第46話 島にお店が来た
島の生活はほぼ自給自足だし、基本的に物々交換で成り立っているが、島で入手困難な生活物資への要望が少しずつ出ていたので、店を開くこととした。本日はその開店日だ。
「いらっしゃい、いろんな種類の服がありますよ、下着はいかがですか」
「雨傘、歯ブラシ、虫除け剤、防虫ネット、いろいろあります」
「ボールの玉です。蹴って遊べますよ」
島の住民は亜人がほとんどで、正直どれぐらい需要があるか分からないし、売れ筋も不明なため、とりあえずいろいろ並べて反応を見ることにした。
格安な商品を中心に集め、島の中心部に十店舗開業した。この日までに商会からライサという女性店長を派遣してもらい、入念に島のスタッフを教育してもらっていたのだ。
「会長、お店やスタッフ、運搬船の手配まで、ありがとうございます」
「ここの島民は物々交換が主流だけど、島で手に入らない生活用品に潜在的需要があると思う。採算は気にしなくていいから、気長にやろう」
「ありがとうございます」
ライサ店長だが、女性特有の気配りで、亜人スタッフともすぐ馴染んでしまった。お客さんとのコミュニケーションを自然にしてるし、メラル店舗統括本部長はいい人選をしてくれた。
最初は一店舗から始めて、様子を見る手もあったが、十店舗作って、商店街みたいにした方が島民も興味本位で来そうと考えた。土地も建物も無料だし、格安商品ばかりだから、リスクはほとんどない。
しかし、結構、人が来てるな。宣伝しといて良かった。
~~ 一か月ほど遡る ~~
<島の会議>
司会 アレス
出席者 アレス(領主)、テネシア(補佐官)、イレーネ(補佐官)
ミア(大薬師)、インカム(内政官)、ビンテス(防衛隊長)
オブザーバー ライサ(ギルフォード商会ギルフォード島店長)
「来月、島のお店が開くので、準備をしたい。オブザーバーとしてライサ店長を呼んだ」
「皆様よろしくお願いします」
今日の会議はライサ店長にも来てもらった。よし始めるか。
「以前、打ち合わせした通り、住民全員に給付金として金貨一枚(十万円)を配る」
「それで皆さん買い物ができるようになるわけですね」
「ライサ店長、銀貨、銅貨で、おつりの準備を頼む」
「了解しました」
「今回は告知、宣伝のためチラシも用意した。給付金と一緒に全島民に配布してほしい」
「わかりました(全員)!」
「現在、物々交換がほとんどだけど、貨幣経済が少し入れば、選択肢が増えて生活がより便利で豊かになると思う。当然、物々交換のままでいい人はそのままでかまわない。住民にうまく説明してくれたら有難い」
「インカム内政官、店舗スタッフは集まったか?」
「はい希望者が五十人ほど集まりました。この後、ライサ店長に面談してもらう予定です」
「五十人!ライサ店長、僕も面談を手伝うよ」
「会長、ありがとうございます」
「インカム内政官、店舗スタッフ面談で不採用になった人も、温泉施設スタッフ等でうまく活用しよう」
「そうですね、うまく人材を活用したいですね」
こうして島民の関心が高まる中、島でお店が開いたのだった。
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