第1835話 財源論4
続きです。
内閣主導の下、掲げられた「重点投資対象17分野」だが、その中で早速、注目を浴びているのが「海洋」分野だ。日本の最東端に位置する南鳥島周辺のEEZ(排他的経済水域)の海底下にレアアース泥が存在していることは事前の調査で前々から判っていたが、ついに満を持して試堀を開始し、レアアース泥の採取に成功した。水深6000mの海底という過酷な環境からのレアアース採取は前代未聞であり、世界初の試みだが、世界に冠たる日本の高い技術力がそれを可能にした。
月表面に到着し、鉱石などを採取した国はいくつかあるが、水深6000mからレアアース泥を採取した国は世界で日本だけだ。もっともっと大々的に報じていいビッグニュースだが、案の定、マスコミの扱いはそこまで大きくない。本当に日本アゲが嫌いな連中だ。
レアアースとはレアメタルの仲間で、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロビウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)17元素の総称を指す。
聞き覚えのない物質ばかりだが、これらが、テレビ、デジカメ、パソコン、スマートフォン、LED、電気自動車、その他ハイテク機器など、日常生活の様々な場面で欠かせない重要資源となっている。世界的には中国などに偏在しており、経済安全保障上のリスクが指摘されていたが、最近、中国が日本に対し、レアアースの輸出制限を始めたことから、開発待ったなしの状況になっていた。
しかし、あれだね。恫喝のため平気で資源を止めることといい、度々繰り返す尖閣諸島周辺海域での越境行為といい、世界中で喧伝する日本サゲのプロパガンダといい、日本国内での議員やマスコミなどを使った工作活動といい、本当にあの国はろくなことをしない。
今回は試掘の位置づけで、海洋研究開発機構などが参画する内閣府主導のプロジェクトの一環として行われたもので、2027年には採算性が取れるか確認するため、1日に約350トンの泥を採取する本格的な採掘試験を始めるらしい。南鳥島に持ち込んだ脱水設備で処理してから本州に運び、レアアースの抽出、精製までを試みる予定だ。泥をそのまま本土に運ぶのではなく、島で純度を高めてから本土に持ってくる。
実際に利用できるようになるには、まだ数年かかるが、その間の備蓄は既に国内にあり、さらに中国以外の国からレアアースを入手できる備えもしており、中国にレアアースを止められても耐えられるだろう。リサイクルだってできるしね。日本は家電や電子機器の廃棄物から貴金属やレアメタルやレアアースを回収する「都市鉱山」において世界トップクラスの規模と技術を持っている。
日本にある使用済み携帯電話や家電に含まれる金の総量(約6,800トン)は、世界第4位の埋蔵量を持つアメリカ(約3,000トン)を大きく上回り、日本は都市鉱山において世界1位の金属資源大国とも称されている。当然、レアメタル、レアアースだってある。こういう事実をマスコミはまったく報じず、「中国がレアアースを止めたから、日本経済は大打撃を受ける、だから早く謝れ」と偏った報道ばかりする。異世界にいる僕ですら知れる情報なのにね。
数年前にも中国から難癖を付けられ、レアアースを止められたことがあったが、その頃から日本は中国に頼らないサプライチェーンの構築に力を入れてきた。今回の件は想定の範囲内だろう。日本政府に焦りはまったくない。
南鳥島周辺海域で見つかったレアアース泥は、中国の陸上鉱山の20倍の品位を持つ、世界最高品位の「超高濃度レアアース泥」とのこと。中国のレアアースは放射性物質を多く含み、品位が低いが、南鳥島周辺海域のレアアースはそうじゃない。だから環境を破壊せず、かつ精製しやすいという利点がある。
