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第195話 隠密隊結成

「陛下、何なりと、お命じ下さい」


今日はギルフォード王国、要人護衛隊の一員であるロルアスに来てもらった。


「うむ、折り入って話をしたい」


ここは王都の王城ではなく、ギースの王城だ。そして完全に人払いもした。


「隠密に貴族の内偵調査をして欲しい」

「私にできるでしょうか?」

「大丈夫だ。そなたに特別な力が使えるアイテムを渡そう」


ロルアスにアイテムの指輪とイヤーカフスを渡す


「この指輪で【隠蔽】【透過】【転移】スキルが使えるようになり、このイヤーカフスにより【念話】が使えるようになる」

「どのような力でしょうか?」

「【隠蔽】は他人から見えず、聞こえず、認識できなくさせる。【透過】は壁や扉をすり抜けることができる。【転移】は遠方に移動できる。そして【念話】は遠方の者と会話できるのだ」

「そんな凄い力を私に……」

「これがあれば、貴族の家に忍び込み、貴族の近くにいても気づかれることはない。遠方でも連絡が取れるし、万一の場合でも、すぐ逃避することが可能だ」


 今回、隠密(密偵)を活用するにあたり、【透過】スキルを【創造】した。これは門、扉、壁、どんな障害物があってもすり抜けできるスキルだ。城に忍び込むのに最適だろう。


 このロルアスは亜人が多い要人護衛隊の中で、人間という変わり種だ。メヌールからも高い評価を得ていたが、この要人護衛隊だと、人間の方が逆に目立つという変わった状態となっており、本人も環境の違いに伸び悩んでいたと言う。人間ということで、亜人ほど戦闘力は高くないが、緻密かつ冷静な性格で、隠密にはぴったりと判断したのだ。


「私は今後、内偵調査を専門とする部隊、『隠密隊』をつくる予定だ。ロルアスにはその先駆けとなってもらいたい」

「了解しました」

「今後はメヌール隊長の元を離れ、私の直属の隠密として、働いて欲しい」

「光栄です。喜んでお受け致します」


 よし、これでベイス子爵には鈴をつけることができる。今後も隠密は必要だから、メヌールに言って紹介してもらおう。


――――

――――――


 あれから、隠密が十人まで増えた。もう『隠密隊』と言って良いだろう。今日はみんなを王城の地下室に集めた。ここへ行く通路は【隠蔽】され、【結界】で、関係者以外は入れなくしている。隠密隊は非公開組織なので、誰にも知られたくない。それで急遽、新たな地下隔離施設をつくったのだ。ただし、隠密隊は【転移】スキルが使えるので、城の正面から入ることはない。


「みんな隠密活動、ご苦労様、君達には特別なスキルを与えたが、基本的な戦闘能力も必要だ。それで、今日はイレーネ宰相が短剣の使い方を教えてくれるから、よく身に付けるように」


 はっきり言って、スキルだけでもいけると思うが、何事も基本ができてないとボロが出るし、足元をすくわれかねない。隠密なら、隠しやすい短剣が好都合だ。幸い、うちにはイレーネという短剣のスペシャリストがいる。


「短剣はこう持って、それで、こう動いて、こう刺す!」


 全員が短剣を持って、イレーネの動きに従う。こうして見ると、短剣と長剣は同じ剣だけど、構えも動きも、まるで違うなぁ。長剣は上に構えて下に振る。短剣は低く構えて、上に突き刺す。


 イレーネ講師による熱の入った訓練は基礎、応用、実践と進んでいった。うん、これはいいな。


数時間経過して、皆が休んだ頃を見計らって、ロルアスに話しかける。


「どうだ、練習はきついか?」

「いえ、楽しいです。島でもさんざん武器の練習をしてきましたので」

「それは良かった。隠密なので、隠し持ちやすい短剣が最適と判断したんだが、短剣はものになりそうかな?」

「はい、皆と一緒に訓練していきます」

「短剣だけでも十分だろうが、実はこの武器も用意したんだ……」


先が鋭い投剣を見せる


「これは投剣ですか?」

「そうだ。短剣だけだと、近接戦一辺倒になるが、投剣があれば、離れて中距離攻撃も可能だ」


試しに投げるか。


「ほらっ!」


投剣をあらかじめ用意しておいた的に当てる。


「おお、これは凄いですね!」


「だが、この投剣には弱点がある。それは投げたら手元から無くなってしまうことだ」

「……それは、そうですね」

「ふふ、だが、この投剣は違う」


「えいっ!」


投剣が的に突き刺さった後、消える!


「えっ!消えましたよ」

「それなら、ここに戻って来たよ」


収納ケースをポンポン叩く


「どういうことですか?」

「この短剣は物に当たった後、収納ケースに戻る魔法がかかっているんだ。それで、何回投げても、手元の投剣が減ることはない。この投剣と収納ケースを皆に渡すから、練習に励むといい」

「これは貴重な武器です!ぜひ大切に使わせて頂きます!」


 こうして、隠密隊は短剣と投剣を基本の武器とした。どうして投剣を思い付いたかと言うと、きっかけはこの前の魔法練習場。テネシアとイレーネが剣を投げていたので、あれでピンと来た。投げた剣さえ戻れば、一気に戦闘力が高くなる。それで戻る剣を【創造】した。そう言えば、さっきからイレーネがこちらをチラチラ見てくるなぁ。


「……君もこれ、欲しいのかな?」

「はい!ぜひ頂きたいです!」


 彼女は弓も得意だから、あっと言う間にものにするだろうな。そうすれば、隠密隊も刺激を受けるだろうし、お互いに高め合って欲しい。


 ちなみに、この地下の練習場、王城の地下にある秘密の場所だけど、現時点では僕とイレーネと隠密隊しか知らない。テネシアにも後で教えるつもりだけど、彼女は今、王軍隊の編成準備に忙しいから、一段落したらだな。ここなら、隠密隊と秘密の打ち合わせもできるし、こういう場所が近くに欲しかったんだよね。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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