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第49話 入島審査

「はい、次の方~」


 ここはギース領主邸の代官室、リミアが入島審査を行っているところだ。名前、種族、年齢、性別、保有スキル、職歴、出身国、家族構成、入島目的、犯罪歴、他の種族と融和できるか等、細かく聞いていく。ウラバダ王国(人間)は一発NG、犯罪歴ありも基本NGだが、軽犯罪や無実の罪の場合もあるので、見極めが必要だ。


 今までは衛兵所、ギルドでの犯罪歴照会ぐらいしか裏取りができなかったが、鑑定スキルで真贋が分かるので、劇的に改善された。俗に「真贋鑑定」という上級スキルだが、リミアが持っていた。僕が最初に【複写】したのは「属性鑑定」だったので、後からリミアの真贋鑑定を【複写】し、僕も使えるようになった。このスキルの凄いところは相手が言ったことが事実か否か一発で見抜くことだ。その後、「物理鑑定」「スキル鑑定」と一通り複写した。


「今まで貴方の言ったことに間違いは無いですね?」


リミアが最終確認する。


「間違いありません」


「分かりました。真贋鑑定!」


どうやら、この人は大丈夫だったようだ。順当に入島手続きが進む。


「はい、次の方~」


「何だよ! いつまでも待たせるな! 俺を誰だと思ってる!」


あらあら、変なのが来たよ。


 しかしリミアは一切表情を変えず、淡々と質問していく。しかし、この男は質問をはぐらかそうとするし、どんどんイライラしてきた。こりゃ鑑定するまでもないかな。ついに男が切れた。


「変なことばかり聞くな! さっさと島に入れろ!」

「質問に答えない場合、入島は認められません。お引き取りを」

「何だと!」


 男が立ち上がり、拳を振り上げた瞬間、後方にいた衛兵が拘束した。いろいろ騒いでいたが、そのまま衛兵所へドナドナされていった。


「はい、次の方~」


 見るからに汚れた服装、虎獣人の親子四人だ。部屋に入るなり奥さんが倒れた! これはいけない。僕が対応しよう。


「ヒール!」


別室のベッドに寝かせヒールをかける。次第に意識を回復し出した。


「すみません。遠方からの移動で疲れが出たようです」

「ひょっとして、ウラバダ王国からですか?」

「そうです。必死に逃げてきました」


奥さんが辛そうに語る。すると旦那さんが牙をむき出して、悔しそうに。


「あの国は国王が暴君で亜人差別がますます酷くなっているんです!」


島民に聞いていたのと内容が符合する。やはりあそこの国はダメだな。


「どうして島のことを知ったんですか?」

「脱出した際は無我夢中でしたが、ロナンダル王国が亜人差別の無い国と知り、港町ギースまで来たところ、ギルフォード島の存在を知りました」

「参考までに島に知り合いはいますか?」

「……たぶんいません。と言うより、だれが島にいるかも知りません」


……やはり島民の保証は撤廃してよかった。こういう人こそ島に来てもらいたいんだし。


「とりあえずゆっくり休んで下さい。船が来るまで、こちらで滞在されてかまいません」

「助かります! 有難うございます!」


 最近になって、入島希望者が増えたな。一番多いのはウラバダ王国からの亜人だけど。


 ウラバダ王国→ロナンダル王国→ギルフォード島というルート。


 最近は島の生活に憧れて人間の入島希望者も増えてきたが、人間の場合はギースをはじめ、ロナンダル王国内からがほとんどだ。


 ちなみに衛兵隊の規律が徹底され、人の多い中心部、港湾の巡回が強化されたので、テネシア、イレーネの負担が劇的に軽減した。そして人の少ない郊外、領地境界付近は領主軍に巡回させている。領主軍はテネシア(隊長)、イレーネ(副官)、レッド(軍曹)、ブルー(軍曹)の幹部四人が交代で見ているが、隊員達が自主的に訓練や巡回をするようになっており、こちらでも幹部の負担が軽減してきた。


 島とギースの二拠点生活者はアレス、テネシア、イレーネ、ミア、リミア、レッド、ブルーだが、転移魔法は自分しかできないので、実は自分の負担は増えてきている。何とかならないかな……


 二拠点生活者と言えば島のライサ店長もそうだ。主にギースで商品を集めている。彼女も僕のスキルのことは知ってると思うが、気を使って船で移動してる。早期に改善できたらいいな。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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