか?)
(アレス様、いいですよ)
(アグラ領の衛兵所の件ですが、どなたか隊長の紹介をお願いできますでしょうか)
(隊長だけでいいですか?)
(はい、新人の衛兵ばかりですので教育熱心な方がいいです)
(関係者にあたってみますね)
(よろしくお願いします)
ちなみに姫様と念話する時は僕の顔の映像も送っている。そうすると姫様も顔の映像を送ってくれるので、目の前で話をしてる感じだ。他の人ともだいたい同じ。
おっと、森が近づいてきたな。周辺の村の様子はどうだろ。ちょっと聞き込みしたいな。あそこに女の人がいる。降りてみよう。【隠蔽】【飛行】スキルを解除してと。
「あの~すみません。このあたりにお住まいの方ですか? 私は町から森の魔物を討伐に来た者ですが、被害について教えてもらえませんか?」
「冒険者さんですか?」
「そうです」
「それなら、私より村長さんが、詳しいからご案内します」
こうして村長の家に来た。その後、奥さんらしき女性に案内され、三人が家に入ると。
「冒険者の方ですか?」
高齢の男性が入ってきた。この人が村長のようだ。
「はい、そうです。村の被害や魔物の情報を教えてもらいに来ました」
「昔はこのあたりも人がいたんですが、魔物の襲撃が増えて、人口が減り続けてます。みんな怖がって、畑作業を放棄して出ていくんです」
「一回でどれぐらいの魔物が出てくるんですが?」
「この前はゴブリンが五十体も出て、逃げるしかありませんでした」
「冒険者は退治に来ないんですか?」
「だいぶ減りました。報酬が安くて割に合わないらしいです」
「一番強い魔物は何ですか?」
「……森のずっと奥に何かいるらしいですが、よく分かりません」
「ここの魔物は襲った人間をどうするんですか?」
「……女、子供、年寄り、皆殺しです。食べたような跡もありました……」
この村は森から距離をとって、周辺に柵や堀をつくって自衛していたが、中には全滅した村もあるとのことだった。話からここの魔物は人間に有害で、相当たちが悪いことが伝わった。これなら遠慮いらない。
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