第26話 薬師のミア ※キャラ挿絵付き
女性の名はミア・セレイド、とある国の有名な薬師だったらしい。薬草から回復薬を作っていたが、回復魔法にも目覚めて、忙しい日々を送っていた。一流の腕だったため国の重鎮にも評価されていたが、ある貴族に裏切られ、追放されて、海賊船に乗る羽目になってしまったらしい。
「ひどい話もあったものだな……」
「信じてくれるのですか?」
「うん、信じるよ。できればうちの商会で雇いたいぐらいだ」
「商会ですか?」
「ああ、ある国で商会をやっているが、薬には興味があったからね」
「……そうですか」
「いったん商会に戻って、保護してもいいんだけど、自分はここで探検したいし」
「商会にはいつ頃、戻る予定ですか?」
「一年ぐらい先かな」
「それでしたらご同行します。どうせあてのない身の上でしたし、外で薬草の研究をしたいとも思っていました」
「まあ、あまり無理しないでね。いつでも本国の商会で保護するから」
「わかりました」
とりあえず、僕、テネシア、イレーネ、ミアの四人で、島の生活を始めることにした。
「それでは探索開始だ!」
【転移】レベル2(千里眼で転移先無制限)で頭にイメージ表示すると島の形が分かった。今回から新たにミアを加え四人で外周を転移しながら回っていく。
「さきほどもそうでしたが、すごい魔法ですね!」
「これがあるから安心なんだよ」
「主はどこへでも一瞬にいけるからな」
「島の探索も楽勝です」
この【千里眼】スキルの凄い点は、あらかじめ転移先の状況確認ができるということ。見やすく脳内で拡大表示できて、航空写真のように現地の細かいリアルな映像確認もできるのだ。これなら変な場所に転移しなくて済む。
外周を見たが、港はなく人もいなかった。次に縦断横断するか……
結局、一日かけて島の全域を見て回ったが、どうやらここは無人島のようだ。島の中央部に山があり、そこから海にかけて森が広がっている。川があったので、水は大丈夫そうだ。とりあえず今夜は休もう。明日から建設ラッシュだ。
翌朝、早起きして、この島を開拓すること決める。ミアはたった四人で大変だろうという表情をしていたが、まあ見ていなさい。
「【収納】【収納】【収納】【収納】【収納】!」
「【加工】【加工】【加工】【加工】【加工】!」
「【複写】【複写】【複写】【複写】【複写】!」
次々に木が消えていき、地面が整地されていく、その後にどんどん家が組みあがっていく。まるで魔法のようだ。というか魔法だね。あっと言う間に大型の家が完成。その後。家具、衣類、日常用品、次々と作成していく。以前、山の館を作った時の何倍もの早さだ。
ついでに港、灯台、道路なんかも作っておこう。ここは魔物がいるか不明だけど防壁もいるね。それから広場に、訓練場に、あれもこれも。
夕方には人が住めるインフラが完成した。自分でやっといてアレだけど、チートだわ。
「ミアさん、どうしましたか?」
「……あなたは神様ですか?」
「いえいえ普通の人間です」
「そんなことあるか!!」「そんなことありません!!」
なぜか、テネシア、イレーネまで、少し切れ気味でツッコミを入れてきた。人間扱いしてよ。傷ついちゃう。なんてね。
「ミアは薬草の研究を希望してたよね」
「はい、そうです」
「じゃ研究棟もつくるか【加工】!」
数分で研究棟が完成した。
「……本当に有難いですけど、今までの価値観が崩壊しそうです……」
ミアには早く慣れてもらうしかないな。
※イラストレーターのだぶ竜様によるデザイン画※
ミア
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