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第1834話 財源論3

 まだまだ続きます。

 しかし、前の世界は大変だよな。どの国も経済成長を志向し、それに否応が無く突き進んでいる。まぁ資本主義の世の中だからな。資本主義は資本家が創ったものであり、資本家にとって都合のいい制度。資本主義の世の中では金を持つ者が一番強く、一番偉く、金の力で大衆を支配する。


 表向き、民主主義を採用していても、選挙で選ばれた議員が資本家の言いなりであれば、政治は民のためではなく、資本家のために行われることになる。これは民を中心とする民主主義と資本家を中心とする資本主義の構造的な問題点でもある。よって、資本主義社会において、歪みのない真の民主主義を実現することは非常に困難だ。形は民主主義でも、実際は陰の権力者(資本家)の影響を受けている。


 ただ、だからと言って、短絡的に資本家は悪者であり、それを排除すれば、世の中が良くなると考えるなら、それはまったく違う。ソ連をはじめ共産主義の国はそれをして、すべて失敗に終わった。資本家を国から追い出すということは産業を追い出すということであり、暮らしを崩壊させることになる。


 だから共産主義者が主張する「金持ち、大企業、財界から取ればいい」という財源論は机上の空論だ。そんなことをしたら間違いなく国が傾く。戦後もそれをして、いくつもの国が経済破綻した。資本家を追い出して、その後、うまくいった国はひとつもない。ただのひとつもね。


 庶民からすると「財源は大企業や富裕層から取ればいい」という論は、反感や嫉妬も手伝って耳当たりよく聞こえるが、それをうっかり信じたらエライことになる。また共産主義者は「大企業が中小企業を搾取している。大企業は悪者だ」と、これまた、ヘイト含みの話をよくするが、日本の中小企業は大企業から仕事をもらっている割合が高く、特に製造業は多くの中小企業が大企業に依存している、という実態を完全に無視している。


 このような状況下で法人税を上げ、大企業を日本から追い出したら、どうなるだろうか? 途端に多くの中小企業が経営破綻に追い込まれ、多くの人が仕事を失ってしまう。中小企業が大企業と一緒に海外に出ても同じこと。国内が失業者であふれることになる。


 共産主義者はカール・マルクスの『資本論』を愛読するが、そこには「資本主義が発達すれば社会主義に移行する」という「資本主義崩壊論」が書かれている。資本主義が発達すると、資本の集積・集中が進み、機械化による資本の有機的構成が高度化して相対的過剰人口すなわち産業予備軍(失業者)が増大すると。


 その結果、労働者階級の貧困・抑圧による階級闘争が激化し、社会主義革命により資本主義が崩壊して社会主義に移行するという。しかし実際には、欧米や日本など資本主義が発達した先進資本主義国から社会主義に移行した国は皆無であり、反対に、ソ連、中国、ベトナム、北朝鮮、キューバ、ラオスなど、資本主義が未発達な国に限って社会主義に移行し、その後、社会主義体制が失敗して、あれほど毛嫌いし、見下していた資本主義を受入れたのは歴史の通りである。今現在、ソ連時代のような社会主義を貫いている国は存在しない。どこも大なり小なり資本主義を取り入れ、金儲けにいそしんでいる。


 マルクスは「資本主義が発達すれば労働者階級は窮乏化する」と説いたが、これに反し、先進資本主義諸国の労働者階級の生活水準は向上した。マルクスは資本家を悪の権化とみなし、彼らによって労働者は虐げられ、やがて共産革命が起きると考えていたが、実際はそうならなかった。


 例えば、日本の場合、非正規雇用や格差等の問題があるとしても、2025年の勤労者世帯の平均貯蓄額は1579万円(中央値947万円)であり、名目賃金も年々上昇し、2025年春闘の賃上げ率は5.52%だ。2025年平均の完全失業率は2.5%で完全雇用に近い。


 労働者階級においても、マイカー、マイホーム、各種電化製品が普及し、海外旅行を楽しむ人が少なくない。その上、生活保護や国民皆保険など各種社会保障制度も整備され、労働者階級を含む国民は「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法25条)を概ね保障されていると言えよう。


 何を言いたいかというと、資本主義には、過度な競争、格差、拝金主義などの問題があるものの、それでも社会主義よりはずっとうまくいっているということだ。だから、社会主義的な財源論である「金持ちから金を奪って、みんなに配ればいい」という強権的な富の再分配には反対する。


 これの何がもっとも嫌かというと「金持ち=悪人」かの様に決めつけているところだ。確かにそういう人もいるだろうが、皆の為に働き、その結果、富を築いた人だって多くいる。だから、反感や嫉妬をこじらせて金持ちを悪く思うのではなく、彼らの成功を褒め称え、彼らが自ら、富を再分配するように仕向けるのが賢いやり方だ。