しかも中国のレアアースは陸上にあるとされるものの、実際は地中であり、かつ硬い岩盤の下にある。だから、穴を掘って岩盤を壊し、引き揚げる手間がかかる。対して、南鳥島周辺海域のレアアースは海底(地中)とはいえ、岩盤などの障害物はなく、しかも泥状なので吸引が簡単。開発がうまくいき軌道に乗れば、中国より効率よく(安く安全に)採取できるという指摘もある。
・日本のEEZに高品位のレアアースが大量にある。
・高品位のため放射線汚染の心配が少ない。
・日本には、それを採取・精製する技術がある。
これがファクト。つまり現時点で既に必要とするレアアース確保の目途は立っているのだ。問題はコスト面だが、これは中国で買うより、当初は高くなるだろう。だが、それでも大丈夫。政府が補助すればいい。仮にそれをせず、最終製品にそのコストが乗っても大したことはない。なぜなら最終製品に占めるレアメタルの原価構成比が低いからだ。
例えば、10万円の製品があり、その中で500円分のレアメタル・レアアースがあり、仮にコストが5倍になっても、2500円であり、製品は2000円しか値上がりしない。10万円が10万2千円になっても誤差のようなものだ。それぐらいなら、輸入から国産に切り替えるメリットで十分にカバーできるだろう。中国と違って役人に賄賂を渡す必要もないし。
中国のレアメタル・レアアースが異常に安いのは、健康被害や環境破壊を気にしないというデンジャラスな採取の仕方をしているからだ。本来、放射性物質を扱う危険作業はそれに配慮した設備や環境が必要であり、相応のコストがかかるものだが、そうなると価格優位性が保てなくなるため、中国はそれを省いているのだ。
つまり、中国からレアメタル・レアアースを買うということは、中国による健康被害や環境破壊に加担してることになり、元々いいことではなかった。だから今回、応分の負担をして日本が独自にレアメタル・レアアースを採取することは人にも環境にも優しいことであり、もっと早くこうしてもいいぐらいだった。
レアアース採取に限らないが、中国はチベットやウイグルの自治区から強制徴用し、劣悪な労働環境で働かせて、安い製品をつくり、海外に売りまくるという悪のビジネスモデルを今尚やっている。安価だからといって、この国から買えば、金儲けのために人権侵害に目を瞑ることとなる。そうでなくても、中国にお金を落とせば軍事費となり、日本を狙うミサイルに使われかねない。感情論抜きにして冷静に考えて中国から物を買うべきではない。
調査によると、この海域には少なくとも1600万トンのレアアースがあるとされ、これは現在の国別埋蔵量基準で、中国(4400万トン)、ブラジル(2100万トン)に次ぐ世界3位の水準に相当する。たった一カ所でこれだ。日本の領海とEEZには他にもたくさん資源が眠っている箇所があり、それらも掘り出したら、日本は間違いなく世界有数の資源大国の仲間入りをすることになるだろう。
こうなると将来、日本政府のバランスシートが変わる可能性がある。現在、日本政府は多額の負債(累積国債発行残高)により、負債が資産を上回る負債超過(債務超過)の状態になっているが、資源が採れるとなれば、その場所の資産価値が跳ね上がり、それに伴ってバランスシート上の資産も跳ね上がる可能性がある。資産が増えれば負債がそのままでも差し引きの純債務は減るので財政健全化につながる。財政健全化できれば、日本の国際的評価も上がるだろう。
現在、各調査機関による日本国債の格付けはAクラス(安定的)と評価されるケースが多いものの、最上位であるAAAから見たら、Aがたったのひとつであり、財政状況が少しでも悪化すれば、Bクラスに転落するリスクが常につきまとう。もしBクラスに転落すれば、日本企業が海外市場で資金調達する際、金利上昇が見込まれるので国益を棄損することになる。財政健全化はそれを防ぐ意味でも重要だ。
