第39話 島の会議
本日は島の定例会議。出席者はいつものメンバーで、アレス(代表)、テネシア(側近)、イレーネ(側近)、ミア(健康回復)、インカム(内政)、ビンテス(防衛)の6人だ。
「では、本日の議題について述べます」
内政担当インカムの司会で始まる。本日の議題は島の名称、メンバーの役職名、不可侵エリア、島の反対側、その他、である。
「先ず、この島の名称ですが、いかがしましょう?」
テネシアから「アレス島」か「ギルフォード島」の提案があった。おいおい勘弁してくれよ。と思ったが、自分以外のメンバー全員がウンウン頷き、どちらかを僕が選ぶ流れになってしまった。しかたない。
「……じゃ、ギルフォード島かな」
「はい、決定しました」
みんな、笑顔で拍手、なんか僕の誕生日みたいだな。
「次に皆の役職名についてです。現状だといろんな呼び名が使用されて、混乱も多少でてます。役割と役職はしっかり決めた方がいいと思います」
確かに島の人口も増え、体制固めも必要だろう。
「先ずアレス様の役職ですが」
またもやテネシアから、「王様だ!」とのトンデモ発言が飛び出した。いやいや、いくら何でも勝手に王様を名乗ったら不味いでしょ。さすがに反論しよう。
「待ってくれ、確かに代表は引き受けたが、王様というのはなぁ……」
「しかし、いつまでも『代表』だと混乱が生じます。『代表』だけだと島の代表、種族の代表、グループの代表と被りまくります」
インカムの弁ももっともだ。
「何か。代表の意味で被らない呼び名はないかな」
「主!」
またもやテネシアが発言した。それ、君がいつも使ってる呼び名でしょ。しかし他の参加者はまんざらでもない様子だ。この流れは避けねば!
「主も何の主か不明慮だ。家の主なら家主だし、もっと明確にこの土地の主ということで、『領主』はどうだろうか?」
最近、ギース領の領主になって、「領主」と呼ばれることには慣れてきたのもあるんだよな。
全員が「異議な――し!」と発言し、これも決まった。次は……
「テネシア、イレーネは後回しにして、インカム、ビンテス、ミアの順にいこう」
決めやすそうな順にしてもらった。
「それでは、私、インカムですが、どうしましょう」
「インカムは島の内政、内政の取りまとめだから、『内政官』なんてどうだろ」
僕から提案したら、インカムがすんなり了承した。これも全員賛成。
「次にビンテスですが」
ビンテスは島の防衛、警備か。ただ『防衛官』だと変だし、『防衛隊長』とかは?
「ビンテスは島の防衛だから、『防衛隊長』はどうだろう?」
ビンテスに提案したら、少し考えてから了承した。
「ちなみに現在はなんて呼ばれているの?」
「昔からの仲間が多いですが、人によって、隊長、軍曹、頭、兄貴、ビンテスとかバラバラですね。『防衛隊長』はかっこいい呼び名ですが、少し恥ずかしい感じがします……」
「まあ、こればかりはしょうがないよ。慣れていこう。それと不具合が出てきたら、名称は変えられるから」
「分かりました」
これも全員賛成。
「次にミア様ですが」
ミアがギース領の代官をしているのは、ここのメンバーには報告済みだ。また自分の転移魔法についても説明している。島の健康回復担当だが、どうしようか。住民から『聖女』のように思われているが、さすがにその称号は重過ぎるだろう。
「ミアは何か希望はあるの?」
「ミアのままでいいです」
さて困ったどうするか。「みんなはどう?」
「……聖女様がいいですね」
亜人メンバーであるインカム、ビンテスから予想通りの提案がなされた。特にビンテスのいる防衛隊のメンバーは元戦争奴隷、元鉱山奴隷、元囚人と傷ついていた者が多くて、相当世話になっている。ミアを慕い、敬うのも当然だろう。
「ミア、君は島のみんなを救ってきた。『聖女』は重い呼び名だろうけど、実際にそれだけのことをしてきたから、決して過分ではないと思うけど、どうだろう?」
「島の皆さんから『聖女』呼びされてるのは承知してますが、やはり過分だと思います。もう少しソフトな名称でお願いします」
「う~ん、それなら『薬師』はどうだろ。これならぴったりだ。でもただの『薬師』だと普通すぎるので、『大薬師』がいいと思うんだけど」
ミアは『薬師』の呼び名に賛成したが、予想通り『大薬師』は『大』が過分なので、遠慮したいと言ってきた。しかしこれは譲れない。全員で何とか説得して『大薬師』で決まった。
「次にテネシア様、イレーネ様ですが」
この二人は自分の側近兼護衛だし、一番信用できる存在でもある。いつも自分の補佐をしてきたから……
「二人は僕を補佐してくれてるから、『領主補佐』とか『補佐官』かな」
「『補佐官』がしっくりきますね」とインカム
この後、『補佐官』で全員賛成となった。これで全員の役職名が決定した。
※島の役職名※
アレス(領主)、テネシア(補佐官)、イレーネ(補佐官)
ミア(大薬師)、インカム(内政官)、ビンテス(防衛隊長)
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