 金が悪いわけでも、金持ちが悪いわけでもない。それは人の反感や嫉妬が生んだ妄想だ。中には本当に悪い人もいるが、それを言ったら、金持ちに限らない。すべての人がそうだ。むしろ、衣食足りて礼節を知る、金持ち喧嘩せず、の言葉が示すように貧しい人の方が悪に走るケースの方が圧倒的に多い。先進国と途上国の犯罪件数データを見れば一目瞭然。はっきり言って、金持ちの方が貧乏人より道徳的に優れている人が多い。悪人もいるだろうが、その割合は貧乏人より少ない。


 感情論で納得しない人もいるだろうが、データで見たら、そう判断できる。「金持ち=悪人」というレッテル貼りをやめようではないか。これは共産主義者によるプロパガンダの一種だ。そんな妄想に囚われることなく、金持ちは自主的な富の再分配を行い、ぜひとも善人になってもらいたいし、あってもらいたい。あまり語られないが、大企業の多くが慈善活動に協力し、多額の寄付をしている。


 人生の目標は金持ちになることではないが、目標を達成するための手段として、金持ちを目指すことを否定しない。むしろ、人生の目標を達成するには、ある程度のお金は必要だ。だから「お金=悪」「お金持ち=悪人」という考えは持たない方がいい。そうすると、お金が手に入らなくなり、結果的に人生の目標達成の遠回りとなる恐れがある。このあたりのくだりは「人生学校ゲーム」の説明書にも書いた。あれは徳積みと業の解消を人生の優先事項としたゲームだが、現実世界でそれをするには、ある程度のお金が要る。霞を食べて生きることはできないからね。汝、極端に走るべからず。


 ちなみに社会主義と共産主義だが、同じようで実は同じではない。社会主義は、国家が生産手段(工場や土地など)を管理し、平等な分配を目指す体制。共産主義は、その先にある、国家や階級の区別すらない究極の平等社会を目指す思想だ。社会主義は「能力に応じて働き、労働に応じて受け取る」段階、共産主義は「必要に応じて受け取る」段階とも言われる。


◇社会主義 (Socialism)


 特徴 生産手段は国(共同体)が所有・管理し、計画経済を行う。

 私有財産は制限されるが、生活手段は認められる。

 分配 働いた分だけ受け取る(労働に応じた配分)。

 位置づけ 資本主義から共産主義へ至る中間の移行段階。


◇共産主義 (Communism)


 特徴 国家の支配もクラスの区分もなくなった究極の社会。

 すべてが共有され、管理する組織自体が必要なくなる。

 分配 必要な分だけ受け取る(必要に応じた配分)。

 目標 差別のない理想社会(科学的社会主義)。


 マルクス主義の文脈では、社会主義を共産主義の第一段階とする見方が一般的であり、であるなら、ソ連は共産主義を目指した社会主義の国というのが正しい理解となる。ということは、結局、ソ連は共産主義を実現せずに破綻したわけだから、これまで、世界中どこの国も、共産主義を実現できた国はなかったということになる。そう、共産主義は夢物語であり、実現不可能なお花畑の空論なのだ。


 チャーチルは「20才の時にリベラルでないなら、情熱が足りない。40才の時に保守主義でないなら、思慮が足りない」と言ったが、夢見がちな若い時ならまだしも、人生の半ばまで生きた、いい大人が社会主義や共産主義のような思想に染まったままというのは痛すぎる。酸いも甘いも噛み締める経験をしなかったのだろうか。


「リベラル」は「自由」を意味する言葉だが、名前に偽りあり、社会主義・共産主義の不自由さを覆い隠すために、付けられた詐欺的名称だ。実際は自由でも何でもなく、固定観念にガチガチに縛られた古臭い思想に過ぎない。最近は、環境保護やらジェンダーフリーやら多文化共生やら、受け狙いでパッケージしているが、中身の古臭さ、違和感を隠しきることはできない。


 共産主義は、国家の支配もクラスの区分もなくなった究極の社会、すべてが共有され、管理する組織自体が必要とされなくなる社会だ。それはすなわち、共産主義者も要らないということを意味する。共産主義者が国の中枢にいる時点で、その国は共産主義が実現できていないということだ。


 ある共産主義者が革命を起こし、共産主義の国を興したと高らかに宣言したとしても、共産主義者が権力で民を押さえつけ、それっぽく見せているに過ぎない。それは本物の料理ではなく、店先のショーウィンドウに飾られた偽物の料理のようなもの。とてもじゃないが国として機能しないだろう。


 我が身を振り返り、このあたりの文脈は考えさせられるものがある。僕は善なる社会を目指しているが、この文脈に従えば、世の中を善くしようとしてる人がいるうちは、まだ十分善くなっていないということが言えるだろう。でも、それは仕方ない。この世は浄水場であり、浄化し続ける必要がある。完成と呼べる状態はきっと永遠に来ないだろう。