一部の積極財政派は「国債をどんどん刷ればいい」と軽口を叩くが、もっと経済の勉強をした方がいい。日本(政府)の財政が悪化すれば民間に波及し、国民にも不利益となって返ってくる。「国(政府)の負債は国民の資産だから心配ない」という論はミスリードだ。実態は国も国民も一蓮托生であり、他人のごとく別々に議論するようなものではない。
国債の信用低下 → 国債の利回り上昇 → 収支の利払い費増加
→ 財政悪化 → 国債の信用低下
という負のスパイラルは絶対に避けないと。
財政悪化すれば増税となって国民に跳ね返ってくる。
また将来、資源採掘が軌道に乗り、採算ベースが取れ、利益を生むようになれば、国の新たな税収すなわち財源となるだろう。財源不足に苦しむ日本にとって、これは大きな恵みとなる。借金(累積発行残高)の返済、消費税減税の原資、少子化対策、農業保護、防衛力強化、成長分野への投資、社会保障の拡充、老朽化したインフラの復旧などに使うことができる。
そういう意味で、海底資源開発はまさに金のなる木であり、
日本が抱える諸問題を一気に解決する切り札になるものと言えよう。
ただ気になるのは、南鳥島周辺海域で中国の船が出張ってうろちょろしてることだ。日本に対する嫌がらせと威圧、それと、近くの海域(公海)の資源調査であろう。あわよくば、自分たちもおこぼれに預かろうという腹なのが見え見えだ。まるでハイエナのよう。
今回、試掘した場所はEEZ(排他的経済水域)であり、これは領海とは違う。領海は基線から12海里の海域であり、国の主権が及ぶ「領土」の付属物。外国船舶は原則、無害通航権を除き、自由に航行できない。一方、EEZは基線から200海里の海域であり、天然資源の探査・開発・保存、海洋科学調査、海洋環境保護などに関する主権的権利(経済的権利)が認められている。但し領海と異なり、外国船舶の航行の自由は原則として保障されており、中国の船が侵入してくる。
制度上、他国のEEZ内の航行は認められているが、あくまで航行だけであり、調査や漁業は認められていない。だが、中国はそんなのお構いなしだからな。無法者に対処するには海上警備の強化が欠かせない。
そうした状況を受け、海上保安庁の2026年度予算は、尖閣諸島周辺の警備強化などを背景に、概算要求段階で3000億円を突破する過去最大の3177億円(前年度比約14%増)を計上した。大型巡視船の整備や無操縦者航空機の導入、通信基盤の強化など、海上警備能力の大幅な拡充に充てられとのことだが、それでもまだ、3177億円だ。少なすぎる。
年末の歌番組にK-POPをゴリ押ししたり、偏向報道ばかりしてる公共放送局の2026年度予算は6871億円だ。日本にとって極めて必要性の高い組織の予算が、解体してもいいような組織の予算の半分以下というのはどう考えてもおかしい。政治主導で改善するべきだ。
そんなに遠くない将来、日本は資源大国となるだろうが、デメリットは他国から狙われやすくなること。ということで、必然的に国防強化がセットとなる。いくら資源が出ても、守る力が無ければ奪われかねない。ロシアは自国で資源が採れるから、そうでもないだろうが、注意すべきはやはり中国。
お花畑の左派は「話し合いで何とかしよう」と言うが、それが通じる相手なら苦労しない。それに彼らの言う「話し合い」とは「日本が黙って中国の言うことを聞く」という意味だからね。日本が中国に反論しても「話し合いをしろ」と言うが、そんなことは外交ルートを通じて既にやっている。ただ、それが平行線なだけだ。平行線なのは双方に責任があるが、日本の左派は日本の責任ばかり言う。いったいどこの国の人間か。
正体である共産主義や社会主義を隠すため、リベラルという立場を装う人たちがいるが、外国のリベラルと日本のリベラルの最大の違いは、日本のリベラルは自国を愛さない(反日)という点だ。
例えば最近、アメリカの下院で台湾保護法が可決されたが、保守派の共和党だけでなく、リベラルの民主党も賛成に回ったからね。台湾保護法は中国が台湾に対し、経済や軍事で威圧した場合、中国に制裁可能とするものだ。これは、アメリカのリベラルは親米反中の立場だと如実に表すものだろう。対して日本のリベラルは親中反日であり、中国に都合の悪い法案を徹底的に反対する。だから、憲法改正もスパイ防止法制定も、これまでできなかった。
