第55話 亜人救出
転移スキルでウラバダ王国の中心街にある衛兵所の近くにいる。人通りが多いが、隠蔽スキルにより、周囲にまったく気づかれない。隣にはインカムも来ている。結局、施設の明確な場所が分からなかったため、情報源である衛兵所に来た。インカムには隠蔽と念話ができるグッズを渡している。
(アレス様、中に入りましょう)
(よし)
衛兵所の中に入っていく。詰め所で複数の衛兵が立ち話をしている。
「亜人共は集まってきたか」
「そろそろ施設がいっぱいになるな」
「本当に処刑するのか?」
「上からそういう話が出てるな」
「女子供もいるぞ」
「王の意向らしいからな……」
「本当に公開で処刑するのか?」
「だから中心街で集めてるらしい」
「潰れた商館の倉庫の中か……」
(アレス様、分かりました)
(そうか)
(つぶれた商館の倉庫で大きいのは、心当たりがあります)
――――
――――――
(ここか?)
(衛兵が多いですね)
(【千里眼】スキルで中の様子を見てみる)
(そんなこともできるのですか?)
(人が多い……)
(では、ここですね)
(おそらくそうだな。中に入ってみよう)
転移で施設の中に入ると、たくさんの亜人が収監されてた。間違いない!
(ここは人通りが多いから、転移するなら夜の方がいいんだが……)
(それでは夜にしましょう。その間、情報を集めましょう)
施設内で情報を収集したところ、施設が一杯で、いつ処刑が実施されてもおかしくないようだ。しかしこんな非道なことがよくできるな。
昼過ぎ、衛兵が駆け込んできた。
「所長、城より、明日の昼、広場で処刑するよう命令が下りました。見せしめのため、今から広場で晒しものにしろとのことです」
「じゃ、これからこいつらを外に出すか、お前ら亜人共を広場に引っ立てるぞ!」
(アレス様、外に出されたら不味いですね)
(やむを得ない、日中で目立つけど、今やるしかないな、【転移】!)
――――
――――――
<ギルフォード島の空き地>
(転移成功)
(ただ、衛兵が何人かいますね)
(衛兵は全部、排除するから、外で待っててくれ)
(了解しました)
さて、衛兵をどんどん【収納】していこう。
「おい、お前ら! 外に出ろ」
「うわ、やめて下さい」
「あれ消えた!」
亜人を捕まえようとする衛兵を次々【収納】、ハイ、終わり。【隠蔽】を解除して
「皆さん、助けにきました。もう大丈夫です」
亜人達を外に出し、インカムに引き継いだ。よし、もう一仕事。
――――
――――――
「うわー建物が突然消えたぞー!」
「何が起こったんだー!」
「そんな、ありえない!」
元の場所に戻ったら、大騒ぎになっていた。人通りが多い場所で建物ごと突然消えたら、そりゃ驚くわな。野次馬と衛兵が入り乱れてカオス状態だ。ここはもういいな。先ほど【収納】した衛兵は辺境あたりで【取出し】て捨てていくか。
この後、ほどなくして、ギルフォード島の人口は五千人に膨れ上がった。でも最初のインフラ建設で一万人程度の住居は作ってるし、土地もまだまだたくさんある。ポケットマネーで食料を爆買いしておこう。
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