 でも、そのお陰で人は永遠に成長することができる。100%あり得ないが、この世で共産主義のような世界が成立したら大問題だ。完成された世界なら、人はもう、それ以上、進歩しようとしなくなってしまう。不完全で発展途上だからこそ、常に進歩することができる。


 実際は、完成することはあり得ないが、

 完成したと思い込むことはあり得るから、警鐘を鳴らしたい。


 高級霊界は、この世から見れば完成された世界に映るだろうが、実際はそうではない。そこに行っても、さらに上を目指すことになるだろう。僕らは永遠に向上を目指す存在だ。ここで完成、ここで終わり、ということはない。


 現実の世の中を見渡すと、貧富の差があり、日々の生活に窮する一般大衆からすると、「金持ちのせいで自分たちの生活は苦しい。だから、あいつらを追い出せば生活が良くなるに違いない」という論は耳当たりよく聞こえるだろう。だが、それを行動に移し、金持ちを追い出したら、生活はもっと苦しくなる。


 水道、エネルギー、防災、治安、防衛、農業、食料、インフラ、基幹産業など、国民の暮らしに直結するものや国の重要産業は保護すべきだが、それ以外の一般的な産業の取引は自由であっていい。だから、通貨、債券、株式などの売買もルールの範疇なら自由であっていい。


 東京証券取引所は平均株価が5万7千円台に乗り、バブル期を越え、史上最高値を更新しているが、その一方で外国人投資家の比率が高くなっており、日本株の外国人保有比率は既に3割を超えている。これは外国人にとって日本株の魅力が高まっているということであり、悪いことではないが、これも社会主義的思想の強い人は悪く言うんだよな。


「3割も外国人に買われたということは、株の売却益や配当益が

 3割も海外に流れるということだ。これは国富の流出だ」とね。


 だが、日本だって外国市場に投資し、そこから売却益や配当金を得ているから、お互い様の話だ。むしろ、外国人が日本株を買う量より、日本人が外国株を買う量の方が多い。自国がするのはいいけれど、外国がするのはダメ、という理屈は公平ではなく国際的に通らない。外国人投資家を排除すれば、日本株は暴落することになり、結果、日本人は損をすることになるだろう。相手に儲けさせず、自分だけ儲けようとしても、そうはいかない。外国人に売買させなければ、バイバイされるだけだ。


 資本家が悪いのではなく、悪い資本家が悪いのだ。一部を全部として受け取ってはいけない。少し考えれば簡単に分かる話だが、生活が苦しくなると不平不満や他責思考が高まり、近視眼的となり、また理性と周波数が下がることにより、ヘイトを誘う悪魔の囁きに乗りやすくなってしまう。


 これを悪用したのが、かのナチスだ。ナチスと言えば反共産主義だが、ナチスの正式名称「国民社会主義ドイツ労働者党」から分かる通り、実は国家運営の手法として社会主義を採り入れていた。ナチスは「大衆の生活が苦しいのは資本家であるユダヤ人がお金を奪ったからだ」と主張し、大衆のヘイトをユダヤ人に向けることによって支持を拡大した。


 現在の共産主義・社会主義・リベラルなども、ナチスほど露骨ではないが、基本的な手法は同じ。誰かを悪役に設定し、それを叩くことによって支持を得ようとする。彼らは平和を口にするが、実際にはヘイトを拡散し、対立と分断を煽ってばかりいる。


 ナチスの宣伝相ゲッペルスは「嘘も百回言えば真実となる」と言い、プロパガンダによる情報操作に長けていたが、これと同じことを現在の共産主義・社会主義・リベラルなどもやっているんだよな。情報を一部切り抜いたり、歪めたり、何でもないことを問題視したり、レッテルを貼ったり、ギャーギャー騒いで攻撃したり、やり口がナチスと変わらない。その癖、「平和だ」「平和だ」と連呼するんだから苦笑する他ない。


 こういう連中は頭の中がお花畑であり、口先だけで実行力が全然ない。議論しても同じことを壊れたテープレコーダーのように繰り返すばかりで建設的に議論することができない。「平和」を言うが、実際は攻撃的。アメリカは保守派と言われる共和党とリベラルと言われる民主党の二大政党が国を動かしているが、大きな戦争が起きるのは民主党政権の時ばかりだ。


 日本では保守派の政党が強く、ずっと政権を握っているが、一時、リベラルの政党が政権を握ったことがあり、その時、国政が乱れ、外交に支障をきたし、経済は超円高で企業倒産が続出し、えらい目に遭ったことがある。


 はっきり言って、リベラルは国のためにならない。元々、共産主義や社会主義であったものを名前と雰囲気だけ変えて延命しているに過ぎず、その様なまるで生きたフリをしているゾンビのよう。早く退場して欲しいものだ。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、ブックマーク、評価をして頂けると大変有難いです。

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