だが、先日行われた衆議院議員選挙で親中反日勢力を大量に落選し、親日反中勢力が大量に当選したため、一気に改革が進むことになるだろう。参議院はまだ親中反日勢力がかなり残っているが、衆議院で3分の2以上の議席を取ったので、参議院が否決されても、衆議院で再可決すれば法案が成立する。憲法改正は衆議院の優位性がないので厳しいだろうが、それ以外の法案はどんどん通せる。日本の未来が一気に明るくなった。
今の日本でもっとも最優先ですべきこと。少子化も移民対策も国防もエネルギーも食料も大事だが、もっとも優先すべきことは反日勢力の排除だ。これをしなければ、他の政策をしようとしても邪魔をされる。一刻も早く、スパイ防止法の制定をしてもらいたい。
とっくの昔から中国は日本に対し、認知戦(情報戦)を仕掛けており、その対策が急がれるが、同時に実際の武器を使うリアル戦の準備もしておく必要がある。ただ、ここでポイントなるのが、なるべくお金をかけず、効率よく国を守ることだ。幸い、日本は海という天然の擁壁で守られているので、攻撃されるとしたら海か空かしかない。よって海と空の防衛にリソースを集中させることができる。
海の防衛はある程度、準備が整っているが、問題は空の防衛だ。喧嘩でもそうだが、飛び道具がもっとも怖い。その対策となるのがミサイル防衛だ。これを増やせば、中国は日本に手が出せなくなる。
ミサイルの延長上に核ミサイルがあるが、議論だけはすればいい。最終的に持つか否かはともかく、議論することにより、「日本が核ミサイルを持つかもしれない」「いや既に持っているかもしれない」と敵に思わせることができ、それ自体が抑止力を生む。わざわざ「日本は核を持っていません」「今後も持つことはありません」などと言うのは、敵に「どうぞ攻撃して下さい」と言うようなものだ。
但し、僕個人としては、日本は核を持つ必要はない、と考えている。その理由として核はあくまで抑止力であり、実際に使うことはないだろう、と読んでいるからだ。日本に核はないが、中国が日本に核ミサイルを撃てば、アメリカが中国に核ミサイルを撃つ可能性があり、自国を危険にさらしてまで、中国がそれをするか? というのがある。普通ならしない。
それと対中国の場合、通常ミサイルで十分通じる状況がある。それは中国の原発の存在だ。中国の原発数は、2024年末時点で商業運転中の原子炉が約57基で世界3位、建設中の原子炉は28基で世界最多と、世界最大級の原子力大国となっている。2030年までに米国を抜き稼働基数で世界1位になる見込みだ。
これらの原発は海沿いにあり、日本の通常ミサイルの射程圏内になる。何が言いたいかというと、わざわざ核ミサイルを撃たずとも、通常ミサイルで中国の原発を狙えば、核ミサイルと似た効果(抑止力)を期待できるということだ。それに加え、中国には三峡ダムという弱点がある。ここが決壊したら、直ちに下流地域に住む数億人に影響が生じ、戦争どころではなくなるだろう。
そうでなくても十億の人口を抱える中国は電気・ガス・水道などのインフラ設備をやられたら、ひとたまりもない。そこをピンポイントでミサイル攻撃したら成すすべがないだろう。日本と違って中国は国土が広いから全部守るのは無理。もちろん戦争は反対だし、人が死ぬなんて見たくも聞きたくもないが、中国相手には「やるならやるぞ」という姿勢を示すことが大事だ。
尖閣諸島は日本の領土なのに日本人が上陸できない状態なのは異常だ。日米安全保障条約第5条の適用対象となっているのだから、さっさとアメリカ軍と一緒に上陸すればいい。まごまごしてると中国に上陸されかねない。
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