第20話 有翼のユニコーン
「さて、ユニコーンを【取出し】!」
ユニコーンが出てきた。さきほどの捕り物劇で足元が汚れているが、元気な様子だ。
「ついに【収納】で生き物を入れられるようになったよ」
「主、さすがだな」
「凄すぎます」
テネシア、イレーネ、二人とも大喜びだが、気になることがある。収納されてる間、生き物はどうなっているのだろう?目の前にいるユニコーンには聞けないし。収納すると入れた時と同じ状態で取り出せるので、時間の経過が無い(遅い?)のかもしれない。う~ん、気になる。
「捕まえたのはいいけど、どうする主?」
そうなんだよ。レアもので聖獣だから、とりあえずゲットしたけど、その先を考えてなかった……
「……これから考えよう」
とりあえずユニコーンを隔離部屋に入れて、森へ戻ってきた。イレーネが水で洗い流し、食べ物を置いてきたが、あれで良かったのだろうか? とりあえず訓練再開だ。
――――
――――――
あれから、B~Dランクぐらいの魔物がいくつか出てきたが、二人の敵ではなかった。自分も多少は援護してるが、荷物係と移動係の方が気楽だ。日も暮れたので帰宅しよう。
隔離部屋のユニコーンに近づくと、じっとこちらを見てきた。う~ん罪悪感が凄いな……
「……やはり、ここはダメだな」
隔離部屋に入り、ユニコーンに声をかける。
「出ようか」
外に出ることを促すとユニコーンが後をついてきた。
「屋外にだしてやろう。もう帰っていいよ」
その後、ユニコーンを屋敷の外に連れ出し、帰ることを促した。でもその場にしゃがみ込み寝てしまった。
「明日になれば、帰ってるだろ」
しかし、翌朝、ユニコーンが屋敷の上空を旋回していた。
「まあ、好きにすればいいさ……」
これで、山の館の周辺にユニコーンが住み着いて、守り神みたいになってくれたら面白いかもね。さて、今日は鉱山に行ってみよう。
――――
――――――
「【収納】【取出し】、【収納】【取出し】!」
鉱山に来て、金属素材の回収の傍ら、巨岩の出し入れを繰り返している。敵の頭上に巨岩を落とす即死スキルの訓練だ。訓練してみて分かったが、取り出す場所は頭上スレスレの位置が最強だ。初見だと至近距離攻撃で防ぎようがないだろう。しかも頭上は死角でもあり、何も知らないまま敵を屠ることも可能だ。逆に巨岩が高い位置だと、落ちるまでに逃げられる可能性がありそう。
「テネシア、石落としの訓練に付き合ってくれるか」
「いいぞ」
テネシア相手なので、大きな岩は避け、小石でやってみた。
「【収納】【取出し】!」
小石がテネシアの頭上に現れたが、さんざん横で訓練を見てきたテネシアはサッと避けてしまう。
「やっぱりだめか」
「主の声でタイミングが分かるし、視線が頭上に来るから回避できる」
「アレス様は正直なんですよね」
そうなんだよね。こればかりは性格だから、しかたない。
「そしたら、相手に聞かれない小声で、視線を隠すよう訓練するか……」
それと【収納】スキルで生き物の出し入れを確認したいな。
「よし、魔物の討伐に出かけるか!」
「待ってた!」
「了解です!」
――――
――――――
奥に進むとキラービー(蜂の魔物)に出くわした!
「【収納】!」
たくさんいたキラービーが跡形もなく消え去る。視界にいたもの全部だ。
「収納に入ったな」
「これは凄いです」
二人のコメントが小気味いい。今度はマッドベアー(熊の魔物)が出現!
「【収納】!」
マッドベアーが消える。
「あっけないな」
「いやはやこれは」
今度はファイヤーウルフ(狼の魔物)が出現!
「【収納】!」
ファイヤーウルフが消える。
「ははは……」
「これは……」
魔物が出る度に次々収納していったら、二人が呆れ出した。
「このまま進んだら、魔物がいなくなっちまう! 私らの分は?!」
「アレス様、規格外過ぎます! 私達もお忘れなく!」
もうこの辺で収納はやめておこう。飽きてきた。収納した魔物はしばらくこのまま保管しておくか。結局、十種類以上の魔物を収納した。取り出すタイミングも大事だな。生きたまま町で出したら大変だよね。ははは。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。




