第19話 野外訓練
三日ほど休みが取れたので、いつもの三人で山の奥側に訓練に行くことにした。当然、素材の回収もして、冒険者ギルドに出す予定だ。現在、三人ともCランクにまであがった。自分はともかく二人はもっと上までいくだろう。自分は素材集めには興味があったが、もともと戦闘タイプではない。でもこの世界に来て自衛の重要性を考えていたら、二人に引きずられる格好でランクがあがってしまった。まあ提出する素材の量が多かったのもあるだろうけどね。
いつものように三人で【転移】しながら、目についた魔物を討伐していく。オーガやゴブリンなど大した素材にならない魔物が出るとテネシアが怪しい笑顔を浮かべる。
「ファイヤーストーム!」
まさに炎の竜巻だ。十体いたゴブリンが程なく消し炭になる。そしてそれを見計らったように。
「ウォーターウォール!」
火がまわりに広がらないよう、イレーネが水の壁を張った。
単純に素材回収という観点で言えば、テネシアの火魔法、土魔法は難点がある。火は素材を燃やすし、土魔法は素材を汚す。逆にイレーネの風魔法、水魔法は素材を汚さない。
だから、こうして素材に不向きの魔物が出ると、テネシアが喜ぶという、おかしな事態が発生してるのだ。
あっ! 今度はユニコーン(一角獣)が現れた。これは珍しい! 完全にレアものであり、何としてもゲットしたい。しかも、翼まであるぞ!! 有翼のユニコーンだ!! ただここまでレアだと、殺すのは惜しい。聖獣だしな……
「有翼のユニコーンは聖獣でレアものだ。できれば生け捕りにしたい」
「う~ん、どう攻撃したらいいでしょうか?」
無理な注文だったかな。テネシアの風と水の魔法でも、痛めつけることは変わりない。
「四属性の攻撃だからな……攻撃したら死ぬ場合もあるし……」
「四属性の拘束魔法はいかがでしょう?」
「確かにその方がいいな。火は論外として、風と水の拘束だと逃げられそうだから、テネシア、土の拘束魔法を頼む。汚れたらイレーネの水で洗ってもらおう」
「よし来た! アースバインド!」
ユニコーンの足元がドロドロになり、足から吸い込まれていく。しかしユニコーンが翼を広げ上に飛ぼうとする。
「逃げられそうだな」
「もっと魔力を上げられますか?」
「これで魔力は目一杯だ――!」
逃げられる! そう思った瞬間、スキルアップのイメージが浮かんだ。
【収納】レベル3(生物収納可能)
「えっ生物も収納可能になったの! よし【収納】!」
一瞬でユニコーンが収納された。いったいどうなっているんだろう??
「とりあえず山の館の地下二階の隔離室へ行くか」
確認のため、いったん戻る。
「まさか、あの隔離室を使う日が来るとは……」
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